ジェームス・スチュアート主演「素晴らしき哉、人生! 」は、クリスマスに観る定番映画なのだそうです。

お正月に何本か旧作映画を見ましたので、
簡単にご紹介します。

2015年最初に見た映画は、
な・なんと!
アメリカ映画協会が選んだ、

アメリカ映画で最も感動した映画ランキング第一位

 「素晴らしき哉、人生!

です。

参考URL
American Film Institute
アメリカ映画協会
Wikiで"感動の映画ベスト100"と検索しても出てきます。

こんなランキングがあることを昨年知ったのですが、
その第一位がどれくらい感動するのか?
俄然興味がわいてきます。

ちなみに、
2位は「アラバマ物語
3位は「シンドラーのリスト

でした。
私はどちらの映画も観たことが無いのですが、
このリストを参考にしながら、古い映画を観て、
勉強していきたいと思います。


さて「素晴らしき哉、人生! 」ですが、
1946年のアメリカ映画で、
監督はフランク・キャプラ
主演はジェームス・スチュアートです。

フランク・キャプラ監督は、
戦前にアカデミー監督賞を3度も受賞した名監督で、
戦後に自身の集大成として自信をもって発表したのが、
この映画「素晴らしき哉、人生! 」でした。

しかし映画は興行的には失敗で、
監督は自信と映画製作意欲を失ってしまったそうです。

そして主演のジェームス・スチュアートは、
誠実な人柄で、アメリカの「良心」といわれる
俳優さんなのだそうです。
名前は知っていますが、昔の俳優さんなので、
正直ピンとはきません。

映画は最初に夜空の星のつぶやきで始まります。
それは天使の会話です。
何年経っても天使になれない、二級天使が、
いま将にある男(主人公)を助けようと
地上に降り立ってくる所でした。

もうすぐ大学を卒業しようとする主人公は、
田舎町を出て都会で建築を志しています。
卒業旅行で世界一周旅行へ旅立とうとするのですが、
突然父が倒れます。

子供の頃からの夢であった世界一周旅行を取りやめ、
父が経営していた不動産融資会社を、
どうにか仕切り、落ち着かせあとは他の人に
任せようとするのですが、株主から信頼され
逆に社長に推薦されます。

大事な父の会社を守るため、
都会で仕事をする夢を諦め、弟が大学を卒業したら
ついでもらうつもりで、社長に就任します。

しかし、そんな弟は大学卒業と同時に
同級生の彼女の親に気に入られ、
結婚と同時に婿入りするというのです。

そんな可愛そうな主人公でしたが、
幼なじみのとても美しい女性と恋に落ちます。

女性の親は、田舎で小さな会社を経営する
主人公よりも、もっと立派な男に嫁がせたいと、
婚約者候補を決めていました。

しかし二人は結婚するのです。
結婚式が終わり、
車に乗って新婚旅行にに行くために、
駅に向かおうとしたとことで、
街の様子がおかしな事に気付きます。

突如、世界恐慌の嵐が吹き荒れ、
銀行の取り付け騒ぎが起きたのでした。
そして彼の不動産融資会社にも、
人々が押しかけます。

彼の事業は、街の人々からお金を集め、
不動産ローンとして街の人達に融資していたのです。

お金を返して欲しい。と彼に迫ります。

もちろん当座のお金は無かったのですが、
奥さんが新婚旅行に用意していたお金を差し出しました。

街の人々には、最低限の生活資金だけ。
という協力を得て少しづつ返金し急場を凌ぐことにしたのです。

そうして恐慌のとりつけ騒ぎも落ち着き、
主人公の献身的な努力のおかげで、
貧しい人達は、アパート暮らしから抜け出し、
郊外の一軒家を持つことができるように成っていきました。

主人公もいつしか、子供が3人もうまれ、
慎ましくも幸せな毎日を過ごします。


しかし、彼を快く思わないのが、
銀行家であり街一番のお金持ちです。
銀行家は不動産業として街の人達に賃貸アパートを
貸していたのです。

時には彼を潰そうと邪魔をし、
時には彼を取り込もうと高給で雇おうとします。

慎ましい暮らしをする主人公は心が揺らぐのですが、
それでも彼は街の人達のために独立を守ろうとします。


そんなある年のクリスマスイブです。
お店のレジのお金を銀行に預けようとした、
副社長を努めるおじさんが、
銀行でお金を紛失してしまいます。

さらに運が悪いことに、
ちょうどその時、監査の役人が来ていました。
そのお金が無ければ、彼は使い込みをした罪にも
問われてしまいます。

途方に暮れた彼は、
酒を飲み車を走らせ、木にあたって事故ります。
唯一残ったのは生命保険です。

そして人生なんて仕方ない。
自分など居ても仕方ない。

橋から身を投げ、自殺しようとするのです。

そして、そこからが物語が始まります。
二級天使が彼を助けるためにやってきたのです。

しかし、その天使は羽の生えた可愛らしい子供ではなく、
羽がない、ちょっとぷっくらとしたおじさんでした。

自分など居ても仕方ない。と思う彼に、

おじさんの姿をした天使は、
彼の居ない別の世界をみせていくのです。

そして、主人公がどれだけ世の中のためにたっているか。
さらに、人は存在するだけでも、大きな価値があることに
気付かせるのです。

・・とストーリーはコレぐらいにしまして、
最後は超ハッピーエンドで終わります。

映画を見て感じるのは、
全体的なストーリーの流れで感動するというよりは、
至る処に散りばめられた感動するシーンが素晴らしい事です。

一方、昔の映画なので画面は白黒です。
音はあまり違和感を感じませんでしたが、
古いという感じは否めません。

そこで思うのは、
後の数多くの映画やドラマが、
この映画を参考に、感動シーンを作ったのではないか。
ということです。

どにかく沢山のアイディアが詰まっているのです。

正直なところ、
この映画がアメリカ映画協会のナンバーワンなの?
と感じたりもするのですが、それは、後に作られた
様々な映画の完成度が高くなってしまったからだと感じました。

Wikiの解説によれば、
1970年頃に、映画がパブリックドメイン著作権切れ)
となり、テレビで放映されるようになると、
この映画が見直され、今はクリスマスにこの映画が
流されるのは定番と成っているそうです。

==Wikiより==
アメリカでは不朽の名作として毎年末にTV放映されることから、
それまでキャプラを知らなかった若い世代から再評価され、
今ではクリスマスにこの映画が流れるのは定番となり、
アメリカで最も親しまれた作品としてよく知られる映画である。
==ここまで==


映画の途中まではクリスマスに見るのは辛い印象ですが、
最後のハッピーエンドまで見ると、
クリスマスにピッタリな映画という気もします。


今年のクリスマスでは再度この映画を観て、
何かを感じてみたいと思った今日の一本です。


追伸)
 奥さん役を演じるドナ・リードさんがとても綺麗です。
 そういった楽しみ方もあるのではないかと思いました。




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