「危険なメソッド」では、偉大な精神学者でも逆らうことが出来ない、男の悲しい性が表現されていました。

「自分探し」

・・最近そんな言葉も流行りましたが、
本当の自分の気持というのは、
分からないものだと思います。

他人の成功や、
力強く歩く姿を見ると、
自分の情けなさにガッカリし、

テレビやネットで繰り広げられる、
華やかな世界を見て、
自分が何を求めているのか、
余計にわからなくなります。

私たちは、
道に迷ったり、
自信を失ったり、
・・泣きながら人生を歩いていきます。

そんなとき、
自分の心を保つことは、
案外難しいことだと感じます。


さて、
本日ご紹介する映画「危険なメソッド」は、

若き日の精神科医(精神学者ユングが、
自らの患者と、禁断の恋に落ちてしまう映画です。

最近、歯医者さんと結婚した超有名歌手の
方がおりますが、

今から100年も前の、
キリスト教の道徳観に支えられた、
ヨーロッパ医学界において、

患者と恋に落ちることは、
現代の私たちの想像を超えた
モラルに反する出来事。
スキャンダルだったことでしょう。


患者のザビーナを治療するなかで、
ユングは彼女の信頼を得て恋愛を迫られます。

彼はザビーナへの恋心を持ちつつも、
妻が居る家庭や医者としてのモラルに
反することで悩みます。
ましては、妻は身ごもっているのです。

そんなとき、
心を病んでユングの元に入院してきた、
一夫多妻制や快楽主義の思想を持つ
同じ精神科医グロスから、

ザビーナとの気持ちに正直になるように説かれ、
ついにザビーナと男女の仲になります。

その後、
医者と患者、医者と愛人、医者と教え子
という複雑な関係に、
当時の精神医学界の重鎮であるフロイトとの
親交を交えながらドラマは進んで行きます。


人間は、許されない罪を犯しながら生きていく。
(↑ちょっと言葉は違っているかも。)

そんなテロップが最後流れ、
心を病んだユングが湖を眺めるシーンで
映画は閉じます。


映画「危険なメソッド」は、
ユングフロイト
ザビーナとの実話をベースにしているそうです。

後にユングは精神病から治り、
神学者として大成し85歳の長寿を全うしますが、

ザビーナは後に起きる第二次世界大戦のなか、
ナチスによって銃殺されます。
ユングに比べると、悲しい最後です。


映画を見終えながら感じたことは、

当時の人達にとって恋愛は、
現代の私たちよりも大切だったのではないか
という事です。

もちろん私たちも恋愛は大事ですが、

お金や仕事のことだったり、
ネットや人間関係など、
・・・
当時に比べ恋愛以外の関心事が増え、
相対的に恋愛の心に占める割合が
減っているようにも思います。

もちろん当時は、現代の我々と違い、
食べるのに必死の人達も多かったでしょうし、
その点は表現されていませんが、

ユングやザビーナの暮らし方は、
現代の我々と大きく違わない印象も持ちました。

だから余計に、
映画では恋愛感情がクローズアップされるのです。


映画を見ていて、
ユングフロイトや、
ユングとザビーナの細かなやり取りなど、
流れが分からない所がありました。


何時もとは違いますが、
映画を見る前に、ネットの映画批評を読んで行きました。

“無意識の湖”に身を投じたユングと女性患者の行方──クローネンバーグの恋愛サスペンス『危険なメソッド』|日刊サイゾー

見終えてから、
再び記事に目を通したのですが、

映画を見ても今ひとつ解らなかった
シーンの説明などが書かれており、
映画評論家の方というのは凄いな。感心しました。


記事と云えば、
記事を読んで期待してしまったHなシーンはさほど無く、

ヒロインザビーナさん演じる
キーラ・ナトレイさんのおっぱいを少し
拝むことが出来た程度でした。

ユングフロイトが議論するシーンでは、
性的な話題も多く、
これも学問なんだなぁ〜と感じますが、
Hな下心は満たされませんでした。


結局ユングはザビーナと男女の関係を持ちながらも、
モラルやスキャンダルが学会に広まるのを恐れ、
ザビーナとの関係を絶ちます。

ザビーナは一度は分かれつつも、
再びユングの元にやってきて、
そしてユングから去っていきます。

その時ユングは彼女に出て行かないように願います。
どの男性でも似たり寄ったりだと思うのですが、

自分から振った女性すら忘れられない、

そんな、なんとも悲しい、
男の性を感じてしまいました。


ユングほどの高名な精神学者でも、
綺麗な女性が居れば心を奪われ、
そして別れた後も女性の幻想を追い求める。

映画を見終えて感じるのは、
全世界に共通するそういった男の姿です。

それにしても、ユングは実にモテ男です。
うらやましい。


http://dangerousmethod-movie.com/index.html



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