神田昌典著「2022―これから10年、活躍できる人の条件」からは、未来を予測する考え方を学びました。

年末に部屋を掃除したら、
2年ほど前にアマゾンで注文し、
・・・そのまま箱に入っていた本達が出てきました。(汗)

今日はその第六弾として、神田昌典さん著

 「2022―これから10年、活躍できる人の条件」

をご紹介します。

さて人間誰しも、未来は気になりますよね。

私の年代だと、
あと10年も経つと定年退職が見えてきますが、
20代・30代という方は、
この先10年は大きな意味を持ちますので、
余計に気になると思います。

本書はそんな未来が気になる方、
そして、
10年後には今よりもっと活躍したいと思う方
(どちらかと云えば若者)向けに、
書かれた本と思います。

私たちの、
特に職場人生では避けては通れない、
世の中の大きな流れを予想し、
10年後の2022年(出版は2012年です)に向けた
時代の流れを予想する本です。


本書の冒頭には、
2010年当時46歳の私はガンを告知された。
という衝撃的な書き出しではじまるのですが、

(衝撃的というのは、私が今年46歳になるためで、
命が危険な年代になってしまったと痛感しました。)

著者はそのあと2年をかけて、
様々なガン治療を行い完治するのですが、
著者が命を失いかけながらも
考えたことが本書の根底に流れることを感じ、
本書にかける、気持ちの真剣さを感じます。


そんな本書には、
幾つかの重要な示唆があると思います。
それは目新しい事だけではなく、
中には他の本や情報誌に書かれていていることも
ありますが、本書にまとまっていることによって、
印象深く感じたのです。

以下に、読み終えて印象深かった事を紹介します。


★歴史は70年サイクルで動いている。
 60年とか100年とか、他にもいろいろな説が
 ありますが、どの説にも共通するのは、
 歴史はある周期で繰り返されると言うことです。
 現在昭和初期、戦前に似ているという人も多い
 のですが、著書では2011年を1941年とおいて
 います。

 東日本大震災を、昭和16年の太平洋戦争開始
 と想定し、今年2015年を終戦とおいています。
 本書によると今年終戦に匹敵するような
 大きな出来事が起きると言います。

 大企業の倒産や、東京直下型地震などをあげ、
 「圧倒的な欠落」を国民が共有することで
 新しい時代が生まれると言います。

 2015年も3月ですが、
 今のところ大きな動きは見えず、
 厳密に今年とか、70年というものでは無い。
 と思いながら本書を読むわけですが、

 本書の内容を検証しつつ、
 歴史があるサイクルで動いていることを認識しつつ、
 今は過去の歴史のどこに相当し、
 未来はどのようになるのか。
 このような思考法を持つ事が大切と思います。


★人口と株価は連動する。
 未来を予測する最も簡単な方法を一つあげるとすれば、
 人口の伸びと経済の伸びは一定の相関関係がある。
 ということです。
 つまり、人口の増加と株価は連動するのです。 

 日本の場合、戦後のベビーブームがあり
 人口はどんどん増加し続けてきました。
 そして40〜50代になったときが、もっとも消費が
 増大(子育て費等で)するわけです。

 つまり戦後40から50年が最も内需拡大するという
 ことが言えるのです。
 実際この時の日本は景気がピークに達しており、
 バブル景気などと言われていました。

 私は土地転がしで日本は景気が良かった
 ように思っていたのですが、
 その実態は戦後のベビーブーム世代(団塊の世代
 に続く人口層が内需を拡大させていたという
 ことなのです。

 そして、その世代がお金を使わなくなったのが、
 現在の日本における不景気の実態ですが、
 次に団塊の世代の子供世代。
 第二次ベビーブーム世代の消費が拡大します。
 この世代は、2〜3年前から40代に入るのですが、
 こうして考えると日本はオリンピックが無くても、
 小好景気というか、ミニバブルに突入する可能性が
 あると言うことです。

 なんとなくアベノミクスという政府主導による株高
 しか世の中では騒がれませんが、
 もしかしたら景気を支える環境が出来つつあるのかも
 しれません。

 そして、言えることは第二次ベビーブーム世代が
 お金を使わなくなったとき、
 日本は本当に終わってしまうと言うことです。

 少子高齢化の話しは、テレビでも雑誌でも書籍でも、
 何処でも話題に成るのですが、
 本書で読んだときが、もっとも恐ろしい未来を
 感じました。

 こういった考え方のもと、
 本書では世界地図上に、これから伸びる地域、
 衰退する地域の予測が示されるのですが、
 本書で最も価値のある資料と思いました。


この他にも、お祭りが日本を変える。
といった面白い話しもあります。

戊辰戦争の前に、「ええじゃないか」という、
伊勢参り」から派生した、
お祭り騒ぎが起きたのですが、
そのおかげで日本は内戦の拡大を防ぐことが
出来たというのです。
明治維新は、他の国の革命やクーデターによる
体勢交代に比べて、死傷者の数が桁違いに少ない
と言われますが、江戸時代に定期的に流行と成った
伊勢参り」がこの時期、周期を外れ発生したのは、
誰かが企てた策略ではないかとあり、興味深いです。


本書は、このような統計データや考え方を示し、
次の章で、これからの若者はどうしたら良いか、
中年世代はどうすれば良いのか。
といった事が示されます。

本当はそうした答えを求めるのが、
本書の主旨なのかも知れませんが、
それらを単語で並べてみると、

英語、中国語、NPO、読書会、
プレゼン力(TEDを目指そう)

・・・など、月並みな表現と成ってしまいます。

ですから、本書の活用方としては、
様々なデータと考え方を、
自分なりに未来に当てはめて考えてみることが
大事なのだと感じます。


という訳で、
2022年予想が当たっているか外れているかはさておき、
人口増加と経済の連動の考え方が
分かっただけでも本代のモトが取れた。
と思う今日の一冊です。


2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)

2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)