植松 努 (著) 「NASAより宇宙に近い町工場」をよんで感動しました。日本中の子供達に読んで欲しいです。!

得てして男子は、
飛行機やロケットなど、
空飛ぶ物体が大好きだ。

確かに、
向井千秋さんや山崎直子さん
のような女性宇宙飛行士もいる。

しかし、絶対数としては、
やはり男が多いに違いない。(根拠レス)

理由はわからないが、
(私たち)男子は、
紙飛行機でも凧でもトンボでもUFOでも・・・
とにかく飛んでいる物が大好きなのだ。


我々の祖先は、
海の中から陸を観て憧れ、
そして未知の世界である、”陸”に上陸したという。

さらに一部の仲間達は、
空に憧れ、飛ぶ力を身につけた。

ほ乳類となってしまった私たちは、
どんなに空に憧れても、

鳥のように力強く飛び上がることも、
大空を滑空することもできない。

ただ人類の、
夢や憧れの力はとてつも無く大きく、
自ら空を飛べない私たちは、

空飛ぶ道具を発明することで、
憧れを、現実にしたわけである。


・・・というわけで本日は、植松 努さん著 

NASAより宇宙に近い町工場」

をご紹介します。


書き出しの雰囲気を少し変えてみましたが、
それはきっと、
この本が本当に凄い一冊だからです。

私個人的に、
最近読んだなかで、最も感動感動しました。


ところで本書が出版されたのは、
2009年11月のことで、
私が購入したのは2009年11月です。

植松 努さんの宇宙開発の話しは、
どこかで聞いたことがありまして、
本書も出版された早い段階で購入したのですが、

な・・、なんと、
3年以上も積読本(つんどくほん)
に成っていました。

こんな面白い本を3年も寝かせていたなんて、

恐るべし>オレと思いました。


本書の最初の方に、
2006年に六本木ヒルズのお金持ちから、
8億円ほどの資金援助の申し入れがあり、
考えた末、断ったという話題が登場します。

堀江貴文さんのことだと思いました。

自分たちのロケットは、
お金持ちから何億もの資金を得て作るものではなく、
もっと一般の人から5百万位(それでも高いが)集めて
つくりたい。

・・そんな事が書かれています。

堀江貴文さんがニュースになる、
今本書を読むというのは、
なにかの縁を感じます。


話しは本題に入りますが、

本書で書かれることは、

 不可能はない。
 夢を諦めない。

この2点に尽きると思います。

仮に、
子供の頃から飛行機やロケットが大好きで、
そのあと工業系の大学に進学し、
夢が叶い航空機開発の仕事に付いたとします。

数年勤めた後、実家の工場を継いだとします。

良くありそうな話しですが
ポイントは、

工場に多少の工作機械があったとして、
そこでロケットを作ろうと思いますか?

ということです。

次のポイントは、
ロケットのような超精巧な機械でも、

最初は全部手作りだった。

ということに、気付くことです。


例えば、日本の場合は、
糸川英夫先生が作ったペンシルロケットでした。

↑たまたま本物の写真がありました。

個人的にこれなら自分も作れそうだ。
と子供の頃にロケット花火で遊んだことが
ありますが・・汗)

その気持を大人になっても忘れない事です。


本書ではロケットが、
近所のホームセンターで売っている部品で
作れることが書かれております。

用いる材料は、
ごくごく一般的なものなのだと思います。


一般の人がロケットを作る上での
最大の課題はおそらく燃料です。

本物のロケットの場合、
液体水素(H2)と液体酸素(O2)という2つの
液体が必要です。
(もしくは火薬ですが・・。)

水(H20)の素ということは、
簡単に解るのですが、

どちらももの凄く冷たい物質で、
※特に液体水素はマイナス259度

しかもロケットのように大爆発する性質があり、
(だから燃料になるわけですが)
一般的に扱うことができません。

しかし、
あきらめないで、なんでも作る。

というポリシーではありますが、

液体酸素と液体水素を用いる
ロケットエンジンを作ることは、
専門家であっても困難とあります。

一番の理由は、燃料の爆発物を取り扱う
手間にコストがかかりすぎることです。

ロケットを開発して飛ばしたいのに、
一番大変なことが危険物管理という、
なんとも本質的な話題ではありません。

仕事ではこういった、
関係のない所が難しいことは、
良くある話しですが、

宇宙産業がなかなか発達しない
一つの理由のようです。


そんな著者がロケット開発ができるように
なったのは、
北海道大学の永田晴記教授が開発した
ポリエチレンを燃料とするロケットエンジン
との出会いです。

ポリエチレンというビニール袋とか
プラスチック製品に用いられる、
ごくごく一般的素材です。

そもそも、
ポリエチレンを燃料にロケットエンジン
作るという設計が突き抜けていますが、

とにかく著者は永田晴記教授と出会いました。
紙飛行機教室をしていたら、

こんなエンジンがあります・・と電話が
かかってきたそうです。

神様が作ってくれた出会い。

と本書にありますが、
きっとそうなんだと思います。


 ロケットエンジンは売っていないから買えない。
 ロケットエンジンは買えないけど作れる。
 
 車も洋服も全部作れるんだ。

そんなフレーズが心に残ります。
言われてみればその通りで、

いつの間に自分はそんな簡単な事を
忘れてしまったのかと思います。


ロケットエンジンの開発は、
著者の自宅の横で行われているそうで、
著者の子供達は、ロケットエンジン
自宅で簡単に作れる物。

という、
世の中的には間違った常識を
覚えてしまいました。

つまり常識とは、その程度の話しだ。
という示唆でもあります。


著者は若い頃はいわゆる勉強の出来ない、
落ちこぼれだったそうです。

どうにか大学に滑り込むも、
こんなレベルの低い大学から飛行機(ロケット)の
仕事は出来ないと言われます。

ところが飛行機の会社(おそらく三菱重工)に
入社することができます。

しかしそこでは、
周囲の高学歴のひとたちが、
ほどんど飛行機に興味を全く持たずに、
仕事として言われて事をやっている姿をみて、
驚き、そして落胆します。

給料分だけ働いたら、
給料分だけの人間で終わる。

・・と仕事は給料ではなく、
どこまでやるか。

という心意気や行動が大切である
ことを説きます。

その後、家業を継ぎ、

ロケットを作ると言い、
誰も相手にしてくれなかった話しや、

値下げやクレーム処理など、
下請け工場の切なさから、
壊れず長持ちする製品開発で
独占商品を作った話など、

・・・
とにかく凄いです。


本書で読む著者の植松 努さんは、
日本のエジソンだと感じます。

そして植松 努さんのマインドを引き継ぐ
子供が増えれば、本当に日本は
良い国になると思います。

内容を少し簡単にして、
日本中の子供達に読んで欲しいと感じた
今日の一冊です。



★★★ ツィッターやってます! ★★★
   https://twitter.com/h6takahashi


今日のアクセス:156,407