丸尾孝俊著「大富豪アニキの教え」は今年の1位2位を争うような面白くためになる良書だと思いました。

書店を徘徊して、
欲しい本が沢山あるときは、
迷いながら本を選びます。

そのとき、買わなかった本でも、
タイトルや表紙のデザインは、
記憶に残るのですが、

買わなかった本の幾つかは、
後に、ネットや口コミで
面白かった情報を得て、
今度はネットで購入します。

その時、自分の本の選択眼のなさに、
ちょっと悔しい気持ちになります。


本の達人は、

 少しでも読みたいと思ったら、即買って読んでみる。
 面白くなかったら、最後まで読まず途中で止める。

というのですが、結局これが、
本を選ぶコツなのかも知れません。


という訳で本日は、
本屋さんでは選ばれず、
後にネットで購入した丸尾孝俊さん著の

「大富豪アニキの教え」

をご紹介します。

本書の表紙のイラストは目を引いたのですが、
なぜ本屋さんで選ばれなかったかというと、

そのタイトルが、いかにも若者向けの、
軽い成功本/自己啓発本のようにしか見えず、
今日はやめとこ。

・・と思った訳です。


その本を買うことになったのは、
職場の隣の部長さんが、

今年読んで面白かった本ということで
紹介するのを聞いたからで、
(口コミですね。)

部長のおじさんが読むか。
・・そして絶賛するか。

という気持ちと、

読んでなかった。しまったやられた。

という悔しい気持ちがあったからです。

仮にも隣の部長さんが読んで居て、
私が読んで居ないとは、あり得ません。汗)

隣の部長さんは、
印象に残った点をいくつか紹介していたのですが、
私が最も心に残った点は、

 仕事(で生き残る人の条件)は、義理と人情と職人技
 ※アニキの教え9

でした。

私の努める会社は
コンピュータ関連の業務をしており、
割とドライな人が多いのですが、

そんな会社の部長さんが、
技術(職人技)だけでなく、
義理と人情とか言う所が意外でしたし、

私も仕事は成果や儲けよりも、
義理や人情が大切と思っていた物ですから、
余計に印象に残ったという訳です。

他にも隣の部長さんは、
トラブルが起きたら直ぐにお客さんの所に
駆けつけることを信条としていて、
本書では、

 最強の問題解決は自分から会いに行くこと。
 ※アニキの教え5

として紹介されていた点も印象的でした。


実際に本書を読んでみて、
確かに内容のすばらしさや、文体のおもしろさなど、

今年読んだ本の中でもNo.1じゃないか。
・・とそんな印象を持ちました。


本書の構成は、
主人公のダメリーマンの若者が、
知り合いのツテをたどって、

バリ島にすむ「大富豪アニキ」に会いに行き、
アニキに質問をして、教えを請う。
というものです。

成功本や自己啓発本では、
良くある構成なのですが、
この時の文体が、よくよく計算されていて、
例えば、

主人公:仕事で成功するにはどうしたら良いですか?

アニキ:「完全に余裕やな」と言いい、ニッと笑った。
    「それはな、1日14時間仕事することや。」
    <略>
    「ヤバイで、オレ、ごっついええ話してしもうたわ」    
    というとニッと笑った。


のように、
”完全に余裕やな”、”ニッと笑った。”など印象に残る、
主に関西弁の言葉が決まり文句として、
効果的に多様されています。

度々同じセリフが登場するのですが、
そのつど笑いを誘い、
そのセリフといい、間といい、

漫才を本にしたかのような、
極めて考えられた文体です。


本書のテーマ(つまり主人公が行う質問)は
仕事、お金儲け、子育て、親との関係・・
など25項目に及びます。

本書のもうひとつの特徴は、
目次らしきものが無く、章立てが曖昧なことです。

しかし、25項目に関しては、
途中や最後にまとめられています。

中でも私が印象に残ったのは、

・人とのご縁が成功を生む。
 だから株のように買っても儲かっても
 「人とのつながりが育まれない投資」はしない
 ※アニキの教え20

・自分の好きなことに限らず、人助けでも何でも、
 お金があれば出来る事は、たくさんある。
 「お金」は稼げるだけ稼ぐ。
 ※アニキの教え17

などです。

中学を卒業し、ひたすら働き、
ひたすら人(特に後輩)に尽くし、
一文無しのギリギリのところから再起して、
大金持ち(大富豪)になった人生からは、

努力や失敗、人を大切にする心が大事で、
お金は後から付いてくる。

という人生の大切な部分を、
いい年をして学びます。


先生や学校的には扱いにくい
教材とは思いますが、

こういった生き方を、
義務教育の間に紹介することも
これからの社会は、
必要になってくるのではないかと感じます。

勉強ができて、大学に行くばかりが
世の中成功の道ではありません。

頑張って仕事をして、人を大事にして
お金持ちになる道もあるということです。


本書は最初に読み始めたときには、
短時間で読み終えると思ったのですが、

あまりにもおもしろかったせいか、
じっくり読んでしまい、以外に時間を要しました。

ネットで買ったので書店のカバーが無いため、
読むたびに、著者が描かれる表紙の印象的な
イラストが目に入ります。

そして表紙の紙質が良く、
手触りの良さを感じながら読み始めるのですが、
読んで居る間は、本当に良い時間と感じます。


そんな訳で、
自分の選択眼が乏しく、
書店で買わずに悔しかったのですが、

最近読んだ本の中で、
もっとも良かったと思った今日の一冊です。



 
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