中谷彰宏著「品のある人、品のない人 / 紙一重だけど決定的に違う些細なこと 」を読み、小さなことの積み重ねが品を生むことに気付きました。

「品がない」

その昔、子供の頃に、
よく親や先生に叱られたものです。

しかし社会人になってからは、
「品がない」
と叱られた記憶はありません。

何故でしょう?

仕事の作法の類で
叱られた事は多々あるのですが、
「品が無い」と言われた事はありません。

「品がない」と叱られるのは、
子供の躾けの時だけ、
言われることなのでしょうか?

もしくは、
職場の周りの人達は、
私と同じ程度の”品”しかないので、
気付かないだけなのでしょうか?


・・という訳で本日は、中谷章宏さん著

 「品のある人、品のない人
  紙一重だけど決定的に違う些細なこと 」

をご紹介します。

確実に言えそうな事は、
大人になると自分の品の無さを、
指摘してくれる人は誰も居らず、
品の無いことに気付かないまま歳を取り、
そして、老人に成っていくということです。

これは結構怖いことです。

本書ではそのことが、
一番最初に書かれています。

 品があるとは、
 品がない自分に気づけることだ。

「あなたは今、品がないことをしていますよ」
 と他人は言ってくれません。
 角が立つので、特に日本人は言いません。
 (本書p4より)

なのです。 

確かに会社の同僚や友人の、
品の無さに気づいても言えないですし、
むしろ品が無いことに気づかないことも
多いと思います。

ですから、

 ・品は、必ず周りの所属集団と同じレベルになる。
 ・その集団の品のレベルは常にダウンする。
  (本書p97より)

という状況に陥ります。


ここで怖いのは、
友人にしても恋愛にしても、
自分と同じようなレベルの人どうしが、
付き合うということです。

自分の品が悪いと、
いっしょにいる相手に恥をかかせることになります。
ですから、品のレベルに差があると、
付き合いに発展しないのです。

自分の友達は品の悪い人ばっかりと思ったら、
それは自分に品が無いと言うことであり、

自分の品を上げていかないと、
何時まで経っても上品な人と知り合いになったり、
友人になったり(さらに恋人になったり)、
・・といった付き合いには発展しないのです。


では、どうすれば品が良くなるのでしょうか?
本書に沢山のヒントが書かれています。

大切な心がけは、
些細なことでも丁寧に行うことです。

それは自動販売機に小銭を入れるときだったり、
アンケート用紙に名前を記入するときだったりします。

一つ一つの動作に、この動きは品があるのか?
と考えることが大切です。

スリッパをそろえる。
人前で時計を見ない。
机の上に手を出す。
熱いときでもネクタイを締める。

そういった、些細なことの積み重ねです。


また、習い事は品を養うのに効果があります。
確かに子供の頃、書道やピアノ、バレーなどの
習い事をした人は品があるように感じます。

特にバレーやダンスは、
貴族としてのマナーやたしなみを学ぶためと
聞いたことがあります。

踊りの姿形や足のステップや身のこなし・・・
そういった技術だけでなく、
教わる先生から、
歴史的背景やマナーやそして人間性という
文化を受け継ぎ、その人に”品”を与えるのです。


また、

 品とは、
 面倒なムダを、
 やせガマンしてすることだ。
 (本書p114より)

という一文が、
品の性質を上手く表現していると思います。

別のページに、ファッションとは、
貴族のやっていることが「面倒くさい」
と簡略化していったものだ。
という説明がありますが、

本書で紹介される、
品が良くなる方法の例を
服装に絞ってピックアップしてみると、

(あえて汚れが目立つ)白いシャツを着る。
 ヒモのある靴を履く。(そして靴紐を結ぶ)
 ネクタイは汚れやすいので、
 小まめにクリーニングに出す。
 太っていてもピッタリの服を着る。
 ・・・

等々、将にめんどくさいことを
重ねる行為です。

このようにして、
少しでも貴族に近づくことが、
品を良くすることなのです。


結局アンケート要旨の名前を丁寧に書くことや、
自販機に小銭を入れるときに雑な動きをしないことなど、

”品がある”とは、面倒な事をひとつひとつ丁寧に
行っていくということです。

サブタイトルにある、
紙一重だけど決定的に違う些細なこと」を
積み重ねるのです。

私にとっては、
シャキッと背筋を伸ばすことは面倒臭いことですが、
そういった些細な、面倒臭い習慣の数々を
自然とできるようになることを
目指したいと思います。


ズボンの膝の後ろの折り目が無くて
プレゼンに落とされた話しや、
床の間が板だからといって、
キャリーバックをおいてしまう話しなど、

知らなければ恥をかきそうな、
怖い事例の多々載っています。

自分を見直したいと感じた今日の一冊です。


今日のアクセス:310,922


品のある人、品のない人 / 紙一重だけど決定的に違う些細なこと

品のある人、品のない人 / 紙一重だけど決定的に違う些細なこと