「スタジオジブリ・レイアウト展」を見てきました。宮崎駿ファンにはたまらない展示会でした。

風の谷のナウシカ」が劇場公開されたのは
なんと!約30年前の1984年のことなんだそうです。

この映画は、
私が最も沢山繰り返し見ている映画に違いなく、
85年頃には、録画したビデオを学校で見た記憶も
あるので、映画を見た回数は数えられません。

似たような状況はきっと私だけでなく、
いまだ2年に1度位は再放送をしていて、

しかも、
昨年の視聴率がなんと14.6%ということから、
沢山の人達が同じような状況になっているのかもしれません。

そのほかに、ビデオやDVDを持っている人が
沢山いるという・・・

==ナウシカ再放送の視聴率==
 85/04/05 16.5%
 86/07/25 16.4%
 88/07/22 17.5%
 90/09/28 18.2%
 92/07/17 21.4%
 94/03/25 16.6%
 96/03/08 19.3%
 97/07/04 19.0%
 00/02/11 23.3%
 02/01/11 19.8%
 04/01/16 19.4%
 06/02/03 15.3%
 08/06/06 15.3%
 10/02/19 17.5%
 12/05/11 14.6%
==ネットのソースが不明です。すいません(汗)==

この「ナウシカ」の原作・監督である
宮崎駿さん(以下宮崎監督)は、

アニメの天才でありながら、前監督である
ルパン三世 カリオストルの城」が興行的に失敗し、
当時はかなり厳しい環境だったそうです。

※「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」など、
 当時はやっていたSF系アニメに負けたと言われています。

次のアニメ制作のため、
企画を持ち込むのですが、
前作の失敗により、上手く行かず、

(・・・みたいな話は、
知る人にとっては当たり前ですし、
Wikiなどを読めばもっと詳しい話がいくらでも
出てきますが、もうすこし続けて・・)

ナウシカ」のヒットを受け、
宮崎監督の不遇時代に暖めたアニメ映画を作成すべく
立ち上げた会社が「スタジオジブリ」です。

最初の作品は、1886年に公開される
天空の城ラピュタ」ですが、

当時は会社組織というよりも、

 ナウシカの宮崎さんが、
 またアニメを作るので、
 集まりたい人募集!!

・・みたいな雰囲気だったそうです。

なお「ラピュタ」は、映画館では見ていませんが、
(「宇宙戦艦ヤマト」は映画館でみた。汗)

宮崎駿さんの話題の作品であることはもちろん
知っており、直ぐにチェックしました。

「コナン」や「ナウシカ」の宮崎路線を引き継ぐ
ところがあって良かったのですが、
となりのトトロ」の方向性があまりにも
違って、正直がっかりしました。

Wikiによると「ラピュタ」と「トトロ」の2作は、
興行的にはイマイチだったようで、
興行的に成功したのはスポンサーを得た
魔女の宅急便」からのようです。

ただ、私の周辺の宮崎ファンに評判が良いのは、
ラピュタ」です。私個人的にもそう思います。

その後、
構想16年、制作に3年をかけたという
もののけ姫」によって、「スタジオジブリ」は
一時傾いてしまったらしく、
一度徳間書店に吸収されたりしています。

結局「もののけ姫」は興行収入193億円という、
当時の日本記録を塗り替えるヒット作となる訳ですが、

宮崎監督の1本の映画を作る背景には、
もの凄い、波瀾万丈の物語があるのだと感じます。

アニメ制作は本当にお金がかかるので水物なんですね。


そんなわけで、個人的に宮崎監督のTV番組や、

↑「崖の上のポニョ」の制作ドキュメント。お勧めです。


ジブリ映画製作の様子のDVDなど、

↑「もののけ姫」の作成ドキュメント。こちらは詳しい人向けです。

を見て日々勉強していますので、
今回の企画は外すわけには行かないと思い、
(今頃ですが)見学してきました。

参照URL
スタジオジブリ・レイアウト展

↑Web画面イメージです。


ジブリ展といいつつも、展示の内容は、
ジブリ以前の「アルプスの少女ハイジ」から
最新の「コクリコ坂」までが展示されています。

昔はこの手のレイアウト画(つまり製作用の資料)
は映画が出来たら不要品で、
保管などせずに捨てるような物だったそうです。

実際に「魔女の宅急便」のレイアウト画は、
展示されていた2枚を除いて、
行方不明となっていましたが、

古いアニメでも、段ボール箱丸ごと出てきた
ようなものは、多く展示されていました。


比較的新しい「千と千尋の神隠し」などは
壁一面にレイアウト画は貼り付けられており、
(解説によると、それでも1/10程も無いのでは?
とのことでしたが)これは圧巻でした。

参照URL 会場の様子です。
スタジオジブリ・レイアウト展 - 展覧会について


先に紹介したDVDをみておりますので、
宮崎監督の仕事の様子は、
ある程度知っているつもりでした。

本当に、書いて・書いて・書きまくっている。
という印象です。

もちろん全ての絵を書いているわけでは無く、
「レイアウト画」は、美術スタッフと分担して
書いている訳ですが、

美術スタッフが書いたと思われるレイアウトは、
精緻で本当に芸術作品としか思えず、

それに比べると、
宮崎監督のレイアウトは適当感が漂っています。

※描き手の名前が有る訳ではないので、
 勝手な想像ではありますが。


足を運ぶ前日に、
予めレイアウト展のTVを見て予習し、
宮崎監督が、他のTV番組と同じように、
「めんどくさい」を連発していましたが、

展示会を見るだけで、
アニメを作るというのは
本当に面倒な事なのだと感じました。


今回展示している「レイアウト画」は、
シナリオとセルがを作る間にあって、
アニメのある数秒を作る設計図に相当
するものです。

宮崎監督の作品の作り方は、

・なんとなく映画のイメージ画を書き、
・鈴木プロデューサーやスタッフと会話しながら
 ストーリを暖めシナリオを「絵コンテ」として
 作ります。
・その後で「レイアウト画」分担して書き、
・レイアウト画を元に、アニメーターが、
 動画用の原画を書きます。
・動画用の原画を宮崎監督が動きをチェックし、
 修正指示を出したり自ら(鉛筆・消しゴムで)
 直したりします。

のよう感じだったと記憶しています。

さらに、
宮崎監督は会議中もマンガの飛行機を
書いていたりするそうなので、
(本当に、書いて・書いて・書きまくって、
ついに手が動かなくなり、「ポニョ」で、
長編はこれ以上無理と言い出しました。)

つまり、
宮崎監督の「めんどくさい」は、
TVを見て感じる、「わがままおじさん」という
だけでは無さそうな気はしました。


私が見学した1月3日も、沢山の人が訪れていて、
私と同じように感心しまくっていました。
(隣で話を聴いていると、
アニメを見ていないような人もいました。)

若い人だけでなく、
結構なおじさん・おばさんも居たのですが、
こういった絵をみて、感心するというのも、
日本の文化のような気がしました。

日本全国をめぐっていると言うことですので、
是非一度足を運んでみてください。


最新の開催地秋田展の参照URLです。
http://www.akita-abs.co.jp/ghibli/index.html

↑秋田展のWeb画面です。

追伸)
ところで、
ナウシカ」が出る前の不遇時代の宮崎監督の歳を
計算すると〜43歳頃となり、今の私と同い年。
ナウシカ」を書くのか、場末のブログを書くのか、、
この違いはなんとも、トホホな感じです。はい。


 
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