リリー・ジェームズ主演「シンデレラ」を観てきました。(後編)

さて、
今日も引き続き、リリー・ジェームスさん主演映画

 「シンデレラ」

をご紹介します。

昨日は、シンデレラが舞踏会で王子様に見初められる所まで書きました。

誰もがご存じの通り、
楽しい時間は瞬く間に過ぎ去ってしまうものです。
12時の時計の鐘の声を聞き、
慌て、逃げるようにシンデレラはお城から帰っていきます。

無事にお城を抜け出すも、
魔法が解け、馬車は壊れ、動物たちも元に戻っていきます。
そして途中で雨が降ってくる中、友達のネズミたちと共に家に帰ります。

この時のシンデレラは、
お后になれる訳では無いけれど、
良い思い出が出来た。位の気持ちです。
この割り切り具合が私は好きです。

ところで今でも良く分からないのですが、
この時代、
深夜12時というのは結構な時間ではないかと思うのですが、
舞踏会というのは、そんなに夜遅くまで開かれていた物なのでしょうか。

シンデレラが家に付いた後で、継母と二人の姉たちも帰ってきます。
きっと夜中の1時過ぎだと思うのです。


もともと、この舞踏会は、
王子様は隣国の王女と結婚させたいがために、
仕組まれたイベントでもありました。

この手の物語としては、定番ですが、
王子様の国は、弱小王国で強い国の王女と政略結婚することが
望まれたわけです。

その政略結婚を画策する大公(大臣のような人)がおり、
一方では、王子の忠実な部下である大尉は、
シンデレラを探し結婚を勧めます。

病弱な父親は、一人息子の幸せを考え、
死ぬ間際に、自分の好きな人と結婚すればよい。
と云い去っていきます。

この父親(つまり王)がまた良い感じで、
このシーンもとても共感できます。

しかし、アニメ版ではこの話しも無くて、
舞踏会でシンデレラと踊る王子を観て、
父親と大臣は喜んでいます。
なんというか、ギャクマンガ的な演出です。

その後でシンデレラを捜すお触れが出て、
お城にはガラスの靴を履こうとする女性達が
長蛇の列を作ります。

もちろんその中にシンデレラは居らず、
今度はガラスの靴を持って、
大公と大尉が軍隊を連れて、
国中の女性に靴を履かせ、
シンデレラを捜し回るのです。

何となく、どこかで観たことのあるシーンなのですが、
このシーンもアニメ版にはありません。
実に不思議です。

しかし、実写版ではこれらのシーンに比べ、
新しいシーンが加えられていまして、
なんと継母がエラがシンデレラで有ることを突き詰め、
床下に隠していたガラスの靴を発見し、
シンデレラの目の前でガラスの靴を柱にたたきつけ、
靴が粉々に割れてしまうのです。

ガラスなので割れそうな気もしますが、
その程度の強度のものが靴になるなんて、
・・と理系男子(私)は思うのです。

そのあと鍵をかけて、屋根裏部屋に閉じ込めます。

さらに継母は大公に、
娘がシンデレラであることを告げ、
発見出来ないように裏取引をしようとします。
隣国と政略結婚させたい大公と継母の利害が一致
するのです。
こういったあたり、
既にお子様向けアニメではありません。

捜索隊がシンデレラの家を訊ねてきたとき、

アニメ版は、ネズミが鍵を開けてくれるのですが、
実写版では、屋根裏から届く歌声に、
隠された女性がいることに大尉が気付きます。

という訳で、シンデレラが発見され、
王子と再開するのです。

シンデレラが家を出るときに、
継母に、許すわ。と告げます。
めでたしめでたしです。


映画を見終わってみれば、

シンデレラを演ずるリリー・ジェームズさんは
たいそうお綺麗に思えます。
ハリウッド映画ではオーディションで役が選ばれる
ことが多いと云いますが、
シンデレラですから、スタッフが地球の裏側まで
探しに行く位のことはしたと思います。
そして、選ばれたのが彼女です。

・・と思ったのですが、

実は、リリージェームスさんは最初、
二人の意地悪な姉のオーディションに参加して、
せっかくなので、シンデレラのオーディション
にも参加したら。と言われて参加してこの大役を
仕留めたとのことです。


参考記事&出典
http://prestige.smt.docomo.ne.jp/article/6492

へぇ〜。ですね。

そんなリリー・ジェームスさんですが、
wikiをみても情報が少なく、
正真正銘のシンデレラのようです。

ところで、今時、
日本でリリーといえば、リリー・フランキーさんですが、
リリー・ジェームスさんと知り、
なんとも男らしい名前かと思ったのですが、
リリーというのは、本来は女性の名前なのでしょうか。。

さて、
最後に考えてみたいのは、
この古くから伝わるシンデレラの物語というのは、何か?
という事です。

超子供的な発想から大人的な発想まで任意に並べてみると、

 ・いじめられても明るく前向きに過ごす。
 (生き方・道徳的な世界観を表現。)

 ・魔法で変身して、舞踏会に参加できる。
 (頑張れば夢が叶う的な世界を、ファンタジーで表現。)

 ・一目で王子様に見初められる。
 (シンデレラがハンパ無い美人である。)

 ・王子様に見初められても自分から出て行かない。
 (控えめを美徳とする世界観。)

 ・足が小さい。
 (シンデレラは小柄である。)

・・・
他にもシンデレラは、
動物を愛し、誰にでも心優しい人柄に加え、
料理・掃除・裁縫など家事一式ができ、
歌も上手ければ、舞踏会で王子様とダンスが踊れる。
など、沢山の技術を身につけているのです。

これらを総括すると、
人柄が良く、控えめで辛抱強く、道徳に優れ、
家事や踊りや歌の芸にも優れ、
かつ見栄えが良い女性。
ということになりそうです。

こんな人なら、王子様とはいいませんが、
必ず良いところにお嫁に行けそうな気がします。

これを書きながら感じたのは、
実は「シンデレラ」は、

勝手な男性が、理想の女性像描いた物語で、
物語を読んだ子供達は、
憧れのシンデレラを目指してしまうことで、
勝手な男性の、理想の女性に近づく訳です。

つまり、子供向け教育書のようなものでは
無いかと感じました。

辛抱して、お手伝いすればいつかシンデレラ
のようになれますよー。

みたいな。。

そんな事を書いていると、
美しいリリー・ジェームスさんのシンデレラの
話しの後味が悪くなるので、


やはり私は難しいことを考えずに、
純粋に映画「シンデレラ」を楽しみたいと思いました。



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