菊原智明著「人は上司になるとバカになる」を読みました。

現代の会社組織は、
あるプロジェクトに社員がひも付いて
活動することが多く、

従来の部課長中心とした縦型の組織構造は壊れ、
組織がフラット化する傾向にあります。

私の属する会社も同じ流れに乗っていて、
私は管理職ではありますが、
組織表上の部課はおりません。

しかし、
プロジェクト体制上の部下はおりまして、
プロジェクトの限られた期間中は上司として活動します。

その時に気になるのは、

部下との関係で、日々偉そうなことを言いつつも、

部下に嫌われていないか、
部下に笑われていないか。。

ふと、そんな事が心配になることもあります。


・・という訳で、本日は菊原智明さん著

「人は上司になるとバカになる」

をご紹介します。

本書は2011年夏に発行された書籍で、
発行当初からその名前を知っていました。

その時はあまり気にならず、
実際に購入したのは去年のことですが、
その理由は、私の部下が増えたからです。

以前も一人二人の部下はおりましたが、
ある日十数人の部下を預かることになりました。

それまでは、

上司はバカだ!!

・・・とか良いながら、
同僚と居酒屋で愚痴を言い合えば良かった身分が、
そんなことも簡単に言えない身分となりました。

そうすると、
本書の「人は上司になるとバカになる」
は俄然、気になります。


本書を読みますと、
作り話が含まれているのでは?という位、
ひどい事例が連なります。

著者の専門は営業ということで、
営業の現場の事例が多いように思いましたが、

私のような製造部門の人間からすると、
営業さんはつらいものだなぁ〜。といった感じです。

しかし、思い当たる事例も多く
毒があるというか、扱いにくい問いか・・

バカとは云いませんが、
ひどい上司の存在は、職場を問いません。


最近は、部課長の数が減ってきていることもあり、

なぜ、この人が課長?
なぜ、この人が部長?

のようなケースは、
今後は少なくなってくるのだと思いますが、

昔ながらの年功序列型組織では、
上司へのゴマ磨りが上手いだけで、
出世してしまった上司も相当数いるに違い有りません。

部下にとっても会社にとっても、
そして本人にとっても、
このようなことは不幸です。

上司と部下との関係性は、
利益に大きな影響を与えますからね。


本書には、このような手強い上司への対処方法が
中心に書かれている内容です。

たとえば、

 ・その場では、いったん自分が吸収すること。
  (その場で反対しない。)
 ・そうゆう(無理難題を言う)人だと、予め思うこと。
 ・なるべく、機嫌の良いときに根回しすること。
 ・おだてて余計な事を言わせない技術をみにつけること。
 ・・etc.

こんな感じです。

別の言葉では、上司をコントロールする力、
すなわち「部下力」などとも言われますが、
他のビジネス本などにも書かれていますが、
こちらの本は具体的な対処方法が詳しいです。

本書にもありますが、
人前で上司にネチネチ説教されても、
周りの人は案外、説教されている人に同情的です。

また自分が上司に成ってみると分かりますが、
そんなときの説教は、必ずしも本人に言っている訳でなく、
チームメンバーへの注意喚起だったりします。
(メンバーにとっては分かりにくいことこの上ないですが・・。)

私も若い頃は、上司になったら、
ネチネチした長いお説教や、イヤ仕事の頼み方はしない。
と心に誓った物ですが、
今部下が評価したら、果たして、どんなもんかと思います。


本書を読むに当たり、
私が一番読みたかった内容は、

なぜ上司になるとバカになるのか?

という理由の部分でしたが、
その点は本書には示されていなかったように感じます。

あくまで本書は理不尽な上司に仕える、
若きサラリーマンに送る今日の一冊と思いました。



 
★★★ ツィッターやってます! ★★★

 https://twitter.com/h6takahashi