「トータル・リコール(2012版)」は深い人生観や哲学の世界を感じる映画でした。

本日ご紹介する映画「トータル・リコール」は、
1990年にシュワルツェネッガーさん主演で上映された
映画のリメイク版です。

1990年当時も、割と評判になった映画と記憶して
いるのですが、残念ながら私は見逃しています。

リメイクということですが、
どんな映画なのか興味津々見てきました。


物語は、21世紀末に起きた世界大戦により、
地球上の大半が汚染され、居住できなくなってしまい、
唯一生存可能な地域がイギリスを中心とするヨーロッパと、
オーストラリアを中心とするオセアニアという設定で
始まります。

富裕層はヨーロッパに住み、
労働者層はオセアニアに住んでいます。

よく、このような差別感を感じる設定にできたなぁ〜。
とある意味感心します。
(ちなみに、前作では地球と火星という設定です。)

労働者層の街は、
何処かしらアジアの雰囲気があり、
(これもなんとなく、差別的な印象を受けるのですが、)
特に暗さは感じず、妙な活気があります。

富裕層の街は、現代の大都市の町並みですが、
生存可能な土地が少なくなってしまったという設定のため、
高層ビル群の更に上に街ができています。

家の中は、家電製品を中心に進化していますが、
あまり違和感はありません。

重力制御装置のような物で、
空中の高速道路を走る自動車が登場するのですが、
一方、地上では、フィアットなど今時の車が走っています。
ちょっと?でした。

しかし、21世紀末を描く膨大なデザインは力が入っており、
お金がかかっている印象を持ちます。


映画を見ていると、
難しい単語が沢山登場したり、
出演する外人さんの顔が見分けられなかったりと、
少々(おじさんには)分かりにくい映画ですが、

それでも、メッセージは伝わって来ます。


主人公は労働者層が富裕層から独立するための
テロ活動というか、レジスタンス側のメンバーの
ようで、
レジスタンスと、彼らを押さえつける警察(軍?)
組織との間で活動する、(二重)スパイのようです。


主人公は、過去に警察組織に捕まり、記憶を変換され、
労働者として働いているのですが、
平凡な毎日に、様々な記憶を脳にインプットしてくれる
トータル・リコール」社に興味を持ちます。

そこから、様々なアクションが始まります。


印象深いシーンとして、

主人公と、労働者層の本当の彼女(と思われる)が、
富裕層の警察組織に追い詰められるシーンがあります。

そのとき、
富裕層側から昔からの友人が出てきて、
「隣の彼女は偽物だ」とか言いながら近づいて来ます。

もちろん彼女は、「騙されないで」とか言うのですが、
そのシーンは映画の見ている私たちに、

 もしも、
 昔からの友人と、大好きな彼女が
 正反対を主張したとき、
 貴方はどちらを信じますか?

と、実際に有りそうな問いかけと感じます。

映画を見ている私は正直、
どっちが本物なのか、
どちらが正しいのか区別が付きません。


このあと映画では、
主人公が彼女の涙を見て、
友人が偽物であると気づき、友人を撃ちます。

実際に起きたら、大概の女性は涙の一つも出しそうなので、
本当でも嘘でも、男は騙されてしまいます。
そういった演出に違いない。

と思いながら見たのですが、
それは私の心が単に汚れていただけでした。汗)


映画を見終わった後、
もしも、楽しい記憶を脳にインプットしてくれる
サービスが現れたらどうするのか考えてみました。

いい夢を見ると本当に気分が良くなったりしますので、
正直「夢でもいいから・・」と思う日もあるのですが、

しかし、そんなサービスは、要らない。
と感じました。

映画を見て気づいたのは、
例え栄光であっても、挫折であっても、
過去の記憶は、夢と同じ程度のもの。
に過ぎないと感じたのです。

思い出を大切にする。
ということもありますが、
それは過去に囚われすぎて身動きが出来なくなって
しまうかもしれない危険性をはらみます。

大切なのは、目の前にある現実であり、
どんな記憶を持っていようと、
「目の前の現時に正直に精一杯に生きることが大切」

というのが、この映画をみて感じたことでした。

派手なアクション(特に偽物の奥さんは凄い)や、
SF的な設定は娯楽映画のようですが、
実は人生を考える、深い哲学感を感じる映画でした。

人生について考えている方、悩んでいる方に
お勧めしたい映画です。


totalrecall.jp



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