福山雅治主演『SCOOP!』を観てきました。最近観た邦画の中では一番です。

今日は大根仁監督、福山雅治さん主演の映画

 『SCOOP!』

をご紹介します。

どうも私は福山雅治さんが好きらしく(^_^;)、
彼が映画に出ると聞けば観たくなります。

ここ2〜3年でも,
2013『真夏の方程式
  『そして父になる
2014『るろうに剣心 京都大火編』
と全部観ています。

キャリアの長い俳優さんなので、
毎年のように映画に出ているかと思いきや、
今回の『SCOOP!』で9作目の映画出演とのことす。
(Wiki情報です。)
あれ、案外少ない。・・と思いました。

さすがに福山さんの映画なので、
観る前から様々な情報が入ってくるのですが、
一番気になったのは、あまり人が入っていない。
という情報です。

これまでの福山雅治さんと違い、
今回の役はゲス野郎の役柄と言うことです。
ゲスの福山さんをあまり観たくは無いので、
(想像も付かないですし・・)
今度は見送ろうかと思ったのですが、

愛読しているメルマガで、
面白かった。と書かれているのを観て
映画館に足を運んだ次第です。

なお、
私が行ったのは木曜のレイトでしたが、
人は入っていたように思いました。


映画『SCOOP!』は、1985年に原田眞人が監督・脚本を
手掛けたテレビ映画『盗写 1/250秒』を原作としているそうです。
当時の主演は原田芳雄さんです。

※詳細はこちらのブログが詳しいです。勝手にリンクさせて頂きます。
SCOOP! 『盗写1/250秒』キャスト比較 : 日記

大根仁監督はこのテレビ番組に惚れ込み、
当時のビデオテープの、しかもより良い画質を求めるため、
8本も入手してしまったそうです。

私は観た記憶が怪しいのですが、
このタイトルはよく覚えております。
当時、結構話題になった番組と思います。

調べてみると、
写真週刊誌「FOCUS」が創刊したのが81年で、
『フライデー』(FRIDAY)が創刊されたのが84年ですので、
この有名な2誌のカメラマンをテーマにした映画と思います。


さて映画『SCOOP!』は、
冒頭の福山雅治さんのカーセックスシーンから始まります。
こんなシーンは必要かなぁ〜?
と思ったりするのですが、
他のネットの解説を読むと、
福山雅治さん演ずる都城静(いかにも・・っていう名前です)
のゲス具合を表現するための演出なのだそうです。

スクープ写真を狙うため、
車内で張り込みをして待っているわけですが、
Hのあと、女性にお金を払い、すかさずカメラを構えます。

こんなこと出来ないだろう。
・・と私は思う訳です。

私も多少カメラかじるのですが、
知人や友人のカメラマンさんは常識的な人ばっかりで、
演出としか思えません。

どこの業界でもそうですが、
どんだけ腕が立っても、芸が達者でも、
乱暴な人は生き残れないでしょう。。。

昔のスクープ系カメラマンさんは、
こんな感じだったのでしょうか?

そんなゲス野郎カメラマンを福山雅治さんは、
うま〜く演じていますが、それでもややマイルドな印象です。

愛読しているメルマガの女性編集者は
「美しすぎる」と表現していました。

映画の前半では、乱暴な雰囲気をバンバンに
醸し出しているのですが、
映画の後半は普通の男性の感じになっているような気がします。

ちなみに、福山雅治さんは
映画の役作りのため、一ヶ月も前から、
髭を生やし、革ジャンを着て役作りに励んでいたそうです。
今回は六本木などでも撮影していたそうですが、
普段ならすぐにバレて人だかりができるのだそうですが、
今回はなかなかバレなかったそうですよ。

映画のストーリーですが、
かつて写真雑誌「SCOOP」の専属カメラマンで、
今はフリーのカメラマンの都城静(福山雅治)が、
芸能・事件班の副編集長(吉田羊)に頼まれ、
新人編集者(二階堂ふみ)とペアを組み、
彼女を一人前の編集者に育てていくというものです。

沢山の現場を重ね、二人はスクープを重ねていきます。
そして、この手の映画ではお決まりのように、
いつしか二人は結ばれていくわけです。

そして、ココで映画は終わりません。
(注意:この先ネタバレです。)

さらに映画で重要な役割を果たすのが、
都城静の友人であるチャラ源(リリー・フランキー)です。
福山雅治さんとリリー・フランキーさんとは
映画「そして父になる」でも共演していまして、
今回もなんとも良い感じなのです。

映画の前半のシーンでは、
都城静のスクープ撮影に協力するしているのですが、
こうした説明的な伏線や、劇中のセリフから想像するに、

二人は昔からの友人であり、
昔からスクープ撮影に協力しているなか何か事件が起き、
チャラ源さん一人が罪を被り、
エースカメラマンだった都城静は会社を去った。
そして今は借金だらけの中年パパラッチに落ちてしまった。
そんな設定に思えます。

チャラ源は、一見ヘロヘロしていますが、
めっぽう喧嘩が強いという意外性を持っています。
ヤクザに絡まれた新人編集者を助けに行くシーンでは、
数名を相手にして並の喧嘩の強さではないのです。
この時点でリリー・フランキーさんの
演技が光りまくっているのですが、

その後さらにリリーさんの演技が加速します。
チャラ源さんは事件を起こすのです。

元妻とその旦那を殺害し、
娘を人質にとって、
訳も分からず都城静に電話をするのです。

友情を大切するあまり一人現場に駆けつけるのですが、
ヤク中でイッてしまっているチャラ源が
誤って都城静をピストルで撃ってしまいます。

周りに沢山の警官がいるのですが、
映画を観ながら先が読めてしまい、
もっと早く捕まえろ。とじれったいのです。
しかし、演出だからしかたありません。

そして、都城静が撃たれた様子を、
新人編集者がスクープ写真として撮影します。


後から考えると良くできていますが、
都城静は新人編集者と組んだその日から、
彼女にスクープ撮影を指示しています。

都城静のカメラカメラを使いながら写真の取り方を覚え、
そして彼女自身もスクープ写真を物にします。

そ新人賞をとり、二人が愛し合うシーンを経て、
クライマックスの場面に突入する流れなのです。

都城静が死んだ後、
このスクープ写真を雑誌に掲載するかどうかで、
副編集長同士が口論をします。

しかし、次期編集長に決まった、
芸能・事件班の副編集長(吉田羊)が写真掲載を決定します。

彼女は都城静と恋人関係でありながら、
最後は新人編集者に男を取られた形と成ります。

しかし、そういった背景は有っても無くても、
彼女はドライに写真掲載を決めたのではないかと感じました。
そんな設定です。

反対するのは、もうひとりのグラビア班の副編集長(遠藤賢一)でした。
彼と都城静は古くからの仲間だったのです。
新人編集者に、昔ペアでスクープをあげたとき、
風俗をおごった話しをしているのですが、
俺はデブだったけどあいつ(都城静)は50過ぎのおばさんだった。
とか、二階堂ふみに言うのですが品が無いです。
セリフとしては定番ですが、
しかし映画中で観たら妙にリアルな感じがしました。

余談ですが、映画では芸能人や政治家が登場します。
山地まりさんや石川恋さんが本物出てて要るのは良かったのですが、
それ以外の俳優さんも、有名な方を出せば、もっと良かったのでは
無いかと思いました。
斎藤工さんの政治家役は良かったですが、
新人編集者が可愛い・・とかカッコ良い。とか言っている人達が
私には分かりませんでした。(モデルさんなのですがね。。)

余談戻りまして、

恋愛的な流れで言うと、
女性副編集長と付き合っているカメラマンが、
新人女性編集者へ乗り換えるわけです。

映画の途中で、福山雅治さんと二階堂ふみさんの
ベッドシーンが挟まります。

ネットの事前情報で、彼女の乳首が見えたとか見えなかったとか、
読んでしまったので、つい画面を凝視してしまったのですが、
下着以上のものは見えませんでした。(笑)

で思ったのですが、
このHなカットは説明的な物なので、
一瞬入れはストーリー的には十分と思うのですが、
何故か長かったように感じられました。
オヤジのねちっこさというか、なんかそんな感じがしたのです。

二階堂ふみさんは、今回の映画ではじめて観たのですが、
沖縄出身で慶応大学入学と才女とのことです。

今年22歳なのですが、私と同い年の福山雅治さんは、
22歳とHなことをしているのです。
うらやましいというか、
さすがに25歳も年下は私は無いな。と思いました。
福山雅治さんだからありえるというか・・。

その福山雅治さんですが、肌がとっても綺麗でした。
47歳の肌とは思えません。
お風呂に入って、石けんで洗わない美容法をしている
ためでしょうか?

そして、少し太っているような気がしたのですが、
恐らくゲス野郎を演じるために、演技上太ったのでは
無いかと思いました。
Hシーンをやるにしても役者さんというのは大変な物です。

Hなシーンというのは、役者さんでも親しい関係だと
しにくいので、最初のほうに撮影するとか
聞いたこともありますが、
どうなんでしょうかね。

映画の最後のシーンは、都城静と新人編集者が車の中で
楽しくしゃべっているシーンです。
兄弟のように仲が良く、アドリブでしゃべっているそうです。
このシーンが最後に撮影したシーンだったそうです。

もうひとつ、この映画で大切な役割を果たすのが、
車とカメラです。

「ベンツなんでしょ。もっと綺麗にしたら」新人編集者
「俺は女と車は新車に乗らない」都城

というセリフも印象的ですが、
車がベンツのゲレンデバーゲンという、べらぼうに高い
車であることはすぐにわかりました。
こんな車に、借金まみれの設定の
中年カメラマンが乗れるか。ということです。
映画のホームページを調べてみたら型番が分かりまして、
「230GE」でした。
ゲレンデバーゲンとして輸入された物としては最初期型です。
ベンツマークの「スリーポインテッド・スター」が黒く
シートがチェック柄なのも印象深いです。

そしてもう、個人的な見所がカメラです。
メインは、キャノンのEOS1DX、サブが5DMK3と思いきや、
つかまるシーンではカメラが途中で入れ替わっています。
乱闘シーンで壊れそうだから、古い適当なカメラに変えたのですね。(笑)
その他に、盗撮シーンではPowerShot N(2)っぽいカメラも使っています。

私もキャノンユーザなのでそこそこ知っているのですが、
レンズの使い方含め、結構リアルな感じがしたのですが、
ココだけ注目しても面白い映画と思いました。

そもそもこの映画は、大根仁監督が長年企画を考えていた
ことと、福山雅治さんでどう?という話しがあったときに、
福山さんが写真家としても活躍していることも、
主役に抜擢された大きな要因だったそうです。
カメラの取り回しなど違和感ないですからね。

そしてエッチシーンの朝に、
寝ている二階堂ふみさんを撮影するのが、
趣味で使っているというライカのカメラです。
ネットでも、福山さん自前のカメラではないか。などと
出ていましたが、私もそうかな。と思いました。
なんとなくストラップの絡め方など、自然だったわけです。

このとき中学生の頃、ロバート・キャパの写真をみて、
カメラマンになろうと思った。といいながら、
写真集を開き、有名な写真を見せるシーンがあります。

あまりにも定番過ぎるというか、臭すぎて、
Hシーンからココは要らない。と思ったのですが、
(ゲス野郎が、こんなセリフ言いますか?みたいな)

このとき心に響いたセリフがあります。

「結局カメラ(写真だったかな?)しか無かったんだよな」
という定番セリフのあと、

「大人になったら何者かになれるとおもったけど、
結局なんにもなれなかった」

というセリフです。
私も50歳を手前にして同じ事を思っているわけです。

しかし、映画を作った大根仁監督は私と歳は一つしか
違わないわけで、こんな場末のブログを書いてるより、
よっぽど、何者になったのだと思ったのですが、

そうなんですね、この映画のターゲットはつまり、
僕ら中年おじさんなのです。

最近みた数本のなかで、最も面白く感じたのですが、
これはきっと私が監督と同世代で、
しかもターゲットにピンポイントでハマってしまった
からだと感じた今日の一本です。


↑映画のホームページも凝っていて面白いです。

蔵[kura] |


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