中島 孝志 (著) 「仕事力・マネー力・運気力がアップする すごい読書! 」はビジネス本好きの方にお勧めです。

本を読むための本があります。

例えば速読術の本です。

本を読む前に、
こういった技術を覚えることで、
読書の効率が何倍にもアップします。

つまり時間の節約になるという訳で、
至る処でそんな話しを見聞きします。


他にも一流ビジネスマンが、
自らの読書術を紹介する本があります。

ある人は、
出張途中の新幹線で本を読み、
気になったページを破いてポケットに入れ、
ホームのゴミ箱に本を捨て帰って来るそうです。

情報を確実にゲットしつつも、
カバンは軽くなるということで、

なんとも効率的な思考だと感心します。


本を読みながら、沢山の想像を巡らせ、
物としての本の表紙を見て内容を思い出す。

そんなタイプの私には、
どちらの読み方もピンときません。

それに、

 (図書館の)本は大事にしましょう。

そんな学校教育もうけてきましたしね。。


・・という訳で本日は、中島 孝志さん著

 仕事力・マネー力・運気力がアップする
 すごい読書!

をご紹介します。

本書の表紙のデザインは、
洋書を並べた本棚の背景写真を用い、

白い本の影に、小さな文字で、

「 仕事力・マネー力・運気力がアップする 」

とありまして、
その下に大きな文字で、

「すごい読書!」

とあります。

「すごい読書!」・・と思ってアマゾンを確認すると、

「仕事力・マネー力・運気力がアップする すごい読書! 」

となっています。
本当のタイトルはこちらのようなのですが、

いずれにせよ私は、
「凄い読書(術)」の本と思って購入しました。

うだうだ書きましたが、
どっちにしても、タイトルと内容はピッタリ一致します。

それもそのはず、
本書の内容は、年間3000冊もの本を読むという、
著者の中島孝志さんが、
自らの本の読み方を解説している内容です。

中島孝志さんはベストセラーを何冊も
プロディースするプロの編集者であり、

そして、自らも沢山の著書をだされている
プロの作家さんです。

本を選ぶときも、本を作るときも、
タイトルはとても重要なのです。


このように著者は本のプロですが、
それでも年間に3,000冊の本を
読むということはただ事ではありません。

その3,000千冊という数にしても、
数えているわけではなく、

確定申告をする歳に、
一冊平均1,500円とか2,000円として計算して、
はじき出されて数字です。

実際は価格の安い文庫本なども
読んでいるわけですから、

そうするとつまり、
1日約10冊の本を読んでいる計算になります。

下世話ながらそのときの本代は、

1,500円×3,000冊=4,500,000円

となり、
税抜き金額であることも考えると、
ちょっとした人の年収になります。
※著者の場合、もちろん経費処理している訳ですが。

いずれにせよ、
本を日に10冊読むと言うことは、
お金も時間も、
とてつもなく凄いことなのです。


著者の本の読み方ですが、

 3段階読書法で完璧に消化しつくす!<p104>

として一冊の本を3回読みます。

1回目
 タイトルや目次をみて、
 ざっと流し読みをして、重要な箇所は
 ポストイットを貼り付けます。

 この時にすでに読まない本が出てきます。
 著者の筆力がないと目次などで工夫をするそうで、
 プロが見ればそういったこともわかるのです。

2回目
 ポストイットの部分を再度読み込み、
 さらに内容を厳選します。

3回目
 2回目で読み厳選されたところを
 再度読み、内容をPCに打ち込みます。

 このPCの情報が沢山の仕事のネタとして
 生きてきます。

こんな流れです。


また、他の多読家同様に、
はじめから最後まで通読することはしません。

 キモは20%しかない!<p093>

として、
気になったところを中心によみこみます。

そして気になったページを切って
捨てたりもします。

これは、1冊の本から得られることはさほど多くない。
ということと、
古本を売っても大したお金にならない。
ということを理解し、

本の持つ物としての価値よりも、
情報としての価値に重きを置いた考え方です。

私などは、本を買ったら、
最初から最後まで読み切り、
部屋中に積んでいます。

どちらかというと、昔風というか貧乏臭いというか、
そういった読み方とは正反対の読み方です。


また本書では、

35歳までは徹底的に現場の本を読め!<p133>

として、年齢に応じた
3つの読み方を提唱しています。

〜35歳:ビジネススキルを習得する本
〜45歳:マネジメントスキルを習得する本
45歳〜:人間力を習得する本

本書の最後には、

100冊の自己啓発書より1冊の山本周五郎<p196>

として、小説の中から人間力を学ぶことの
大切さが書かれます。


 読書は人間を磨く砥石<p215>

という言葉が途中で紹介されるのですが、
なんとも心に染み入る言葉だと思います。


他にも印象深かったのは、本の冒頭に

「きみ本読みになったらあかんで」

松下幸之助氏に言われた話です。

本で得た知見を(仕事に応用できない)、
単なる物知りで終わってはいけないという話しですが、
のちに、

 読書はあくまでも他人の知識、情報、スキル、
 体験にすぎません。
 大切なのは、
 それらに刺激を受けて自分がどう考えたか、
 具体的な仕事や企画、事業に出来るかどうかに
 あります。<p105>

という話しです。

先日、ビジネス書を読んでも役に立たない。
という本をご紹介しましたが、

本を読んでも役に立たない。
・・と嘆いている人とは次元が違います。

他にも、10冊同時に本を読もう。とか、
経済予測のための本の読み方。とか、
様々な有益な情報があり、全は紹介仕切れません。

テクニックと言うよりも、中島流本の読み方という印象です。

本書は、純粋な本好きというよりも、
ビジネス本好き。読書を仕事に生かしたいと考えている人。
こういった方に読んで頂きたいと思います。

著者の中島孝志さんの本は、
本書に限ったことではありませんが、
文字もさほど多くなく文章も読みやすいです。

途中で面白そうな本が何冊も紹介されており、
いずれ全部取り寄せて読まねばならない。
と感じた、今日の一冊です。

良書です。



★★★ ツィッターやってます! ★★★
   https://twitter.com/h6takahashi


今日のアクセス:156,606