映画「ヒッチコック」は、ヒッチコックを知らない人も十分に楽しめる人間ドラマです。

今日は映画「ヒッチコック」を観てきましたので
簡単にコメントします。

私の世代でヒッチコック監督と云えば、
なんとなく「鳥」なのですが、

他には映画の途中で出てきて解説する、
ちょっと太めのおじさん。
そんな印象です。

そういえば、
今回の映画の最後でもありましたが、
本人がスクリーンから歩いて消えて行く
シーンなども懐かしいです。

ただ正直、
あまり映画の記憶が無いのですが、

ヒッチコック監督の外見と、
日本語の吹き替えをしていた
熊倉一雄さんの個性的な声やしゃべり方は
いつまでも記憶に残っていると思います。


映画「ヒッチコック」は、
ある田舎で兄が弟から
撲殺されるシーンから始まります。

そのままカメラが右側にパンすると、
ティーカップをもったヒッチコック監督が現れ、

「この事件が無ければ、
 映画を撮ることはなかったでしょう」

・・みたいな解説をはじめるのですが、
なんとも懐かしい感じです。


映画のストーリーは、
北北西に進路を取れ」がヒットし、
次の作品の企画を考えるところから始まります。

彼はパラマウント映画で、
あと一本映画を撮る契約になっていました。

意外に感じたのは、
映画撮影の無い日も、ヒッチコック監督は
撮影所(パラマウント映画の会社?)に出勤し、
自分の事務室で秘書と仕事の相談をしているのです。

こーゆーもんなんだ。
と妙に感心します。


ヒッチコック監督が企画として考えたのは、
数々の女性を惨殺した殺人犯の物語でした。

殺人犯が一番最初に殺したのが、
冒頭のシーンの兄だったわけです。


この映画を見るまで知らなかったのですが、
この映画「ヒッチコック」は、
彼の最大のヒット作である「サイコ」を
企画・制作して最大のヒット作にする
までを再現するストーリーだったのです。

映画の前半で、ヒッチコック監督が
こんな映画を作りたい。
と関係者を集め説明をするのですが、
集まった全員がどん引きします。

映画を観ている私も、
内容を想像するだけで、どん引きします。

今日はホラー映画を見る気分では無く、
まいったな、どうしようかな。
・・・と思いつつ、
最後まで気になっていたのですが、

悲惨な殺陣シーンや、
死体バラバラ系が直接描画される
シーンは無く、
この点はとても良かったです。

ただ一部に登場する、
恐怖の演出がとても上手く、
これはヒッチコック監督の手法を
真似しているように感じられました。

そんな雰囲気も楽しめます。

映画を作るにあたり、
町中の原作を買い占めたり、
映画会社が撮影の許可を出さずに、
自腹で映画撮影を始めます。

そうしたなか、
妻の不倫を疑ったり、
映倫と殺陣シーンやヌードシーンの
表現の許可を得るため努力します。

私の感覚では、
何でも有りありのアメリカなのに、
ヌードシーンの許可?というのが
意味不明なのですが、

アメリカにも厳しい時代があったという
ことも、映画を観て知ります。


今回の映画の見所の一つは、
ヒッチコック監督を彼を支えた奥さまです。

初めてデートしたのは、
彼が助監督のときだった。

と奥さんのほうがヒッチコック
上司だったことを語るシーンがあります。

奥さんは自分で映画を作ることを諦め、
ヒッチコック監督を支えることにしたのです。

ヒッチコック監督は主演女優と良い仲に
成ってしまうことが多く、

ヒッチコック監督もグレースケリー(?でしょうか)
のモノクロ写真を眺めるシーンがありますが、

あの顔というかあの身体で?

・・と、これまた以外です。(笑)


サイコの主演女優※に、
※今回の映画では、スカーレット・ヨハンソン
 が主演女優のジャネット・リーを演じています。

ヒッチコック監督は優しくしてくれるの。

と奥さんに云うシーンがありますが、

主演女優と別れ、
その後で映し出される奥さんの渋い表情が
色々なことを物語っています。

数々の不倫に耐え、記者会見では一歩下がり、
「サイコ」の撮影に当たっては、
費用捻出のため、
プール付きの家を売るかという話しになり、

ヒッチコック監督が寝込んだ時は、
代わりに撮影を仕切り、
駄作だった「サイコ」を編集や音で、
ヒット作へと生まれ変わらせます。

これを観ると奥様が、
実はヒッチコック監督か。と思うほどです。


映画「サイコ」の最大の見所は、
主演女優がシャワーシーンで殺されてしまう
演技でした。

最初、専門のアクション俳優さん
(女優さんでした)が包丁を振る
アクションをしているのですが、
こんなんじゃダメだ。とヒッチコック監督
自らが包丁を振り回し、
本気でおびえた女優さんの表情を撮ります。

その時、ヒッチコック監督の脳裏には、
奥さんと不倫(実際はしていない)相手の
男性や、お金を出してくれないパラマウント
社長などが描き出されるのですが、

天才が作った素晴らしい演出の
背景にあるのは、こうした人間の邪念で
あることが表現されます。

このヒッチコック監督を演じたのは、
ヒツジたちの沈黙などでも有名な、
アンソニー・ホプキンスさんです。

アンソニー・ホプキンスさんが出演しなければ、
映画も作られなかったということですが、
コレまでの映画から想像つかず、
凄い似ています。

・・と、
簡単のつもりが、話しは付きません。
映画「ヒッチコック」はストーリ的な
破綻は無く、なかなか良く出来た映画と
思いました。

映画ファンで無くても、満足な一本です。



映画「ヒッチコック」公式サイト


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   https://twitter.com/h6takahashi


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