「朝まで生テレビ 3/28放送」を見ました。(論点・コメント編 最終回)

以下、番組議事編(最終回)の主な論点と私のコメントをご紹介します。
長々と進めて来た企画ですが、これで最後となります。


■主な論点(4回目)

原発は(発電コストが)安い。
 太陽光は高いがこれからどうすれば良いか?(田原)
 コストに消却費用が含まれているかどうか分からなければ、なんとも言えない。(堀江)

→世界中が原発を作ろうとしている。今回の事故をどうとられるべきか?(田原)
 バックアップ装置の備えの工夫が必要。(猪瀬)
 マネジメントの問題もある。(勝間)
 輸出産業としてイメージを壊された事は事実。(猪瀬)
 電源が(津波で)全部切れた事が悪い。(藤城)

→新しい原発は、電源が上部にある。
 (福島の原発は)古いから問題で、2010年の停止を何故のばしたか?(宋)
 何で(40年の設計が)60年も持つのだろう?(田原)
 新しく原発を作る事に対して反対運動などの、調整が大変なのか?(堀江)
 様々な、交換(修理)技術ができてきたことと、経済的な理由である。(藤城)

 今回、炉心は壊れていない。これは大きい。(池田)
 地下の配電盤は上部へ移動するなど直せば良い。(藤城)
 そこまでやるなら、作り替えた方が早い。(宋)
 そこまで作り替える事は想定していなかったのではないか。(片山)

原発は国民はもう嫌だと思っている。どうやって信用を取り戻すか?(田原)
 早く問題点や改善策を国民に示さなくてはいけない。(猪瀬)
 原発の利用に関して国民と議論する必要がある。(大塚)
 原発はツールとして捨てるべきではない。(片山)

→好きなときに好きなだけ電気を使えるというのが、今後維持可能かどうか
 分からない。(大塚)
 このまま行ったら、福島第一原発廃炉。第二原発も稼働出来ない。(田原)
 司(官僚)に動いてもらわないとなにも出来ない。
 事務次官会議を何回やったのか?
 電気が足りないのだったら、個人の節電では間に合わない。(猪瀬)

→経済が萎縮しており、沢山の中小企業が潰れようとしている。(堀江)
 計画停電は一ヶ月で一兆円位GDPを落とす。
 東西が繋がりなんとかなるまで、2年位はかかるのではないか?(高橋)
 今のような議論は何時から始めるのか?(田原)
 廃炉になること、電気が足りない事は分かっているのに、なぜロードマップ
 作成のチームを立ち上げないのか?(勝間)

→実はまだ爆発の可能性があるので、ロードマップに手が回らないのでは?(田原)
 水素爆発の可能性はあるが、いわゆるチェルノブイリ型の爆発は無い。(藤城)

→県産表示で市場に出荷されると、福島県というだけで戻される。
 もっと細かくエリアを決めないと、東京に野菜が無くなる。
 会津の牛乳が飲めないとか、違う。(猪瀬)
 きっちり円という訳ではない。(田原)

 チェルノブイリのレポートをみると、ほうれん草はおひたしにすると8割型
 消えるとか書いてある。(猪瀬)
 このような細かい情報も、家庭では大事なのでもっと出して欲しい。(荻原)
 放射性ヨウ素も、水で希釈すれば半分になるとか言えば良い。(堀江)

 長い間放射能と付き合う必要があるので、検査をきちっとする。(大塚)
 怖がっているのは直せない。情報をひたすら出し続けるべき。(勝間)


■コメント

この議論で重要と感じたのは、原発のコストについて消却まで含まれているか?
という堀江氏の問いです。
太陽電池の発電コストは高く、原発は安い。
この図は今回の事故に関わらず、これまで何度も見た図です。

今回の事故を抜きにしても、原発には様々な問題があり、例えば、
使用済み核燃料の問題や、原発廃炉のコストなど、どの程度がコストとして
乗っているのか分かりにくい面があります。
単純に原発を作って、発電して。という所までなら安いのかもしれませんが、
例えば、設計年数を大きく超えないと、コスト的に見合わないものだったり
しないのでしょうか?
(今回福島第一原発も40年の設計年数をさらに20年積み増しするなどして、
事故が複雑になった背景もあります。)

この点は、今回の朝生では明らかになっておりませんが、原発を考える上で
注目しなければならない点です。

さらに、今回新たに事故という問題が起きました。
事故処理のコストや保証コスト(避難コストや土地や風評被害の問題)を
乗せても安い。ということにはならないように感じました。
余談ですが、毎年積み上げている、原発の事故保証金が全く足りない
という課題も明らかになりました。

そして、気になるのは、誰1人原発を止めよう。
という議論を展開しないことです。
輸出産業としては、ダメージが大きいとか、原子炉は壊れていない※。
といった議論はありました。

※現時点では、折れた燃料棒が落下した先には、冷却管があり、そこから
 冷却水が漏れているのではないかという議論もありますので、原子炉が
 壊れていない。とは言い切れないようです。

テレビもパソコンも原発で得られた電気で動いており、現時点で必要という
認識は正しいとしても、議論番組としては、必要な議論だったと思います。
唯一大塚氏が、これから議論して行かないと行けない。と言っておりました。


<終わり>
※ここまで、読んで頂いて有り難うございました。