「ワシントン ナショナル・ギャラリー展」に行ってきました。

本日(9/4)は、新東京国立美術館で開かれた
「ワシントン ナショナル・ギャラリー展」
を見学して参りましたので、その様子を紹介します。

 

本日の新東京国立美術館です。


 

最終日前日の午後4時位ですが、これからという方も
結構おりました。


さて日本人は印象派が大好き(らしい)ですが、
私も多いに同感です。
他の美術用語は知らない位ですが、

 

これを見ずに、印象派は語れない。

とパンフレットにある位ですので、
必ず行きたい展示会でした。

展示会の様子は、
印象派とその前後の画家達の絵画が展示されて
おりました。

絵が上手いリアルな「写実主義」に始まり、
抽象的な「印象派」、
そして、どこか新しい「ポスト印象派」、
に繋がる様子は、当時の(パリの)画壇の流れを
見事に表現しているように思えました。


今回気になる絵を軽く絵がガキで買ってきましたので、
ご紹介します。


 

パンフレットにもある、マネの
「鉄道(左)」と「キング・チャールズ・スパニエル犬(右)」です。

スパニエル犬は、特に目の周りが尋常ではない筆致でした。
犬好きな人が見たら、たまらない作品と思いました。

鉄道は今回のパンフレットになる位の絵かどうか、私には?
でした。
女性がこちらを向いており、色々な解釈取る事が出来る絵と
いった解説がありました。この点は同感です。


 

モネです。
(マネとかモネとか一般人には難しいですが、
この方は典型的な印象派の絵を描く人なので、
私も知っています。)

絵によって筆致が全く違っているのが印象的でした。

写真下の風景画「アルジャントゥイユ」は構図は
素晴らしいと思うのですが、少し薄暗く地味で、
左上のひまわり畑の様子「ヴェトゥィユの画家の庭」
とは対照的です。
右上の「日傘の女性、モネ夫人と息子」は、
女性の顔の書き方がルノアールと同じような雑な
印象ですが、ローアングルからの構図に、
突き抜ける空の様子が組み合わさって、
躍動感を感じる作品でした。


 

ルノアールです。
「踊り子(左)」と「アンリオ婦人(右)」
アンリオ婦人は前回みたルノアール展にも大きな絵が
出品されておりました。
何枚かあるようで、個人的にお気に入りですが、
絵的には、「踊り子」のほうが格段に上手い印象でした。
肌に乗せる青の色が抜群だと思いました。
また鑑賞する角度によってモデルの目線を
感じる事ができます。
(残念ながら絵はがきでは全くわかりません。)


セザンヌです。
「川辺(右上)」と他の2枚
「「レヴェヌマン」紙を読む画家の父」、
「りんごと桃のある静物」とまったく筆致が違い
同じ人の作画とは思えません。
個人的には、お父さんの絵に一番力を感じました。


 

ゴッホの自画像です。
ゴッホは展示室の一番最後に展示されていました。
数枚展示されていましたが、黒山の人だかりでした。

圧倒的に迫ってくる物を感じました。
とにかく独特の色と絵の具の流れ具合ですし、
他の画家と一線を画しています。


 

最後の3枚は個人的に印象に残るものです。

左上 ジョルジュ・スーラ
「ノルマンディーのポール=アン=ベッ山の海景」

点描画という技法ですが、点(ドット)を
ランダムに打ち付けて絵を描く様子は、かなり
インパクトを感じました。
ちょっと絵はがきだと分かりにくいですね。

右上 ギュスターヴ・カイユボット
「スキフ(一人乗りカヌー)」 

会場で見ると、圧倒的な遠近感がありました。
近づいてみると、少し雑というか深みの無いタッチ
を感じましたが、解説を読むと、お金持ちで
画家達を支援した人。とありました。
スポンサーにしてはスゴいレベルです。


下 フレデリック・バジー
「エギュ=モルトの城壁」

絵的に奇麗な一枚です。
29歳で普仏戦争に志願して戦士ということで、
長く生きていたら、もっと良い絵を残していたのだろうと思いました。
彼の死は、他の印象派の画家達にも大きな影響を残したそうです。



ちなみに、絵はがきのランキングがこちらに乗っています。

ワシントンナショナルギャラリー展 | トピックス

1位がゴッホの「薔薇」というのが、個人的に?ですが、
6位のモネの「太鼓橋」7位のルノアールの「ポン・ヌフ、パリ」
は、とても分かりやすい絵だったので納得です。
(が、私はあえて買ってきませんでした。)
特に「ポン・ヌフ、パリ」はとても奇麗な絵でした。

展覧会を見て感じた事は、
有名な画家は、何故有名か。ということです。

私が思ったのは、
誰でも良いと思える絵、つまり”代表作”がある。
ということでは無いかと思いました。


前回ルノアール展を見たときに感じたのですが、
ルノアール全ての絵が良いと思えた訳でなく、
好きな絵はごく一部でした。

つまり、画家の描きたい絵、表現したい世界と、
素人が良いと思う絵は違うのではないかと思いました。

特に印象派は抽象的なので、写実的な絵に比べ
個人の好き嫌いが出てくるように思います。


今回も、ルノアールの絵が数点展示されていましたが、
その絵はどれも私には良い印象をもった絵でした。
つまり、画家の描きたい絵というよりは、
万人受けする、代表作のように思います。


そして、こういった代表作のコレクションこそが、
アメリカの国立美術館の収蔵品ということなのだと
思いました。