「紅の豚」をみました。

紅の豚(1992年公開)」は、何度見たか分かりません。
とにかく、好きな映画なのです。

主人公が”豚”で有ることが一番の特徴ですが、
その昔、映画の予告編をみたとき、
”豚はありえん”
・・と強烈な印象をもってしまったことを良く覚えています。
しかし、一度見ると、人間にしかみえない不思議な”豚”です。

主人公の”豚”は宮崎監督本人のことらしいのですが、
”空飛ぶ豚”は、”女性の心もつかんでしまう訳で、
何も言わないが、分かってるだろう。的なところもあわせて、
きっと、世間のモテない”豚野郎(→私のこと 笑)”のあこがれ
であり、理想とする姿に違い有りません。
(”森山 周一郎”さんの渋い声が、また最高です。)

しかし、どうもこの映画は(私の近所の)女性陣には人気が
無いようで、同じように宮崎アニメが大好きな私の女兄弟には、
この”豚”(の映画)は、なんの魅力も感じていないようです。


さて・・
よく、本や映画でも、何度見ても発見があるといいますが、
この映画の場合もそうでした。
==
”豚”は、カーチス野郎と空中戦をして、着弾・不時着し、
機体を大きく損傷してしまいます。
なじみの飛行機屋に持ち込むと、
新造したほうが安いのでは?と社長に言われますが、
”豚”は有り金全部と未来の賞金をかけて修理し、
再度カーチス野郎との空中戦を戦う訳です。
==

第一次大戦後の不況でインフレの時代背景を描いていますので、
札束も紙切れと同様。といったセリフが出てきます。
そのまま信じたらダメなわけで、今時”趣味の車”でも、
似たような修理やチューニングをしたら、ざっと1千万級の
お金がかかります。
また親戚とはいえ、沢山の女性が働いています。
材料費や人件費、部品の外注費を考えると、やはり
今の金額でも1〜数千万級のオーダーになることは違いありません。
※サラリーマンになり、こういったことがサッと、読めてしまう。(涙)

きっと女性だったら、飛行艇など、さっさと引退して、
稼いだお金で、(贅沢はできないにせよ)おもしろおかしく暮らす。
といった選択をするのかもしれません。

これではドラマにならないわけですが、
でも、
このような想像を巡らせると、”豚”は、世の中の女性から、
”生活感覚に乏しい、非現実的な男”といった評価になってしまうのかも
しれ無いのです。

#この発見は衝撃的です。

”豚(私のあこがれ)”は、自分の好きなことや大切なことの前には、
現実的な金計算の出来ない、男のリアルを描いており、
”豚”が好きな女性(約2名)は、非現実なファンタジーを描いているのです。
なんという対比なのでしょう。

もしも宮崎監督がこういったことまで考えて、映画を作って
いたとしたら、やはり監督のことを巨匠と思うしか無く、
今頃気づいてしまった私は単なる、ダメ豚だと思った映画でした。


追伸)
修理後、”豚”が飛ぶ立つシーンは、
(宇宙戦艦)ヤマトが海から発進するシーンと並んで、
じ〜んときます。どちらも最高です。