中谷彰宏著「なぜあの人は感情の整理がうまいのか」を読んでイヤな気分のコントロール法を覚えましょう。

「怒りを敵と思え」

・・とは、徳川家康の言葉です。

そういえば、
歳をとってから、
あまり怒らなくなりました。

10代や20代の頃は、
自分自身、
どうしてあんなに怒っていたのだろう?
・・と思います。

熱い時代というか、青春というか、
そんな感じです。

歳を取ってあまり怒らなくなった
自分が不思議ですし、

もしかしたら、
やる気が無くなってしまっただけかもしれない。

そんなことを思うと、
少し不思議な気分と、少し残念な気分が入り交じります。


そんな私でも、
時折琴線に触れるというのか、
短気を出して怒ってしまうことがあります。

そして怒ってしまった後は必ず家康の
「怒りを敵と思え」を思い出します。

そして、あ〜失敗した。
・・と凹むのです。


考えてみると、
これまで、怒って良かったことなど
何一つありません。

それは、
戦国時代を生き延びた家康も
きっと同じだったのでしょう。

怒りは大切な盟友を失うだけでなく、
自らを陰謀や謀反の対象としてしまいます。
さらに、戦の場面では間違った判断をしかねません。

家康にとって、
怒りで感情が失われることは、
命を失うことと等しかった筈なのです。


・・という訳で、本日は中谷彰宏さん著の

「なぜあの人は感情の整理がうまいのか」

をご紹介します。

感情の整理といいますと、

怒りや不満、ストレスなどの
ネガティブな気持ちを鎮め整える。

という意味があると思います。

「整理と」いう言葉は他にも、
「捨てる」と言う意味があります。

本書を読んで思ったのは、
ネガティブな感情は鎮めるようとするよりも、
捨ててしまったほうが良いのでは無いか。
という事です。

本書では例えば、

 ・クヨクヨは心の川に流す。

という章があります。

心の中で左から右に小川が流れており、
落ちた紅葉が流れているシーンを想像します。

そして、葉っぱの上にイヤな気持ちを
乗せ、紅葉が流れる様子を想像するのです。

このような感じで、
いやな気持ちが流れていくように工夫します。
景色も葉っぱの種類もなんでも構いません。

自分の心の中に、
イヤな気分を捨てる仕組みを作るのです。

イヤな気持ちは、捨てる前に
持たないようにする方法もあります。
例えば、
 
 ・しんどいことの全ては、他人毎のように考える。

と云う方法です。

自分のイヤな気分を、
「わたし」と「あなた」という二人称で考えてみます。
そうすると、
「わたし」のイヤなことは
「あなた」のイヤなことになります。

自分を客観視するとか幽体離脱したように見ると
良いなどと云われますが、

自分を他人と思って考えると確かに悩みは半減します。


本書では仕事面の上で生じるイヤな感情の整理方法も
沢山紹介されています。
例えば、

 ・仕事用のキャラを本当の自分以外に持つ。
 ・上司にも上司がいることを知る。
 ・叱られてない人は、叱られている人が、うらやましい。
 ・叱られたあと、優しくなる。
 ・・・etc.

若いときに悩んでいたことが、
歳をとるとなんてことない、その通りだ。
・・と感じる事が多々あります。

どんなに怖い部長さんでも、
その上司の本部長さんに叱られていたりするのですが、
そういった事を知るだけで、

少なくとも会社の中で生じる
ストレスやネガティブな感情が消えるというか、
私の場合、殆ど生まれなくなりました。

そういえば、
叱られているうちが華ということもあり、
歳を取って叱られなくなると、
急に成長も止まった気分になります。


他にも本書からは、
「頭が真っ白になる」とは、
緊急時に生き延びるための人間の本能である。
といった知識も得ることができます。

緊急時に色々な事を考えるようでは、
気持ちに迷いが生じ、行動が遅くなります。

我々の脳は、
生き物の進化の過程において、
ありとあらゆる自然界の危険から
生き延びて来たわけですから、
自分の脳や体をもっと信じてよいの
かもしれません。


本書はこのように、
様々な気分・感情の整理の仕方について
述べられる一冊です。

文字数も少なく、話の例も簡単で大変読みやすく、

どちらかと云えば、20代や30代前半の
若い人向けの一冊と感じました。

イヤな気分を感じる事が多い方は、
一度手にとってみてください。



 
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