中谷彰宏著「安倍晴明に学ぶ33の魔術」を読みました。

本日は陰陽師安倍晴明に関する本を
ご紹介します。

陰陽師といえば、10年ほど前に、
野村萬斎さん主演映画が話題になりました。

私もそうなのですが、多くの方が、
謎の魔術師といった印象を
持っているかと思います。

少し調べてみると、
陰陽師平安時代頃の内務省の技術系の
官職の一つなのだそうです。

主に天文や暦、地理などを担当しており、
安倍晴明陰陽師で培った計算力を生かして、
後に「主計権助」という役職についています。

今時の財務省のそれなりの役職のひと
ということになるかと思います。

手で☆の形を切り、怪しい魔術や占いを行う
我々のイメージとはちょっと違いますね。

意外です。


・・という訳で本日は中谷彰宏さん著

安倍晴明に学ぶ33の魔術」

をご紹介します。


本書はてっきり映画「陰陽師」の頃の
本かと思いきや、
映画が2001年で、本書は2003年に出版
ということで、映画の流行とは
関係ないようです。

中谷彰宏さんの本は良く読むのですが、
本書のタイトルは少し異彩です。

陰陽師を解説した内容かと思った
のですが、
やはり中谷彰宏さんの本ですので、
普通の陰陽師を解説した本とは違いまして、
私が最初に書いたような解説はありませんでした。

本書を読んで感じるのは、
現在の日本でも良く分からない習慣は、
陰陽道に関連したものが、多々あるということです。

例えば干支です。

何気に今年は何年と言いながら、
私たちは普通に会話をしていますが、

これは、木火土金水という5行、十干 十二支を
組み合わせた占いがルーツです。

そして、
この先に書かれる事が中谷流なのですが、

占いとは究極は自己分析である。
という考え方です。

今時の言葉で言えば「自分探し」です。

つまり自分とは何者か悩み考えることが
陰陽道の思考の一種だというわけです。

例えば仕事を選ぶということがあります。
そのとき、「自分探し」から入ると
失敗するといいます。

仕事でも恋人でも、
まずはやってみて、付き合ってみて、
少し違うと、ズレを感じることが大切です。

そのズレを転職や次の恋人を見つけるときに
少しずつ埋めていくのです。

どんなに考えても、
どこへ旅に言っても、
仕事をしてみないと、相手と付き合ってみないと
本当の自分は解らないのです。

そして、最初から上手くいったら、
こんなもんか。
・・と本当の自分に気付きません。

ですから、この仕事は違う。
とかこの相手のココはいいけど、ココはダメとか・・
上手く行かないときがつまり「自分探し」を
しているときです。

これがつまり陰陽師に繋がる
考え方であると、中谷彰宏さんは言います。


もうひとつ印象深い考え方をご紹介します。

案外気付かないことですが、
世の中には、

 訳のわかるもの。
 訳の分からないもの。

この2つがあるということです。

近代科学は、訳のわかるものばかり肯定し、
学校では、訳のわかるものばかりを教えます。

そうすると究極は、
自分が理解できないこと
(学校で習わなかったこと)は

「ありえない」

という発想になります。

興味本位の心霊現象や超常現象だけでなく、
自分が夢や希望を持ち、
大成功したり、スターになったりすることも
理解できなければ、

「ありえない」

となるのです。

教育は子供の限界を外すためにあるのに、

偏差値が幾らだからこの学校。

というように、
学校教育が子供の限界を決めてしまっています。


陰陽師とは、

 訳のわかるもの。
 訳の分からないもの。

のどちらとも会話できる人でした。




安倍晴明の時代の京都も、
外国人や地方から人や物が集まってきました。

当時は、
それらが「訳の分からないもの」
として、貴族に怖れられていたのです。

陰陽師は訳の分からない人と交流を持ち、
訳の分からない物の知識をもっていたのです。

つまり沢山の情報を得ていたのです。


様々な人との交わりが富を築く。

といった話しが多くの成功本に
書かれていますが、
こうした思考も陰陽師なのです。


そういった意味では私たちは、

テレビに突っ込みを入れたり、
ペットに話しかけたりしますが、
相手の見えない電話で頭を下げたりしますが、

それもまた、

訳の分からないものと会話する
という意味では、
陰陽師と変わりありません。


 外国人からみたら、
 日本人はみんなミステリアスです。


・・と本書の最後に書かれる
言葉が印象的ですが、

その一つの理由は、
未だ日本の至る処に陰陽師の思想が
生きているからだと感じた
今日の一冊です。




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