「ハーバードからの贈り物」を読みました。

ハーバード大学MBAコースで、授業の最後に行われる、
良質の講義をまとめたものです。
その講義とは、担当教授それぞれが感じた、人生でもっとも
大切な話(ストーリー)なのです。

アメリカの大学は、質疑応答で授業が進むため、日本的に言えば
ゼミのイメージに近く、このため、日本のように先生が1コマ
ずっと講義をするということは、珍しく、また印象に残るよう
です。


最初の話は、登山中2キロも滑落し、奇跡的に助かった教授
の話で、リアルな滑落シーンや、沢山の偶然が重なった生還の
ストーリーは一話目にして、心を釘付けにします。

人間は様々な運命によって生かされている。
だから、生きている間は与えられた使命に全力を尽くさなくては
いけない。と言います。


「剥製の鳥」という話も心を打ちました。
学生時代、たまたま取った生物のテストの話です。
足と羽の先以外は袋で隠された剥製の鳥をみて、
どのような特性の鳥か、論文で答えよ。
という出題がなされ、腹を立てたある学生は、試験監の大学院生
と口論して出て行った。という話をもとに、

生物の単位をとるためには、この「剥製の鳥」のように不確かな
ものであっても、推測でテストに答えなくてはならない。
これは、実社会で起こる多くの事例とおなじだ。
と締めています。


このように、(少々大げさに言えば)人生の糧になりそうな、
話が15話続きます。
タイトルからうける印象とはちょっと違っていますが、
アマゾンにも沢山の書評がある良書だと思いました。