本音引き出す「勝負」終幕(日経ビジネス2010.4.5号)から

日曜朝の代表番組の一つだった「サンデープロジェクト」が、
3月で終了し、21年の幕を引きました。

この件について、一番の当事者である、司会の「田原総一朗氏」が、
日経ビジネス2010.4.5号で3ページに渡り、コメントを寄せています。

3月で終わった人気番組はいくつかあり、昨今のマスコミ不況の影響
とも言われておりました。
しかし、田原氏のコメントを読むと、ちょっと異なる印象があります。

田原氏は、番組が終わった理由の一つとして、
サンデープロジェクト」が「コンプライアンス」重視時代に生き
残れなかった。と分析※しています。
※(視聴者からクレームがくるような)面倒な番組は作りにくいと
 解釈しました。

ご存知のように、田原氏の”まくしたてる”ような司会スタイルには、
賛否両論あることは、容易に想像できます。
田原氏の番組は、例えば会議をビデオに撮影し、最も白熱した部分
だけを切り取って放送しているような印象です。

しかし、このスタイルで司会を進めることが出来る背景には、
田原氏とゲストの長きにわたる深い関係(勉強会など)があるから、
可能であることは、ゲストも十分理解していると思います。

この司会のスタイルについて、ゲストの本音を引き出したい。
という一心で行っている事を、田原氏はいろいろな場面で
説明しています。


この誌面で興味深いのは、過去に自民党からの圧力を受けた話です。
長銀問題のおり、石原伸晃氏、塩崎恭久氏が除名覚悟で番組に出演し、
石原氏は、その後10ヶ月も党の役職から外された話など、
番組がどれだけ、社会的に重大な影響を与えていたか分かる
エピソードだと思います。

賛否両論あるにせよ、このような番組が無くなってしまったら、
テレビ局はどんな役割が有るのだろうか?
そのように、考えさせられる記事でした。


追伸)
現在の日本社会の問題のひとつが、「コンプライアンス」という単語では
ないでしょうか。
もともと法令遵守という意味で、不正経理や食品の表示違反など、
非合法なことで利益を上げてはいけない。ということですが、
コンプライアンス」の単語が一人歩きして、拡大解釈されすぎている
ような印象がありませんか。