「マイレージ、マイライフ」をみました。

昨日の「ソラニン」をみたら、
どうしても気になり結局2日続けて、映画を見てきました。
こんなことは、初めてです。

今日はアメリカの映画だから、絶対なにかしら、おもしろいだろう。
・・と期待したのですが、面白おかしいタイプの映画でも、
ドキドキする映画でも有りませんでした。

主人公のライアンは会社に代わり退職を宣告する、リストラ宣告の代理人
一年のうち322日を出張で過ごし、残りを何もない自宅のマンションで過ごす
生活を続けています。
・・と、ストーリーはネットに出ているもので、ほぼ把握できると思います。
しかし、事前に得られる印象とはちょっと違う映画でした。

・仕事はその時その場で終わり、
 その実力は、大企業相手に講演する位ある。
・キャリーバックに収まる程度の荷物しかもたず、
 持ち家はない。
・CAの彼女をナンパし、行きずりの関係を楽しみ、
 妻子はいない。

・・・なんとも男冥利に尽きる生活ですが、
楽しみは1000マイルをためる事なのです。

唯一ストーリが読めないのが、
新人が考案した、ネットでリストラするシステムが軌道に乗り出した
後です。
最初は反対していたライアンも、CAの彼女と落ち着いた人生を過ごす
こと(つまり結婚)を考えるようになるのですが、
最後にどんでん返しがあります。こんなところはアメリカ映画です。

数々のリストラシーンが出てくるのですが、
アメリカ社会のドライな退職宣告の一面に反し、
宣告される社員の気持ち、動揺といったものは、日本人と同じと思いました。

良いシーンも沢山ありました。
ストーリの途中で妹の結婚というサブシナリオがあります。
その中で、妹夫妻は新婚旅行の資金がないということで、
知人に頼み、妹夫妻の大きな写真をアメリカのあちこちで
撮影してくる。
というシナリオがあります。
ライアンにも依頼が来るのですが、写真が大きくてキャリーバック
から頭が少しはみ出してしまいます。
笑いを誘う場面で、実際面白いのですが、
これはきっと家族という、キャリーバックに入らないもの
の象徴として表現しているのではないかと思いました。

渋々写真をとるのですが、写真を海に落とし、ドライヤーで
乾燥させている姿など、兄貴なら絶対にすると思いました。

また、結婚日に新郎が結婚に不安を訴えるシーンがあります。
ライアンは言います。
「人生で楽しかった日に、一人だったことはあるかい。」
(↑うる覚えです。)
この台詞を聞いた新郎は気を取り直し、結婚式に向かいます。
いいセリフです。
このセリフを聞いただけでも、映画を見る価値はあったと思います。

最後に流れる音楽で、
「フラフラするなと、周りの大人はいうけど、」
・・みたいな歌詞も心に残りました。
結局のところ、この映画の物語は、
本当に好きなことや大切なものを見つけきれず、
フラフラ迷いながら見た目は立派な大人になってしまった、
少年の物語だった。と思いました。

この時期「ソラニン」とよくにたテーマだったと思います。