映画「ラ・ラ・ランド」を観てきました。

夢があるなら、諦めない。。
ピアノが弾けるなら、恋人と歌おう。。
・・・

この映画を観ると、
人生で大切なことを、
弱冠32歳のデイミアン・チャゼル監督から
教わることになります。

若い人が観たら単なる恋愛映画で終わって
しまうかもしれませんが、
中年独身男的には、
せつなく、
そして軽くショックを感じる内容でした。
(・・ですから、お勧めはしません。)

それにしても、
デイミアン・チャゼル監督は凄い。!

映画をみても、
10本に1本も投稿しないと思うのですが、
前作「セッション」に続いて2回目ですよ。

それに比べ、
私の32歳なんて、
友達と集まって、ファミレスで
メシ食ってただけですから。(涙)

映画『ラ・ラ・ランド』公式サイト

小林薫主演『続・深夜食堂』を観てきました。

映画『深夜食堂』は、
安倍夜郎さんのマンガが原作で、
TBS系のテレビ番組を映画化したものです。

残念ながら私はテレビ版を見ておらず、
あとからしまった。と思いました。
昔から好きな小林薫さんが
料理人を演じているということで、
イメージピッタリ!
面白くないはずがありません。

そんなわけで、何も迷わずに、
前作を観たわけです。

そして、前作が期待通りだったので、
続編があると知れば迷わず見てしまう訳です。

・・という訳で本日は、小林薫さん主演

 『続・深夜食堂

をご紹介します。

最近まで続編があることを知らなかったのですが、
早くも続編?という気もします。
自分のブログを調べてみると
前作は去年の2月に観たようです。

『続・深夜食堂』も前作『深夜食堂』と同じように、
3本のオムニバスとなっています。

一話目は、
本の編集の仕事をする女性を
河合青葉さんが演じます。
仕事が生きがいで、婚期を逃してしまった
独身OLといった雰囲気です。

彼女は、気分が落ち込むと、
喪服を着て町に出ます。

そうすると、案外男から声が掛けられて、
それを断るのが気分がよいのだとか。

そんな変わった人がいるのかと思うのですが、
劇中でもお客さんが趣味が悪いとか横で
話しをしています。
そして、真夜中というのに焼き肉定食を食べるのです。

そんな彼女が恋をしたのが、
元編集者という石田(佐藤浩市さん)です。

この先ネタバレなので書きませんが、
個人的には予想外の展開でした。(^_^;)


続く第二話目は、
女手一人で蕎麦屋を切り盛りする、
母(キムラ緑子さん)と息子(池松壮亮さん)の物語です。

20代となってもフラフラしている息子は、
おばあさんが病気で倒れたことをきっかけに、
家業である蕎麦屋の手伝いを始めます。

母親はそんな息子が心配で、
深夜食堂に来ては嘆いているのですが、
ある日、たまたま隣にいた若い女性と息が合い、
飲み友達になるのでした。
息子の嫁になれば良いのに、
などと、
二人で夜な夜な盛り上がるのです。

そんなとき、
息子は15も年上の女性と結婚したいと母親に言います。
当然反対するのですが、その女性はなんと・・・

・・もちろん、
この先ネタバレなので、今日は止めておきます。(^_^;)


最後の第三話目は、
オレオレ詐欺に騙され、
九州から上京してきた老婆(渡辺美佐子さん)の物語です。

特に説明は無いのですが、
どうみてもオレオレ詐欺(いまはなんと言うのでしたっけ?)
に騙されています。

とはいえ昔風の振り込みではなく、
会社の同僚を装って、
わざわざ東京までお金を持ってこさせ手渡しする手口です。

深夜食堂の仲間達は、彼女がサギに騙されたことに気付き、
温かい手をさしのべるのですが、
本人も本当は気付いているのです。

深い事情があり、
これでよい。
と思っているようなのです。

東京に着いた時の演技など、
まるで私の母親をみているかのようにリアルで、
驚いたのですが、

しかし、そんな田舎物のお婆ちゃんが、
お世話になったお礼といって、
屋形船を予約できるとは思えず、
ココは若干ちぐはぐな印象でした。

こちらも、この先ネタバレなので、
ココもやめておきましょう。(^_^;)

なんというか、
ありそうなストーリーというか、
ストーリー自体に面白みが有る訳ではありません。

私たちの日常の、
極めて近しい世界を描いているのがこの映画です。

特に『続・深夜食堂』では、
理屈ではおかしいことをしている。
と本人が自覚していながらも、
気持ちが許さなかったり、
間違っていると思いながらも、
認められないことを物語と通じて表現しています。

この映画の魅力は、
そんな、なんとも説明のしようがない、
非合理的な心理が人の心に響くからだと思いました。

ところで、
前作に比べ『続・深夜食堂』は
小林薫さんや余貴美子さんのシーンが
少なかったように感じました。

加えて言えば、
飲み屋の人達の会話も前作は、
もっと多かったような気がするのですが、
今回はゲストのストーリーにより重点がおかれて
いたように感じます。

それにしても、
深夜0時から朝の7時まで店を開いているわけですから、
飲み屋さんが仕事帰りに寄るのは理解出来ますが、
案外普通のサラリーマンの人が居るのか、
相変わらず疑問です。

なんとなく、
深夜タクシーの営業の終わったおじさんとか、
朝の早い仕事場の人などのお店。
といった感じもするのですがね。。



映画『続・深夜食堂』公式サイト


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渡辺健主演「怒り」を観てきました。見終えると、頭の体操をしたような、不思議な爽快感ある映画でした。

今日は李相日さん監督、渡辺健さん主演映画

 『怒り』

をご紹介します。

上映開始は9月17日からということで、
かれこれ一月ほど経ちます。

映画館のポスターなどで、
『怒り』
という覚えやすいタイトルの映画が
上映されることは知っていました。

きっと予告編も見たはずですが、
あまり覚えていません。

唯一覚えているのは、
渡辺健さん宮崎あおいさんという、
私の好きな俳優さんが出演していること位です。


↑このイメージしか記憶にないもので・・

いつもであれば、
無条件で見る映画ですが、
どうも食指が動かず、
今回はスキップする予定だったのですが、

たまたま見たテレビで、
『怒り』は面白かった。と会話していたのを聞き、
週末に映画館に足を運んだ次第です。


映画の冒頭、
ドローンかなにかで撮影したような、
夜の郊外の町並みが映し出されます。
どこかでみたような画だなぁ〜と思ったら、
次に血だらけの残忍な
殺人現場のシーンになるわけです。

明日から会社だ。頑張ろう。!
という日曜の晩に、
あまり好んで見たいシーンではありません。
夢に出てきたら大変です。

そういえば、殺人映画だった気がする。
などと、今更思い出します。

できるだけ殺人シーンは最小にして欲しいと
願う訳ですが、最後の最後まで殺人シーンが
出てくる映画でした。(^_^;)

そしてこの後で出てくるのが、
妻夫木聡さんと綾野剛さんの、

ホモプレイ映像です。

個人的に全く見たくないカットなのですが、
これも映画。勉強勉強。
と思いながら画面を見つめます。

女性が見たら、
ボーイズラブとかいう少女マンガの実写版でしょう。
お二人が美形なのが唯一の救いですが、

周りで撮影する方々は
どんな感覚なのかと思います。
仕事が忙しくて気にならない。とか。?

それにしても役を選ばないこのお二人の演技に感心します。
凄すぎる!

映画の中心部に入る前には、
こうした説明はどうしても必要なのです。
無ければないで物足りないこと間違い無いのです。

しかし、PG12指定となっていますが、
小学6年生ではキツイ映画だと思います。

・・とこの後も、
いつものように物語を知らずに見ています。

映画では
妻夫木聡さん、綾野剛さん、原日出子さんが演じる東京編
渡辺健さん宮崎あおいさん、松山ケンイチさんが演じる千葉編
森山未來さん、広瀬すずさん、佐久本宝さん演じる沖縄編

の3つのストーリーが同時に展開されます。
画面の切り替えが良く、編集の上手さを感じます。

しかし私は映画を見ながら、
宮崎あおいさんの若い頃を広瀬すずさんが演じていて、
不幸な事件が起き、その後メンタルがいかれてしまったのかと
最後のほうまで思いながらずっとみていたのですが、
映画を終わってみれば、全く関係のない人達でした。

映画では○×編とか具体的な説明はありません。
映画を見終えた後、ネットで解説を見て知りました。

勝浦に行ったとか、那覇へ行くとか、銀座で見かけた。
などの地名を含むセリフによって、辛うじて場所を
推測した程度です。
ですから、勝浦が千葉県と分からなければ、
何処の港町なのかよくわからない映画です。

ストーリーは
1年前に八王子で起きた殺人事件の犯人がどこかに潜伏しており、
犯人とよく似た特徴を持つ3人の男がそれぞれの町で暮らしています。

綾野剛さん演ずる男には、
犯人と同じ3つ並ぶほくろがあり、
松山ケンイチさん演ずる男には、
警察が発表した防犯カメラ映像の人物と背格好が似ています。
そして森山未來さん演ずる男には、
同じく警察が発表した整形前の犯人の写真とにているのです。

それぞれの町で、
3人には友人ができたり、
恋愛関係となったりするのですが、

犯人が映し出されるテレビ番組を見て、
不安になったり、彼を疑ったりするのです。

私は、もしかして犯人は3人か。
と勘ぐったりもしたのですが、
実際に犯人は3人のうち1人しか居ないわけです。
残る2名は要するに、
えん罪というか、無実を疑われた人達です。

映画では、罪のない友人や恋人を疑った人が
信じることが出来なかった自分に後悔し、
そして自分を怒っているのが、
この映画のもっとも大切な部分と思います。

人を信じることは難しい。
ということを観客に訴えかけてきます。
と同時に、
信じて裏切られることと、
疑って間違うことのどちらが辛いか。
そういった事もいやおうなしに考えさせられます。


東京編では、
偶然であった住所不明の男(綾野剛さん)に
IT企業勤め(らしいです)の男(妻夫木聡さん)が出会い、
一目で恋をするわけです。

妻夫木聡さん役の男には、
ガンで余命僅かの母親がおり劇中で死んでしまうのですが、
その墓に一緒に入ろう。みたいな会話をするにもかかわらず、
綾野剛さんを犯人ではないか。と疑ってしまいます。

住所不明の男は、本当は孤児院の出身でした。
そして子供の頃から胸に病をもっていて、
ある日突然死んでしまうのです。


千葉編でも、出所不明の男(松山ケンイチさん)に、
渡辺健さん演じる父親の娘(宮崎あおいさん)が恋をします。
宮崎あおいさんは、智恵遅れというか、
そんな感じの若い女性を演じており、
父親は愛する娘が、結婚し子供(孫)ができる。
みたいな普通の幸せが掴めないことを心配しています。

コレぐらいの年頃の親子は、
喧嘩ばっかりしてそうですが、
この2人は信頼関係があって、仲も良く、
ある意味羨ましい親子像です。

しかし、殺人犯と似ていることを知った娘は、
松山ケンイチさんが外出したあと、
ガマンできずに警察に電話をしてしまいます。
要するに気持ちは子供なのですが、
見ている私は辛くなります。

一方沖縄編では、無人島に住む森山未來さん演じる
バックパッカーに、広瀬すずさん演じる女子高生が
興味を持ってしまいます。

旅人に恋する村娘。まさにそんな雰囲気満々で、
一目見て危ないです。
この男に広瀬すずさんが殺されてしまいそうな
オーラが出ているのですが、
そんな展開にはなりませんでした。

その後、男(森山未來さん)は、
ペンション経営をする、広瀬すずさんの男友人
(佐久本宝さん)の家でバイトをすることになります。

そんな中、女子高生と男友達が、那覇に遊びに行き、
沖縄の米兵に襲われる事件が起きます。
ビビって事件を遠くで見ていた男友達でしたが、
バックパッカーの男は、彼の心の支えになると言います。
しかし、映画なのでこの先どんでん返しが待っています。

米兵にレイプされるシーンでは、
少し政治的な臭いを感じました。
それにしても、ホモプレイと良い、レイプシーンと良い、
殺人シーン以上に衝撃的なシーンが多すぎます。

広瀬すずさんの(年齢で演ずる)レイプシーンは、
いかがなものかと思うのですが、
彼女はちゃんと演じていました。
役者さんというのは大変な商売だと再び感じます。

結局映画は、
1人の犯人を巡って、
3つのストーリーが平行に展開され、
そして最後に犯人の種明かしがあり、
さらにどんでん返しが加わって幕を閉じます。

タイトル『怒り』はそれらを横串で通していて、
3人の男たちとその相手、
加えて佐久本宝さん、渡辺健さん
主要人物の殆どが「怒り」を抱えている。
というのがこのシナリオの上手いところです。

殺人犯でさえ、動機は、
誰に向けたらいいのかわからない「怒り」です。

しかも発作的なもので、
私は殺人犯というよりも精神疾患に思えました。
悪人というよりも、心の病を抱えています。


渡辺健さん演じる父親も、
街の人達の娘に対する態度に怒っています。
どんなに父親が頑張っても
悪いのは娘になってしまうというのです。
そして娘の好きになった男(松山ケンイチさん)を
信じ切れなかった自分と娘にも怒っています。

広瀬すずさん演ずる女子高生はさらに複雑です。
米兵に襲われ、好意をもった相手が殺人犯となる訳です。

そんな怒ってばっかりの映画を見終わって感じたのは、
あまり見たくないシーンが多かった割りには、
妙な爽快感があったことです。

想像を巡らすという頭の体操をしたためか、
広瀬すずさんを見たためなのか
良くわからない不思議な感じでした。


映画『怒り』は、
吉田修一さんの小説『怒り』(中央公論新社刊)が原作です。
長い小説を上手くまとめている。
というコメントを読みました。
小説版の解説ページ(以下勝手にリンクします。)

を読んで、なるほど!
映画の後ろにこのようなシーンがあったのか。
と思いました。
これを読むと確かに映画だけ見ても違和感がないので、
上手くまとまっているのだな。と思います。


そして映画の素晴らしいところは、
なんといっても役者さんの演技です。

主演渡辺健さんの漁港のおじさん役は、
もの凄くハマっています。
ブロードウェイで『王様と私』の主演を
つとめた俳優さんとは思えない幅の広さです。
無精髭の感じといい、
おじさんのよれよれ感あるシャツといい、
軽トラを乗るシーンと言い上手いです。

ブロードウェイ俳優が軽トラに乗るのは、
日本だけ。と思いますが。(笑)

そして娘役の宮崎あおいさんがいいです。
若干知的障害な感じの女性(恐らく20歳前後と思う)
を演じています。
さすがに20歳には見えないのですが、
普段の半分ツンというか切れたような演技ではなく、
優しい感じの女性を演じておりまして、
こんな役柄もできるのだな。と妙に感心しました。
冒頭少しだけ風俗嬢の役をしているのですが、
ファンにはたまりません。
今回宮崎あおいさんは、役作りのため7キロ太った
のだそうです。(その後10キロやせたとか)
いつもと少し顔が違うのはそのためだったのですね。

そんな二人をあっさり超越してしまうのが、
やはり妻夫木聡さんと綾野剛さんのカップルでしょう。
ホモ俳優として歴史に残らねば良いのですがと心配です。

最後に森山未來さんの個性的な演技が光って居ます。
良い人、悪い人の両面を演じているのですが、
目つきの善し悪し、体の動き方、
悪い人の時には、悪い人のオーラが出まくっていて、
この方の演技は凄いとしかいいようがありません。


という訳でそろそろ締めたいと思うのですが、
映画の最後は、妻夫木聡さん、宮崎あおいさん、
広瀬すずさんの、怒り顔で終わります。

このシーンが良かったという
ネットのコメントも多く読んだのですが、
私個人的には、特に広瀬すずさんの顔は
笑っているようにも見えました。

笑顔の元は、怒って威嚇する顔だった。
という説があることを思い出しました。


オムニバスという訳では無いのですが、
怒りをテーマにしたオムニバス的要素の強い映画です。
どキツイシーンも多く刺激の強い映画ですが、
なんとも言えない充実感があると感じた今日の一本です。


追伸)
音楽が坂本龍一さんです。
不安定な気持ちの中に、安定感した部分を感じる
音楽と思うのですが、
おどろおどろしく無く、映画の演出に大きな
役割を果たしていると感じました。

http://www.ikari-movie.com


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福山雅治主演『SCOOP!』を観てきました。最近観た邦画の中では一番です。

今日は大根仁監督、福山雅治さん主演の映画

 『SCOOP!』

をご紹介します。

どうも私は福山雅治さんが好きらしく(^_^;)、
彼が映画に出ると聞けば観たくなります。

ここ2〜3年でも,
2013『真夏の方程式
  『そして父になる
2014『るろうに剣心 京都大火編』
と全部観ています。

キャリアの長い俳優さんなので、
毎年のように映画に出ているかと思いきや、
今回の『SCOOP!』で9作目の映画出演とのことす。
(Wiki情報です。)
あれ、案外少ない。・・と思いました。

さすがに福山さんの映画なので、
観る前から様々な情報が入ってくるのですが、
一番気になったのは、あまり人が入っていない。
という情報です。

これまでの福山雅治さんと違い、
今回の役はゲス野郎の役柄と言うことです。
ゲスの福山さんをあまり観たくは無いので、
(想像も付かないですし・・)
今度は見送ろうかと思ったのですが、

愛読しているメルマガで、
面白かった。と書かれているのを観て
映画館に足を運んだ次第です。

なお、
私が行ったのは木曜のレイトでしたが、
人は入っていたように思いました。


映画『SCOOP!』は、1985年に原田眞人が監督・脚本を
手掛けたテレビ映画『盗写 1/250秒』を原作としているそうです。
当時の主演は原田芳雄さんです。

※詳細はこちらのブログが詳しいです。勝手にリンクさせて頂きます。
SCOOP! 『盗写1/250秒』キャスト比較 : 日記

大根仁監督はこのテレビ番組に惚れ込み、
当時のビデオテープの、しかもより良い画質を求めるため、
8本も入手してしまったそうです。

私は観た記憶が怪しいのですが、
このタイトルはよく覚えております。
当時、結構話題になった番組と思います。

調べてみると、
写真週刊誌「FOCUS」が創刊したのが81年で、
『フライデー』(FRIDAY)が創刊されたのが84年ですので、
この有名な2誌のカメラマンをテーマにした映画と思います。


さて映画『SCOOP!』は、
冒頭の福山雅治さんのカーセックスシーンから始まります。
こんなシーンは必要かなぁ〜?
と思ったりするのですが、
他のネットの解説を読むと、
福山雅治さん演ずる都城静(いかにも・・っていう名前です)
のゲス具合を表現するための演出なのだそうです。

スクープ写真を狙うため、
車内で張り込みをして待っているわけですが、
Hのあと、女性にお金を払い、すかさずカメラを構えます。

こんなこと出来ないだろう。
・・と私は思う訳です。

私も多少カメラかじるのですが、
知人や友人のカメラマンさんは常識的な人ばっかりで、
演出としか思えません。

どこの業界でもそうですが、
どんだけ腕が立っても、芸が達者でも、
乱暴な人は生き残れないでしょう。。。

昔のスクープ系カメラマンさんは、
こんな感じだったのでしょうか?

そんなゲス野郎カメラマンを福山雅治さんは、
うま〜く演じていますが、それでもややマイルドな印象です。

愛読しているメルマガの女性編集者は
「美しすぎる」と表現していました。

映画の前半では、乱暴な雰囲気をバンバンに
醸し出しているのですが、
映画の後半は普通の男性の感じになっているような気がします。

ちなみに、福山雅治さんは
映画の役作りのため、一ヶ月も前から、
髭を生やし、革ジャンを着て役作りに励んでいたそうです。
今回は六本木などでも撮影していたそうですが、
普段ならすぐにバレて人だかりができるのだそうですが、
今回はなかなかバレなかったそうですよ。

映画のストーリーですが、
かつて写真雑誌「SCOOP」の専属カメラマンで、
今はフリーのカメラマンの都城静(福山雅治)が、
芸能・事件班の副編集長(吉田羊)に頼まれ、
新人編集者(二階堂ふみ)とペアを組み、
彼女を一人前の編集者に育てていくというものです。

沢山の現場を重ね、二人はスクープを重ねていきます。
そして、この手の映画ではお決まりのように、
いつしか二人は結ばれていくわけです。

そして、ココで映画は終わりません。
(注意:この先ネタバレです。)

さらに映画で重要な役割を果たすのが、
都城静の友人であるチャラ源(リリー・フランキー)です。
福山雅治さんとリリー・フランキーさんとは
映画「そして父になる」でも共演していまして、
今回もなんとも良い感じなのです。

映画の前半のシーンでは、
都城静のスクープ撮影に協力するしているのですが、
こうした説明的な伏線や、劇中のセリフから想像するに、

二人は昔からの友人であり、
昔からスクープ撮影に協力しているなか何か事件が起き、
チャラ源さん一人が罪を被り、
エースカメラマンだった都城静は会社を去った。
そして今は借金だらけの中年パパラッチに落ちてしまった。
そんな設定に思えます。

チャラ源は、一見ヘロヘロしていますが、
めっぽう喧嘩が強いという意外性を持っています。
ヤクザに絡まれた新人編集者を助けに行くシーンでは、
数名を相手にして並の喧嘩の強さではないのです。
この時点でリリー・フランキーさんの
演技が光りまくっているのですが、

その後さらにリリーさんの演技が加速します。
チャラ源さんは事件を起こすのです。

元妻とその旦那を殺害し、
娘を人質にとって、
訳も分からず都城静に電話をするのです。

友情を大切するあまり一人現場に駆けつけるのですが、
ヤク中でイッてしまっているチャラ源が
誤って都城静をピストルで撃ってしまいます。

周りに沢山の警官がいるのですが、
映画を観ながら先が読めてしまい、
もっと早く捕まえろ。とじれったいのです。
しかし、演出だからしかたありません。

そして、都城静が撃たれた様子を、
新人編集者がスクープ写真として撮影します。


後から考えると良くできていますが、
都城静は新人編集者と組んだその日から、
彼女にスクープ撮影を指示しています。

都城静のカメラカメラを使いながら写真の取り方を覚え、
そして彼女自身もスクープ写真を物にします。

そ新人賞をとり、二人が愛し合うシーンを経て、
クライマックスの場面に突入する流れなのです。

都城静が死んだ後、
このスクープ写真を雑誌に掲載するかどうかで、
副編集長同士が口論をします。

しかし、次期編集長に決まった、
芸能・事件班の副編集長(吉田羊)が写真掲載を決定します。

彼女は都城静と恋人関係でありながら、
最後は新人編集者に男を取られた形と成ります。

しかし、そういった背景は有っても無くても、
彼女はドライに写真掲載を決めたのではないかと感じました。
そんな設定です。

反対するのは、もうひとりのグラビア班の副編集長(遠藤賢一)でした。
彼と都城静は古くからの仲間だったのです。
新人編集者に、昔ペアでスクープをあげたとき、
風俗をおごった話しをしているのですが、
俺はデブだったけどあいつ(都城静)は50過ぎのおばさんだった。
とか、二階堂ふみに言うのですが品が無いです。
セリフとしては定番ですが、
しかし映画中で観たら妙にリアルな感じがしました。

余談ですが、映画では芸能人や政治家が登場します。
山地まりさんや石川恋さんが本物出てて要るのは良かったのですが、
それ以外の俳優さんも、有名な方を出せば、もっと良かったのでは
無いかと思いました。
斎藤工さんの政治家役は良かったですが、
新人編集者が可愛い・・とかカッコ良い。とか言っている人達が
私には分かりませんでした。(モデルさんなのですがね。。)

余談戻りまして、

恋愛的な流れで言うと、
女性副編集長と付き合っているカメラマンが、
新人女性編集者へ乗り換えるわけです。

映画の途中で、福山雅治さんと二階堂ふみさんの
ベッドシーンが挟まります。

ネットの事前情報で、彼女の乳首が見えたとか見えなかったとか、
読んでしまったので、つい画面を凝視してしまったのですが、
下着以上のものは見えませんでした。(笑)

で思ったのですが、
このHなカットは説明的な物なので、
一瞬入れはストーリー的には十分と思うのですが、
何故か長かったように感じられました。
オヤジのねちっこさというか、なんかそんな感じがしたのです。

二階堂ふみさんは、今回の映画ではじめて観たのですが、
沖縄出身で慶応大学入学と才女とのことです。

今年22歳なのですが、私と同い年の福山雅治さんは、
22歳とHなことをしているのです。
うらやましいというか、
さすがに25歳も年下は私は無いな。と思いました。
福山雅治さんだからありえるというか・・。

その福山雅治さんですが、肌がとっても綺麗でした。
47歳の肌とは思えません。
お風呂に入って、石けんで洗わない美容法をしている
ためでしょうか?

そして、少し太っているような気がしたのですが、
恐らくゲス野郎を演じるために、演技上太ったのでは
無いかと思いました。
Hシーンをやるにしても役者さんというのは大変な物です。

Hなシーンというのは、役者さんでも親しい関係だと
しにくいので、最初のほうに撮影するとか
聞いたこともありますが、
どうなんでしょうかね。

映画の最後のシーンは、都城静と新人編集者が車の中で
楽しくしゃべっているシーンです。
兄弟のように仲が良く、アドリブでしゃべっているそうです。
このシーンが最後に撮影したシーンだったそうです。

もうひとつ、この映画で大切な役割を果たすのが、
車とカメラです。

「ベンツなんでしょ。もっと綺麗にしたら」新人編集者
「俺は女と車は新車に乗らない」都城

というセリフも印象的ですが、
車がベンツのゲレンデバーゲンという、べらぼうに高い
車であることはすぐにわかりました。
こんな車に、借金まみれの設定の
中年カメラマンが乗れるか。ということです。
映画のホームページを調べてみたら型番が分かりまして、
「230GE」でした。
ゲレンデバーゲンとして輸入された物としては最初期型です。
ベンツマークの「スリーポインテッド・スター」が黒く
シートがチェック柄なのも印象深いです。

そしてもう、個人的な見所がカメラです。
メインは、キャノンのEOS1DX、サブが5DMK3と思いきや、
つかまるシーンではカメラが途中で入れ替わっています。
乱闘シーンで壊れそうだから、古い適当なカメラに変えたのですね。(笑)
その他に、盗撮シーンではPowerShot N(2)っぽいカメラも使っています。

私もキャノンユーザなのでそこそこ知っているのですが、
レンズの使い方含め、結構リアルな感じがしたのですが、
ココだけ注目しても面白い映画と思いました。

そもそもこの映画は、大根仁監督が長年企画を考えていた
ことと、福山雅治さんでどう?という話しがあったときに、
福山さんが写真家としても活躍していることも、
主役に抜擢された大きな要因だったそうです。
カメラの取り回しなど違和感ないですからね。

そしてエッチシーンの朝に、
寝ている二階堂ふみさんを撮影するのが、
趣味で使っているというライカのカメラです。
ネットでも、福山さん自前のカメラではないか。などと
出ていましたが、私もそうかな。と思いました。
なんとなくストラップの絡め方など、自然だったわけです。

このとき中学生の頃、ロバート・キャパの写真をみて、
カメラマンになろうと思った。といいながら、
写真集を開き、有名な写真を見せるシーンがあります。

あまりにも定番過ぎるというか、臭すぎて、
Hシーンからココは要らない。と思ったのですが、
(ゲス野郎が、こんなセリフ言いますか?みたいな)

このとき心に響いたセリフがあります。

「結局カメラ(写真だったかな?)しか無かったんだよな」
という定番セリフのあと、

「大人になったら何者かになれるとおもったけど、
結局なんにもなれなかった」

というセリフです。
私も50歳を手前にして同じ事を思っているわけです。

しかし、映画を作った大根仁監督は私と歳は一つしか
違わないわけで、こんな場末のブログを書いてるより、
よっぽど、何者になったのだと思ったのですが、

そうなんですね、この映画のターゲットはつまり、
僕ら中年おじさんなのです。

最近みた数本のなかで、最も面白く感じたのですが、
これはきっと私が監督と同世代で、
しかもターゲットにピンポイントでハマってしまった
からだと感じた今日の一本です。


↑映画のホームページも凝っていて面白いです。

蔵[kura] |


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長谷川博己主演、庵野秀明総監督『シン・ゴジラ』を観てきました。

本日は長谷川博己さん主演、庵野秀明さん総監督

 『シン・ゴジラ

をご紹介します。

2年ほど前でしょうか、
渡辺健さんが出演するハリウッド版ゴジラを観まして、
結構面白かったのですが、

アーロン・テイラー主演「GODZILLA ゴジラ」を観てきました。案外面白かったです。 - つれづれなるまゝに、日ぐらしMacに向かいて・・・

今回の「ゴジラ」は正直あまり期待して
いませんでした。

しかし、
結構なお客さんが入っているようで、
ネット情報も増えると、つい読んでしまいます。

特に、枝野幸男さんの取材記事や、
石破茂さんのブログなど読みまして、
結構危機管理の様子がリアルに再現されている。
というコメントにはたいへん興味を持ちました。
なんといってもお二人は、
内閣官房長官、元防衛大臣という閣僚経験者です。
この二人がリアルというのですから、
俄然映画を観たいモードに火が付いたのです。


シン・ゴジラ』を観る際には、
通常シートと、MX4Dの2つのシートが選べます。

3Dがあるときは、3D上映のほうが面白い。
という事を学習しているので、
絶対MX4Dだろうと思いまして、

結構お高いですが、迷わずMX4Dを予約しました。
※TOHOシネマズの場合、通常料金+1200円とのことです。

私的に初めてのMX4Dでした。
席をみるとまるで遊園地のアトラクションです。
座席から足が浮くのです。

そして3Dと同じように予告もMX4Dモードでした。

席が揺れ、顔に風や水蒸気が飛んできます。
ちなみに私は身長175センチほどでメガネをしています。
水蒸気がメガネに飛んでくると、
その後見えなくなってしまう可能性があるので
少し心配だったのですが、
私の場合は最後まで大丈夫でした。

なお、あくまで個人的感想ですが、
ストーリーや映画そのものを楽しみたい場合は、
通常シートのほうが良い気がしました。
いきなり揺れたり、シューとか水蒸気が
飛んでくると、映画に没頭することができません。(^_^;)


・・という訳で映画のストーリです。
シン・ゴジラ』のホームページを観ても
情報は良くわからないのですが、
Wikiを読むとほぼストーリーがわかります。

超要約すると、

東京湾に幼虫(虫ではないが)のゴジラが現れ、
アクアラインに被害を出し、
大田区あたりに上陸して町を壊し、
再び東京湾に帰っていきます。

その後、成虫となったゴジラは湘南(鎌倉)に現れ
都心めがけ一路北上します。
自衛隊の敷いた玉川に防衛ラインを突破し、
東京駅付近まで北上。
そこで米軍との共同作戦により、
ゴジラが死んで(機能停止して)しまう訳です。
※実際に死んでしまったかどうかは良く分かりません。

そして映画の最後に、
竹野内豊さんが、主役の長谷川博己さんに言うのです。

 日本はスクラッチ&ビルドをしてここまで成長してきた。
 だからゴジラの被害を乗り越えて、新しい日本を作っていこう。

みたいなエンディングです。

クラッチ&ビルドという言葉は、
こんなとき使う単語かなぁ〜。
と少しだけ違和感を感じますが、
そのような細かなことを抜きにすれば、
後味良いエンディングだったと思います。


映画をみて言いたいこと、書きたい事は沢山あります。
例えば、小林よしのりさんはブログで上手くまとめている
と思いましたのでリンクを張らせていただきますが、
「シン・ゴジラ」こんな感想が一人いる

私が最もイマイチだなぁ〜と思ったのは、
幼虫(第二形態というらしい)の目です。
安いおもちゃの目玉にしか見えません。
少なくとも生き物の生気が無いのです。

幼虫の形に関しては、色々な方がネットで書き込みしています。
ラブカという深海サメがモチーフとか言われていますが、
こちらも参考URL
「シン・ゴジラ」モデルの深海サメ、沼津の水族館で展示中! グッズも買える! - ニュース - Jタウンネット 東京都

いくら幼虫とはいえ、
カッコ悪いというのは、私もイマイチな気がしました。

その後立ち上がり、成虫と成るのですが、
背中の様子などは実に上手くできていると思いました。
ただ、
小林よしのりさんのブログでも指摘されていますが、
手が小さいです。
加えて、しっぽが地面に設置しておらず
ブラブラしています。

私が子供の頃の恐竜の画は、
尻尾が地面に設置していたと記憶しているのですが、
最近のTVの恐竜番組などをみますと、尻尾は中に浮いています。
手の小ささを含め全体的な体の形は、
ティラノサウルスをイメージしている筈ですが、
中の動きは野村萬斎さん。つまり人なので、
しっぽの全体感が逢わない印象を持ちました。
些細な話しですが・・。


ただ全体的に観れば、
すくなくとも成虫(第四形態というらしい)は、
歴代ゴジラと比べてもカッコ良い気がします。

ハリウッド版と顔も見比べてみましたが、
ハリウッド版は、三角的な輪郭であるのにたいし、
シン・ゴジラ』は四角い輪郭で、
オリジナルイメージを損なわないように、
現代風にアレンジしていると思います。


続けてストーリ的な感想を書きます。
田原総一朗さんのコメントに寄れば、

2016年9月20日 – 田原総一朗公式サイト

==
自衛隊憲法、官僚制度の欠陥、核と原発……、
日本という国の抱える問題を、非常にリアルに描いている。僕はとてもおもしろく観ることができた。
興行成績がトップクラスだというのも納得である。現役の政治家や官僚たちも、ぜひ観ていただきたい。
==

とまとめられていますが、
私が映画を観て感じたのは、
極めて政治的なメッセージ性の強さです。

危機管理という点では、
実際に自衛隊が防衛出動するとき、
つまり自衛隊は防衛が任務なので、
特に陸上自衛隊などは日本国内で活動することになります。
つまり国内で兵器を利用するわけです。
市街地とも成れば当然民間人がおり、
この時の運用の問題が描かれています。

次に自衛隊の兵器ではゴジラにダメージすら
与える事が出来ません。
対戦車ヘリコプターの攻撃が中心だったので
仕方ない面はありますが、
結局ゴジラにダメージを与える事ができたのは、
アメリカ軍がもつ、大型貫通爆弾で、
地下施設にダメージを与える専用爆弾です。

自衛隊は飛行機や軍艦など、海や空からの
兵器は潤沢ですが、地上攻撃兵器は無いわけです。

ココは単に米軍が自衛隊よりも強いの当たり前じゃん。
というレベルの見方をすると、映画の作り手の気持ちを
見落とすと思います。

普通は戦車がだめなら、
試しに対艦ミサイルを撃っても良さそうな気がしますが。
そこは飛ばして、米軍のB2爆撃機が出てくるわけです。

私は自衛隊も地上攻撃兵器をもたねばならない。
というメッセージだと感じました。

でもこれは全体から見れば小さな話しで、
一番大切なのは、自衛隊で手に負えなければ、
有無を言わさず国連軍が組織され、
ゴジラ(のいる東京)に核爆弾が落とされる下りです。

つまりゴジラよりもアメリカのほうが怖いわけですよ。

ゴジラが自己増殖し、世界中が危ないという伏線も
読み取れるのですが、
でも、今回の映画の範囲でみれば、
日本に最もダメージを与えそうなのは、
ゴジラではなく米軍の核兵器です。
都心に核爆弾が落ちれば、日本はアウトで、
首都圏のGNPは何パーセント(数字を失念)という
セリフも入ります。

ここで言いたいことは、
日本有事の際、独力で処理対応できなければ、
容赦なく核爆弾が日本に落とされる。
という現実です。

これが映画『シン・ゴジラ』のもつ最大のメッセージ性
だと感じます。

これを阻止するには、
もっと強い自衛軍が必要ですし、
国際政治的にも国連常任理事国入りするなど、
拒否権が使える立場になる必要があります。

映画の中で、核爆弾が落ちないように交渉するのは、
暫定内閣がフランス政府を通じて交渉したからでした。

東日本大震災でもわかるとおり、
原子力発電所や除染事業に強いフランスに交渉ルートを
作るわけです。

映画では表現されませんが、
ゴジラという、壊れた原発のようのなものが、
都心に残ってしまった処理を、フランスとの共同事業
として進めるバーターに、
フランス政府は交渉に乗った訳ですね。

ゴジラ福島原発だ。
というひとも多い訳ですが、作り手はもちろん
そうしたことも考えたと思います。

こうした強いメッセージ性があるがために、
シン・ゴジラ』はつまらない。
という人もいるのですが、
ただし、議論の元になった功績は認める必要が
あると感じます。

ちなみにハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』は、
メッセージ性はかんじられず、
仮想敵を倒して家族を守る。
・・みたいな分かり易い話しだったと思います。

作り手はそうしたことも理解した上で、
あえて日本専用映画として『シン・ゴジラ』を
作ったのでしょう。


結局のところ、ゴジラは主人公の長谷川博己演じる
矢口らのチームが開発した血液凝固剤を経口注入することで
機能停止します。
薬を作るのに化学プラントというのは変な気もしましたが、
それはさておき、
一番おかしなのは、
やはり薬の経口注入です。
ちょっと動けば外れてしまいますし、
なんとなく注射しなければ薬は効かない気がします。

なにより、退治方法として画的にはカッコ良くないです。


・・とその前に、
東京駅で暴れるゴジラに対し、
電車爆弾で攻撃するアタリも見逃せません。

爆薬量を考えると、この作戦は妥当というコメントを
読んだのですが、新幹線が新橋か有楽町を過ぎる際に、
駅にホームがあったのですが、
このカットはおかしいと思いました。
(もちろん些細なはなしです。)

それにしても電車爆弾を作ったり、
東京駅周辺の高層ビルを破壊したり、
いざとなれば政府というのはもの凄い権限を
もっているものだと感じました。
これはこれで、ある意味怖いと感じます。


そんな訳で最後になりますが、
映画を観て疑問に思うのは、
ゴジラは何故東京に現れ、そして何をしたかったのか。
ということです。

確かに歩いた所は線上に壊されていき、
少しの放射線も出てしまうのですが、
それ以外のところは普通なわけです。
仮に東京を破壊したかったとしても、
その理由がよくわかりません。

ゴジラは、日本の学会を追われた牧悟郎
(元城南大学統合生物学教授)
の怨念の形という説があるのですが、
映画を観る限り良く分かりません。

そんな訳で、ネタ満載で議論が尽きない『シン・ゴジラ』です。
ネタが多すぎて、俳優さん特に、
石原さとみさんネタに到達しないのが残念です。
もの凄く可愛い女優さんなのに、
この映画では、まったく可愛くない点が、
個人的にイマイチです。
新路線なのでしょうかね。


映画『シン・ゴジラ』公式サイト


今日のアクセス:536614

黒澤明監督「生きる」を観ました。真剣に仕事をして世の中の役に立つ。これが生きることなのだと感じました。

今週(とはいっても今日は10月9日ですが)、
ピロリ菌を撃退する薬を飲んでいます。
薬をもらう際にに、

 この薬を飲むとお腹がゆるくなることがあります。
 それでも頑張って飲み続けてください。

・・とお医者さんに言われました。

仕事柄、外出も多い物で、
なかなか飲む気分になれませんでしたが、
そろそろ次の通院も近づきました。
飲まないと、お医者さんに行きづらいのですね。

最悪連休は自宅にいればいいか。
と思い今週飲むことにしました。

すると薬を飲んでからは、
確かに腸の具合がおかしく、
トイレの回数も少し多いです。
しかし、これもあと2〜3日の辛抱です。

さて、
私が退治しているピロリ菌は胃がん
原因ともいわれています。
数年前に父が胃がんになり、
胃の大部分を摘出しました。
そのあと、
父の兄である叔父が胃がんで他界しました。

そんな事があり、
人間ドックの際に検査したところ、
確かに私もピロリ菌ホルダーだったという次第です。

・・即ち、このまま歳を取ると、
私もかなりの確率で胃がんになってしまうわけで、
これはいけないと、薬を飲んでいるのです。


・・・というわけで本日は、黒澤明監督 志村喬主演映画

 「生きる」

をご紹介します。

映画「生きる」を知ったのは、
購読しているネットのメルマガで紹介されたからです。

胃がんになり、自分の余命が幾ばくもないことを知った
主人公志村喬さん演じる渡部は、
最後に小さな公園を作り、
雪の日の夜に、
満足な表情を浮かべブランコに座ったまま死んでしまいます。

誰もが必ず訪れる”死”に対して
残された人生をどのように生きるのか。
結局主人公は、役場の課長という自分の現在の
立場を最大限に活用し、仕事に没頭することで、
公演を残したのです。

以前、「何のために働くのか」という
北尾 吉孝さんの本を読み、


カラオケやゴルフが上手くなっても世の中の役に立たない。
人間仕事を通じてしか、世の中に貢献することができない。
と書かれていたことを思い出します。

どんなに趣味や遊びに興じても、
何も残らないと言うことなのです。

しかし町に公園を作るのは、
公園課が企画設計をし、
土木課が工事をします。

主人公の担当は市民課なので、
公園を作りたいという要望書を
公園課に回すだけの仕事です。

自分がガンで余命短い事を知った主人公は、
役所という縦割り社会の中でも、
情熱だけで垣根を越え、

どんなにむげにされても、
怒っているヒマはないと言いながら、
公園作りのために奔走します。

利権が絡むヤクザに脅されても
ひるむことはありません。
逆にヤクザが煙を巻いていきます。

映画を通じで黒沢監督が伝えたかった事は、
誰もが”死”に直面すれば残された人生を真剣に
生きようとするのに、
しかし、
誰もが必ず訪れる”死”に対して、
必ずしも真剣に生きている訳では無い。
という相反する心理です。

主人公は自分の命が短いことを知って、
初めて「生きる」ことが出来た訳です。


本作が作られたのは、昭和27年です。

戦争が終わって7年ですので、
映像的にも復興中のイメージが漂っています。
全体的に活気づいた印象はうけるのですが、
豊かな人達と、貧しい人達が二分されている
様子もうかがえます。

主人公は役所の課長です。
結婚した息子夫婦と、
お手伝いさんとともに暮らしています。

主人公の志村喬さんは、
てっきり退職前の50歳代かと思いましたが、
調べてみると当時47歳前後のようです。
なんと今の私と同い年です。

しゃべり方が、もごもごしており、
こんな人が課長。?とも思ったりします。
映画を観たとき、これが地なのか、演技なのか
わからなかったのですが、
今日たまたま主演映画の「七人の侍」を見たところ、
普通にしゃべっていましたので、
演技ということを知って、驚きました。

30年勤続の表彰がありますので、
とつとつと、真面目に仕事をしてきた
地味な人を技とあのような口調で演技しているのです。
演技とは言え、大変な事です。

そんな志村喬さんは黒沢映画には切っては切れない
俳優さんらしく、調べてみたら最後は「影武者(1980年)」
でした。

そしてもうひとつ感慨深いのは、
「生きる」が後悔されたときに黒沢監督の年齢です。
42歳なのです。
40歳位の時に企画した作品だったという事です。
死という深いテーマを作る年齢としては若いです。


そんな当時は、
ガンに対する知見は今ほどなく、
私の記憶でも、昔はがんと言えば死病そのものでした。
またガンの告知をすべきかどうか、議論していたのは
つい最近の事のように思います。

医学が進み、だんだんとガンも治ったり、
延命治療が進んできたりするようになったので、
いまでは殆ど告知されており、
私の父が手術するまえは、
私もネットで手術のやりかたなど調べることが
できました。

しかし当時は死病であり、
仮に自分が知ったとしても周りに伝える
ことも憚られ、一人息子にも打ち明けることが出来ません。
そして男で一人で育て、可愛かった一人息子は
今は退職金の事を話題にするばかりです。
(ので、志村喬さんの設定年齢は50前半と思います)


主人公は最後の人生の過ごし方を悩みます。
(この映画があるから定番ストーリーになって
しまったのかもしれませんが、)
職場を休み
酒を飲み明かし、女遊びをしても気分は晴れません。

しまいには、自分の課に勤めていた、
若い女性を誘い出すのです。

今だったらストーカというか、
絶対にあり得ない流れと思います。

しかし主人公は、
自分がガンで余命いくばくも無いことを告白するのです。

観ていた私は、このとき女性の立場になって
なってしまい、小田切みきさん演じる、
女性と同じように困ってしまいました。

しかし何か物を作れば。
といい、彼女が役場を辞めてから工場で
作って居る幼児向けのうさぎのぬいぐるみを見せるのです。

翌日、2週間ぶりに出勤し、
公園を作って欲しい。という一枚の書類をみて、
書類を公園課に回さず、自分たちでやろう。
と率先して現地視察に行くのでした。

そして、この映画の大胆なところは、
いき成り主人公の位牌が映し出され、
お通夜のシーンに切り替わる展開です。

自分の部下や公園課など役所のメンバが集い
主人公が何故変わってしまったかを語り合います。

役所には担当があって、幾ら仕事熱心でも
困るんだよ。という助役。
公園が出来たのは、助役のおかげだ。
とお世辞をいう土木課長(確か)、

それに対して、若い市民課の職員が異を唱えます。
場が悪くなり、助役等は帰り、
さらに、主人公は胃がんであることを知って
いたかどうかへ、話しが進んで行きます。

「怒っているヒマは無いんだよ」

というセリフを思い出した部下は、
主人公に死が間近であることを知っていた
事に気付くのでした。

そしてコレまでの毎日のルーチンワーク
覇気もないお役所仕事の批判へとかわります。

残された息子は、
退職金の手配などの書類が準備されていたことを知り、
誰にも知られず亡くなったことを噛みしめます。


そして最後のシーンは、
今までの同じようなルーチンワークが続く
職場の帰り道、(たしか)千秋実さん演じる
若手課員が、主人公の作った公園をみて
ため息をつく。

そんなエンディングです。
主人公の残した仕事が、
町にあるごく普通の小さな公園。
というあたりが良いと思います。
大きな仕事じゃない訳です。

当時40歳位の黒沢監督が言いたかった事は、
ココなんですね。

大きな仕事じゃなくていい。
でも真剣に仕事をして、住民は喜んでいるのです。
生きた証を残したわけです。
さきほどご紹介した本と同じ話なのです。

(戦争が終わって、)
生きることを真剣に考えている人がいないんじゃないか。
もっと真剣に生きて仕事して、
何かを残そうよ。
人達の役に立とうよ。

そんなことを言いたかったのだと思いました。

映画を観て思うのは、
セリフの高尚さと、未だに変わらぬ普遍的なテーマ性です。
だからこの映画が黒沢映画の中でも名作として
伝えられていくんだと感じました。

映画の中で女子職員のストッキングに穴が空いていて、
主人公が買ってあげたところ、
昼飯何日分。といって喜ぶシーンがあります。

しかし一方では、高級レストランで、
誕生会を開く若い学生達がいます。

今時仕事をしていて、
ストッキングが買えない人は居ないと思うのですが、
当時は、見た目で相当な貧富の差があったことがわかります。
こんな時代に比べれば、日本は豊になり、生活品の物価も下がり、
住みやすい国に成ったのだと思います。

本編とは関係ない、そんな小さな演出も、
本作が長い間名作といされる所以ではないかと
感じた今日の一本です。



今日のアクセス:536,330(2016/10/09)