フィリップ・ノワレ、サルヴァトーレ・カシオ主演「ニュー・シネマ・パラダイス」は初めに2時間版を観てください。

お正月に何本か旧作映画を見ましたので、
簡単にご紹介します。
今日はその第三回目(最終回)です。

フィリップ・ノワレ 、サルヴァトーレ・カシオ両主演
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の不朽の名作

ニュー・シネマ・パラダイス

をご紹介します。

有名な映画は、その後必ずテレビ放送されます。
ですから、映画館で見逃しても、
わざわざレンタルビデオでみなくても、
有名映画は大概観ているものです。
(とばいえ私の場合はテレビが無いので、
21世紀の映画はかなり見落としがあるのですが、、)

「ニューシネマ・パラダイス」は、
1988年イタリア映画で、日本公開は翌1989年12月です。

カンヌ国際映画祭審査員特別賞
アカデミー外国語映画賞

を受賞するこの作品は、

主役のかわいい子供と個性的なおじさん、
そして教会の鐘から石畳の町並みに流れる映像。
そして当時の日本では、
フジテレビが力を入れて後押ししており、
何度もTVで予告編を見ました。

Wikiによれば、
==
200数席ほどのシネスイッチ銀座において、
40週におよぶ連続上映を行った。
さほど大きくないこの劇場において、
動員数約27万人、売上げ3億6900万円という驚くべき興行成績を収めた。
この記録は、単一映画館における興行成績としては、
2012年現在においても未だ破られていない。
==
とのことで、興行的にも偉大な映画です。

そして、誰もが聞いたことがあるこのBGMが、
最高にこの映画を盛り上げてくれます。


↑予告編です。音楽も聴いてみてください。

・・などとココまで書いておきながら、
そんな有名映画を実は一度も観たことがありませんでした。

どんなストーリーかもよく知らず、
知っていたのは、映画好きな少年が出てくる映画で、
そして映画好きにはたまらない映画。
その程度の情報しか持っていません。

それは、
いつか必ず観ようと思いながらも、
あえて観ずに、
(大した理由はありませんが)
大切に封印していた映画でした。

しかし、映画好きの知り合いに、
この映画のすばらしさを聞いてしまった訳です。
観なければ成らなくなりました。

映画のストーリーですが、
(あえてココで書くまでもないのですが)

イタリアのシチリアの田舎街にある映画館が舞台です。
映画が大好な少年(トト)は、
幾度となく映画館に潜り込み、
そしてつまみ出されるのですが、
ついには映写技師(アルフレード)と友達になり、
映写機の使い方を教わるわけです。

そんなある日、映画館は火事になり、
映写技師はどうにか一命をとりとめるものの、
目が見えなくなってしまいます。

街で唯一の娯楽施設であった映画館は、
ニューシネマ・パラダイスとしてどうにか
再建するのですが、映写技師がおりません。

幼いトトが映写技師として働き、
街に映画館を復活させます。

・・とここまではなんとなく、
予想通りというか、この程度の映画なの?
という感じです。

高校性となったトトは、映画カメラを手に入れ、
日常の様々な場面を撮影するようになります。
そんなとき、銀行家を父に持つ美女が転校して
来ました。

そして彼女と恋に落ちます。

しかしその後トトは、
手続きミスで軍に招集されてしまいます。
※戦後もイタリアは召集令状があったのですね。

そしてその間、
彼女との連絡が途絶えてしまいます。
軍隊から戻ったトトでしたが、
映画館は知らない男が映写技師として雇われ、
居場所がありません。

アルフレード
「若いのだから街を出て道を探せ、そして帰って来てはいけない」
と言われます。

彼の言うとおりトトは街を出て、
そして30年一度も帰ることはありませんでした。
しかし30年の時間は、トトを有名な映画監督に育てました。

アルフレードが亡くなり、
初めて彼の言葉を破って故郷に帰ります。
そして、30年ぶりに昔の彼女と出会うのです。

・・・
身分が違う若い男女の恋愛で、
突然連絡が取れなくなってしまうのは定番パターンだな。
などと思いつつ、相変わらず感動がありません。


しかしこの映画で大切なのは、
30年ぶりに昔の彼女と会うところからでしょう。

若干ストーカーのようにして
彼女の家をつきとめ、会いたいと電話しするのです。

もちろん「昔とは違う終わったこと」と一度は断る
彼女でしたが、
結局トト(この頃はサルヴァトーレ)と会い、
そして結ばれるのでした。

何度も繰り返し観た映画のTVCMの、
子供とおじさんからは予想もつかない、
大人のラブストーリの展開です。
もちろん、俄然興味がわいてきます。


そしてアルフレードの葬儀が終わり、
トトはアルフレードからの形見をもらうのです。
それはフィルムでした。
試写室で上映されてフィルムは、

かつて映写禁止となっていた、
ラブシーンを繋げた物だったのです。

このシーンが昔の超有名映画の編集ということは、
私も知っていましたが、
(故に映画好きのための映画であると云われる事も)
知っている映画は全くありません。

Wikiにこの映画のリストが出ているのですが、
(わかる人にはわかるのだなと感心です。凄い!)
中には一昨日観たばかりの「素晴らしき哉、人生!
もありました。(凹)

最後にトトは、
昔の彼女に電話をかけ、
「30年の空白はこの為にあったんだ。また会いたい。」
というのですが、
「あれで終わったのよ。」と言われてしまいます。
それでもトトは、「僕はそうは思わない」

・・でこの映画は終わっています。

なんとも中途半端な終わり方で、
この最も大切な部分の解釈が難しいです。

観た人それぞれの解釈が出来る余地を残しており、
ニューシネマ・パラダイスが名作となった大きな
理由の一つなのですが、
答えが気になります。

ネットで色々調べてみると、
さらに別の事も事が分かりました。

例えば、
トトがイタリアに行くとき、
アルフレードがもう街に戻ってきてはいけない。
というのですが、
トトが好きな彼女が別の男と結婚したことを
トトに知られないがための、優しさだ。
という解釈です。

なんだそうなんだ。
・・と今ブログを書きながら思っているのですが、
実に情けないです。

・・というか、この映画は繰り返し観ている
ファンが多くそういった方の解釈です。

また、昔の恋人と再会するシーンは、
2時間の上映版にはなく、
3時間の完全版にあるシーンなのだそうです。

恋人との再会シーンがこの映画を悪くしたので、
絶対2時間版が良いという人もいる位でした。

しかし、それではトトが田舎から出て行き、
30年も戻らない理由が分からないのでは。
という意見もありました。

つまり、この映画は、
最初に2時間版をみてから、3時間版を観るのが
良いそうです。
私は完全版が良いとおもって、3時間版をみて
しまいました。

あえて封印していた映画には、
こんな絡繰りがあったことを今更知ったわけです。

という訳で、これから観る人は、
最初に2時間版をみて、2回目に3時間版を観てください。!


というわけで、旧作紹介は終わります。
それではまた夏休み!

追伸1)
主役のトト役の子供ですが、以来映画にはでておらず、
現在はスーパ(一説にはレストラン兼旅館)を経営してる
そうです。
日立不思議発見など、なんどか日本のテレビにも出演
しているそうです。

追伸2)
映画の中で有名なセリフである、
兵士が王女に恋をして、100日待ったら叶えてあげるといわれ、
兵士は雨の日も風の日も、99日待ち、
そして100日目に待つのを止めた話しがあります。
ネットで調べると、この解釈も様々です。
あたなはどう思われますか?



今日のアクセス:300,547(1/24)