「思い出のマーニー」を観てきました。後半が勝負の映画と思いました。

大変久しぶりの書き込みになりますが、
・・そんなことはさておき、淡々と始めます。(汗)

今日はスタジオジブリ映画「思い出のマーニー」を
観てきましたのでコメントします。

さて、
ジブリ映画といえば、
宮崎監督と高畑監督以外は、
ジブリと思っていない人も多いと思うのですが、
かくいう私もその一人です。(大汗)

映画「思い出のマーニー」も、
なんとなく事前の宣伝が”パッ”としない気がしますし、
百合映画(つまりレズ系?)というイマイチな評判も
聞こえてきます。※

※映画を観た後でWikiをみて知ったのですが、
 ボツとなったキャッチコピーの中には、
 「ふたりだけの禁じられた遊び」や
 「ふたりだけのいけないこと」
 ・・などがあったそうです。
 大人の想像力では確かに危ない雰囲気です。

 しかし同時に、
 原作はイギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンの
 児童文学作品ということも知りました。
 見終わった感想ですが、児童文学というには、
 難しいストーリのような気もしました。

映画を観る前は、
このような気分でしたので、
チケット代の1,800円は普段以上に勇気がいります。
(しかも、私の場合は普段レイトショーなので・・。汗)


早速映画をみた感想ですが、
盛り上がりの重心が、
超後半に寄りすぎているように感じました。

実は同じ日に「アナと雪の女王(2回目)」も観たのですが、
アナ雪の場合は、「Let it go」の場面など、
話しの前半から話しが盛り上がり、飽きさせません。

それに対し「思い出のマーニー」は、
前半は、マーニーの登場シーン等が特に意味不明なまま、
やもすると、かったるい雰囲気でストーリーが流れていきます。

主人公である12歳の少女、杏奈の心の動きを、
大の大人が集まって頑張ってアニメ化しているのか。?
原作が児童文学とも知らないので、
余計なことも考えたりしながら映画を観ます。

そんな訳ですから、つまらないことが気になります。

例えば、登場人物、特に主人公の絵が雑な気がします。
(背景画はジブリクオリティーだったと思う。)
それに、登場人物と声がミスマッチです。

主人公の二人は気にならなかったのですが、
特に主人公の母親役が松嶋菜々子さんでして、
アニメ上の濃淡の無い絵的なおばさんと、
若くて綺麗な松嶋さんのイメージが合わないわけです。

他にも黒木瞳さんなど特徴的な声の女優さんが
登場するのですが、彼女もちょっと役に会わない
気がしました。
(もちろん黒木さんの声は、甘い良い声だと思います。)

即ち、
アニメとはいえ、顔かたちや年齢と声が合っていないと、
イマイチ感が募る物だと感じました。

他にも主人公が良く寝たり、気絶していたり
するところが気になります。
主人公の夢の中ののストーリーが中心ですので、
これは仕方ないと云えば仕方ないですが・・。


一方、ジブリ映画らしいところもあります。
宮崎監督がタッチしていないという割りには、
ポニョというか、「風立ちぬ」の堀越加代(主人公の妹)、
とよく似た人物が、堂々と映画に登場するわけです。


・・・と、こんな事を考えながら映画は進んで行きます。


舞台は北海道の湿原です。
主人公杏奈は、札幌育ちなのですが、
喘息のため、夏休みの間、療養のため、
湿原の街に住む親戚のうちに泊まりに行ったのでした。

スクリーンに広がる美しい光景を観ると、
私も新鮮な空気を吸って、
日々のストレスから解放されるような、
心の気持ちよさがこの映画にはあります。
(アナ雪はCGが綺麗すぎて、ストレス開放感は感じません。
それにしても、同じアニメですが対極的な絵の作り方と思います。)

そして映画の途中、少しずつ、
ストーリの鍵となるヒントが少しずつ表現されていきます。

とある回想シーンでは、
小さな主人公と思われる女の子が、
金髪の人形を持っています。

私はてっきりその人形がマーニーに違いないと確信し、
暫く映画をみていたのですが、、、、
違いました。(汗)

また、舞台となる湿原の街のお祭りに参加するシーンでは、
主人公が地元の女の子に、貴方の瞳はブルーね。と云われます。

何を意味しているのか、暫く分からなかったのですが、
つまり、青い目の血が混じっているということだったのです。

映画でもマーニーは私の想像の少女。
と主人公が云うシーンがあります。

主人公は、幼い頃両親を失い、
もらわれた子供の心の葛藤が表現された映画というのが
一つの見方と思いました。

お金(児童福祉手当?)をもらいながら育ててもらっている。
という主人公杏奈に対し、
親は年に数回しか帰ってこなくて、怖いばあやや
メイドにいじめられる毎日のマーニーは、
主人公杏奈の自由な生活が羨ましいと云います。

結局マーニーは、主人公の何かしらの、
心では割り切れない、理性の声。
(に違いない。)
難しいなぁ〜。とおもったのですが、
しかし映画はもっと深く、

最後の最後にマーニーの謎が明かされます。


湿原で知り合いになった、
キャンパスに絵を描く婦人(声黒木瞳さん)は、
マーニーと友達でした。
彼女からマーニーの悲しい物語を聴きます。

主人公は本当の事に気づいてなさそうな演出でしたが、
観客のたいていの人はココで謎が解けると思います。

つまりマーニーは主人公の心の中の人物なのですが、
しかし一方では、実在の人物だったわけです。


映画館では、ジブリ映画と云うこともあり、
かなり子供連れもいたのですが、
この映画は子供には難しい映画と思いました。

確かに、映画通が良かった。
と言うだけのことはあると思いました。

「深いです」。。


個人的に想うのは、
ただジブリの看板はいらなくて、
普通のアニメ映画だったらもっと評価が高まって
いたのではないかと思いました。
ブランドを背負うのも難しいですね。


映画サイト
映画『思い出のマーニー』公式サイト


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