「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」をみてきました。

私は、どうしてもこの種の戦争映画が大好きで、
予告編を見たときから、
見たい映画ランキング第一位になっていました。

先の戦争に関する映画やテレビは、
今でもテーマとして取り上げられることは多い訳ですが、
最近ですと、「男達の大和」や「硫黄島からの手紙
が有名でしょうか。

敗戦国ということで(そのほか日本人の性質や、GHQ占領政策
戦後教育など諸々の影響ということもあるでしょうが)、
どうしても、悲しい話、悲惨な話が多いと思います。

そのような中、今回の話は、立派な日本(軍)人がいたという
史実に基づくストーリです。
同じような映画としては、2008年に公開された
明日への遺言」という藤田まことさんの映画もありましたね。

これからは、このように悲しい話だけではなく、
立派な日本人がいた。
といった戦争映画もどんどん作られて欲しいと思います。


さて実際の映画は、公開初週で、山Pの「明日のジョー」を抑え、
ランキング1位、本日のTOHOのランキングでも4位を保っています。
かなり人気の有る映画です。

公開初日に見に行きたい位でしたが、込んでいそうなので、
しばし我慢し、ようやく、
昨日の日曜のレイトショーに行きました。
日曜日のレイトショーという、普通なら5人位しかお客さん
がいないような(笑)時間帯ですが、20人位は入っていました。

映画を見た感想ですが、
この映画は、娯楽映画ではありませんので、そういった面白さは
全くありません。(人気があるのが不思議な位です。)

しかし、難しい戦争の絵作りが良く出来ていて、日本映画も
いつの間にか次元が上がったなぁ〜。
と思ったら、外国のスタッフが相当にに入っているようでした。
※米軍のシーンはアメリカのスタッフが作っているようです。
 さすがに、慣れていそうです。(汗)

気になった点をあげると、
・赤ちゃんが可愛くない。(ちょっと大きいかな)
・怪我をしている日本兵の、おなかの出ていた気がした。
 ※というか、全員ガリガリでないとおかしい。
・突撃シーンは、ちょっと突撃しすぎていると思う。
 ※機関銃の時代にあのような突撃は無かったらしいです。
・B29が飛び立つシーンは、絵が嘘くさい。  
・音楽がちょっと。
中嶋朋子さんをみて、蛍ちゃんもいつのまに・・(涙)

などありますが、あくまでも些細な話です。


予告編を見た印象では、主役である、竹野内豊さん演じる
大場大尉の人柄に引かれて、残存兵や民間人が集まって来る
という、どちらかというと人間系ドラマかと思いましたが、
そういった表現は少なかったと思います。

むしろ、サイパン島で起きた様々な(悲惨な)ストーリーが
綴られたおり、脇役の唐沢さんや、井上さんも、ドラマを
盛り上げていました。また米軍側のシーンも良かったです。

とくに映画の最後の、竹内さんが軍刀を捧げる(?)シーンは
とてもカッコ良く、惚れました。(笑)

ストーリ展開は、難しくなく、そういった点も良かったと
思いました。


さて、今この映画を見て思うのは、
なぜ、今このテーマか。
なぜ、日テレか。

ということです。

立派な日本軍人の映画に、お客さんが集まるというのは、
予告編が良かった。だけの理由では無いと思います。
そういった部分がマーケティングされているとしたら、
興味深いものです。

しかし、立派な日本人を求めている、
現代の空気を反映していることは確かだと思いました。


さて、
私自身最も、思うところがあるのは、最後に流れるクレジットの
原作※を見た時でした。

※Don Jones『タッポ−チョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日
(原題:OBA, THE LAST SAMURAI)』

アメリカの作家さんが、「ザ ラストサムライ
というタイトルで書かれたものだったという事でした。


ラストサムライ」は渡辺謙さんじゃ、無かったのですね。(笑)


参考URL
 http://www.cinematoday.jp/page/N0030389
 http://ja.wikipedia.org/wiki/太平洋の奇跡_-フォックスと呼ばれた男-