「るろうに剣心」は本当に良く出来ていて並のアイドル映画ではありません。是非ごらんあれ!

本日1日は映画の日です。
1,000円で映画を見ることが出来るので、
月曜の夜とはいえど、
侮れないぐらいに混んでいます。

ナイト料金の場合、
1,200円で映画を見ることができるので、
映画の日との差額は200円しかありません。

それでも混んでいるから不思議です。


さて、そんな映画の日に、

るろうに剣心」を見てきました。

るろうに剣心」は、皆様ご存じのとおり、
少年ジャンプの連載マンガ※が原作で、
15〜16年ほど前にはテレビアニメや映画化もされ
大変人気がありました。
※マンガは5,700万部も売れたそうです。

今回その人気マンガを、
佐藤健さんが主演し、武井咲さんがヒロインを
演じて実写版にしました。

これは、
昔は流行った、
コテコテのアイドル映画に違いない。

つい、そんなふうに思わずにはいられない
キャスティングです。

この映画を観る予定はありませんでしたが、

しかし、面白い映画というのは、
どこからともなく情報が入ってくるものです。

 面白い。

・・という噂が聞こえてきたら、
見ない訳にはいきません。

映画は8月25日公開ですから、
既に一ヶ月以上経っています。

それでも、私が通う映画館ランキングでは、
まだ6位に位置しています。

どんな映画なのかと、
期待半分・不安案分で映画館に足を運びました。


映画は幕末の戊辰戦争鳥羽伏見の戦い)の
合戦シーンから幕を開けます。

独特の質感のある美的センスを感じる絵作りで、
この後連なるストーリーが期待できそうです。

主役を演じる佐藤健さんは、
NHK大河ドラマ龍馬伝」で”人斬り以蔵”と言われた
岡田以蔵役を演じています。

主役の緋村剣心(人斬り抜刀斎)のモデルは、
なんとなく岡田以蔵のような気もしますが、
詳細は定かではありません。

共通するのは、どちらも幕末の時代に
暗殺者として生きたということです。

また、監督を務める大友啓史氏は、
龍馬伝」の演出も務めております。
今回の実写化が可能となったのは、
龍馬伝」で佐藤健さんという役者さんと
出会ったことが大きかったようです。

そうした知識を得ると、
本作の独特の画面の質感は、
HNK大河ドラマ龍馬伝」に似ています。


冒頭の鳥羽伏見の戦いにおいては、
江口洋介さん演じる斎藤一と出逢います。

斎藤一は、幕末を新撰組隊長として生き、
維新後は齋藤に名前を変え、警察官として
生きています。

緋村剣心とは、立場は違えども、
共に剣の道に生きるライバルです。

幕臣が、維新後に警察官となったケースは
わりと多いと聞いていますので、
この設定には違和感はありません。

それにしても江口さんはカッコ良いです。
(惚れます。)


映画「るろうに剣心」を端的に表現すると、
チャンバラ(殺陣)がメインの時代劇です。

髪型(髪の毛の色など)など、
現代風の味付けをしており、
昔たけしさんが演じた、
金髪の座頭市的な世界を思い出します。

時代が明治初期ということで、
悪役や、その住まいの様子は、
なんとも表現しがたいのですが、
ある種独特のレトロ西洋風の雰囲気があります。

きっと漫画家やアニメ作家が考えた
想像上の世界観と思うのですが、

私も小さい頃から、
この手のマンガやアニメを見て育っているので、
明治とか大正時代を表す、ホントか嘘か分からない
世界観は理解できます。


そしてこの映画の最大の特徴は、
沢山の激しい「殺陣(たて)」即ち
チャンバラシーンが多用されていることです。

主役の佐藤健さんはもちろん、
ライバルの江口洋介さん、
適役の吉川晃司さん、
また武井咲さんまでもが、
チャンバラシーンを演じています。

時折顔が見えないシーンがあったので、
アクション俳優の方や、殺陣専門の役者さんが
演じているシーンもあるのだと思いますが、
へんな合成やCGのような嘘くささは感じませんでした。

といいつつも、
CGを駆使しているのかもしれませんが、

あの絵がCGで作られたというならば、
それでも、十分もの凄い映画と思います。

(なお、映画の配給元はワーナーでした。
関係有るのかどうか分かりませんが、
画質はノイズが少なく良好に思えました。
国内配給の映画は、ノイズが多い気がしますので、
少し頑張って欲しいと思います。)


特に最後の吉川晃司さんとのシーンは、
見応えがあり、瞬きをする隙もない絵作りです。

今回の映画では、吉川さんは悪役として、
とても重要で個性的な役を演じています。

以前にCOMPLEXのライブを見た話を
書きましたが、吉川さんは大好きな役者さん
(というか、私的にはミュージシャン)ですが、
とても良い作品に出たと感じました。


実際の歴史の話をすれば、
合戦などで実際にチャンバラをすることは
殆どなかったそうで、

鎌倉時代でさえ、弓矢がメインの武器ですし、
戦国時代では既に、鉄砲がメインの武器だったそうです。

そんな訳で、
幕末の戊辰戦争の時代は、
とっくの昔に鉄砲で戦争をする時代に入っており、
実際に人が切り合うことは、
奇襲など一部の作戦に限られていたそうです。

そういった意味では、
冒頭の戊辰戦争のシーンは時代考証の誤りがあるのですが、
そこは娯楽映画と割り切りましょう。
※そもそも、日本刀で人が切れるのは実際は
 数人程度とも言いますし。


今回の映画を見て感じたのは、
ひたすら強い剣心の、人としての魅力です。

ある種日本人の美意識と思いますが、
個人技で凄い人、匠と呼んでも良いと思いますが、
そういった人に対する強い憧れや魅力を、
この映画をみて感じました。

剣心の用いる、逆刃刀(さかばとう)※で
人を切ることはできませんが、
※刀のそりの内側に刃があり、通常の刀と逆になっている。

そのように、自らにハンディを与える
ストイックに剣の道を貫く心。

そして、そんな刀でも負けることが無い、圧倒的な技術力。

そして、チャンバラです。

実際はチャンバラは滅多に無かったんだ。
・・・と知識として知っていても、
こういったものに、魅力を感じてしまうのは、
日本男子のDNAと感じてしまいます。


今回の映画の最後は主演とヒロイン、二人のアップで、

武井咲さん「お帰りなさい」
佐藤健さん「ただいまでござる」

というセリフがあるのですが、
唯一アイドル映画っぽいカットと思いました。


わざと臭い演出のために入れたのだと思いましたが、
私個人的には不要と感じましたよ。(笑)

という訳で、最後のシーン以外は、
すこぶる良好な映画と思いました。

チャンバラ映画なので、
沢山の人が斬り殺されてしまいます。
欧米だったら、バイオレンス映画として
年齢制限が入りそうな気もしますが、
(というか、西部劇でも、こんなに沢山
殺されないと思います。)

そういったところも、なにげに楽しんで
しまうあたり、日本人だなぁ〜。
と感じます。

細かいことを言えば、

佐藤健さんの髪が綺麗すぎるとか、
セリフがうまヘタ?とか、
色々ありますが、
少なくとも武井咲さんの演技は、
すこぶる良好と思います。

アイドル映画を遙かに超えていますので、
チャンバラ時代劇好きな人は、
必見と思います。

日本に時代劇というジャンルがあって
本当に良かったと思った今日の一本です。


映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』公式サイト



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