大泉洋主演「ぶどうのなみだ」はブドウ作りに情熱を注ぐ男が、不思議な女に出逢って心を開いていく物語です。

会社の代休が取れましたので、
珍しく平日に映画館に行きました。

平日のお昼に、
どれ位の人が映画館にいるのかと、
少し興味深かったのですが、
案外普通の大人達がいるのです。

きっと私と同じように、
週末仕事をした代わりの代休なのだと思いました。


・・というわけで本日は大泉洋さん主演映画

 「ぶとうのなみだ」

をご紹介します。

いくつか観たい映画があったのですが、
平日の日中ということで、
「のどかな」そして「ゆるそうな」
雰囲気の映画を選んでみました。

もちろん!
予告編でみた情報が頼りです。

北海道の田舎でワイン用のブドウの栽培をする、
大泉洋さん演じる主人公と、
そのブドウ畑に突然現れた謎の女性を演じる、
安藤裕子さんの物語です。

きっと、
ブドウ作りに情熱をかける男の所に、
綺麗な女性がやってきて、
あれこれあって恋に落ち、
最後はめでたし・めでたし。

そんな映画と予想しました。(笑)


実際の映画では、
全く説明が無くても、
北海道とわかる広大な綺麗な景色の中で、
大きな立派な家が一軒あり、

主人公の大泉洋さんと
弟役の染谷将太さんの二人が、
父から引き継いだ畑で農業をしています。

兄はブドウをつくり、
弟は麦を作っています。

そんな静かな暮らしの中、ある日突然、
キャンピングカーで謎の女性がやってきて、
兄弟の畑の上に住み着き謎の穴を掘り始めます。

ブドウは敏感なんだ。
こんな所で穴を掘るのは止めてくれないか。
と彼女に云うのですが、

ココはあなたの土地じゃないでしょ。
・・と言うことを聞く様子もありません。

おまわりさんを呼んでみるものの、
穴掘りを止めてくれる筈のおまわりさんは、
彼女と仲良くなって、宴会を始めてしまいます。

しかも翌日、
おまわりさんが近所の友達を呼んで仲間が増え、
ついに弟までも彼女の友達の輪に入っているのです。

・・と公開中の映画ですので、
ストーリーはコレぐらいにしましょう。


私がこの映画を観たいと思った理由は、
私がブドウを食べるのが好きだからです。
(ワインが好きなわけではありません。笑)

実家で父が何本かブドウの木を植えており、
小さい頃から馴染みある果物です。

ですので、大泉洋さんが、
ブドウを木から取る際に、
引っ張って枝を傷つけていたカットが
気になりましたが、

細かな事はさておき、
ブドウ作りのどんな苦労の物語なのかと
思いながら映画を観ました。


しかし映画では、
ブドウを作る苦労というよりは、
大泉洋さんと、彼を取り巻くひとたちに
に印象が残りました。

自らの病気(突発性難聴)のせいで、
音楽の夢を捨て、実家に戻り、
突然ワイン造りを始めた
大泉洋さん演じる兄と、

一度も実家から離れず農業を続ける弟。

年が離れれているということもあり、
一見仲良く見える兄弟ですが、
弟は兄に対し、複雑な感情をもって
いることが映画の後半でわかります。

そして突然現れた謎の女性です。

ブドウ作りに頑なに生きている男は、
不思議な彼女との出会いによって、
少しずつ心が開いていくのです。

映画のポイントとなるのは、
安藤裕子さん演じる謎の女性です。

魅力的というよりも、
ただただ、不思議系な女性です。

彼女は、アンモナイトの化石を探すために
あちらこちら旅をして穴を掘っているのですが、
(そんな人が実在するとはおもえないのですが)

彼女の適当さ、ゆるさ加減が、
主人公の心を溶かし、開いていく。
私の頭ではこの程度の解釈しかできません。


映画は不思議な設定が多々あるのですが、
たとえば、衣装です。

もちろん、架空の設定なのでしょうが、
洋服は古いヨーロッパ的なものを感じ、
ちぐはぐな印象を持ちました。
(細かな話しをすれば、大泉洋さんの運転
する軽自動車のナンバーもへんでした。)

もちろんこんな人達は、
日本中の何処にも居ないと思います。(笑)


映画では、土の臭いが取れない。
と主人公がブドウ作りに苦労し、
土を食べるシーンや、

出来が悪く、せっかく作ったワインを
タルをひっくり返すシーンなど、
とても心に残りますが、

登場人物達のへんな設定は、
真面目な主役の設定を中和する
ためのものなのでしょうか。

また、綺麗な大人の女性が、
土にねっころがっているシーンなど、
個人的に違和感があったのですが、
その彼女に、

「土は生き物の活動の結果なんだよ」

といわせます。
先日ご紹介した「自然栽培の本」にも同じ
話しがあり、
このセリフも印象的だったのですが、。

つまり、
不思議な女性が大きな穴をほって、
そこで、主人公の大切なブドウの根を発見する。

たいせつな伏線ですが、
本当は良く出来ている脚本だったのではないかと、
ブログを書きながら感じています。


さて、
映画のホームページをみると、
お客さんの感想が紹介されています。

『ぶどうのなみだ』のレビュー | Buzzes(バジズ)
↑感想のページ

私のつたない文章の代わりに
読んで頂ければと思うのですが、

この感想を読みますと、
なんとなく、
女性の方々には映画の良さが
しっかり伝わっているように感じます。


そんな映画「ぶどうのなみだ」の
監督・脚本は三島 有紀子さんという女性の方です。

前作「しあわせのパン」に続き2作目で、
北海道企画も大泉洋さんも
「しあわせのパン」に続き2作目です。

http://shiawase-pan.asmik-ace.co.jp/index.html
↑「しあわせのパン」HP
「しあわせのパン」を見てきました。 - つれづれなるまゝに、日ぐらしMacに向かいて・・・
↑「しあわせのパン」の感想

ただ今回の大泉さんは「探偵はBarにいる
のような面白キャラとは全く違った演出です。

「(実家に)帰って来てから一度も笑ったことがない」

というセリフも印象的ですが、
顔も髪型も、大泉さんそのものですが、
映画では、実に堅い人物に演じています。
外見は同じですが中身が別人のようです。

でもこの映画が成立するのは、
面白キャラの大泉さんが、
堅い演出で登場するからなのでは
ないかと思います。

最後に若干余談ですが、
映画に登場する料理は本当においしそうでした。
染谷将太さんが焼いていたパンなど、
本当に食べたいと思いった今日の一本です。


ぶどうのなみだ | アスミック・エース
↑映画HP


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