松田翔太主演「イニシエーション・ラブ」を観てきました。

サラリーマンにして忙しい週末が続いています。
そのため、観たい映画がどんどん終わっていくのです。(汗)

こ、これはいかん。

・・と、
昨日会社を早く切り上げレイトショーの
映画館に足を運びました。


・・・という訳で本日は松田翔太さん主演映画

 「イニシエーション・ラブ

をご紹介します。

「とにかく映画を観よう」

それだけを決めて映画館に行き、
上映時間と映画館のポスターで選びました。

結論からいうと、これが大当たり。!
面白い映画に当たりました。

早速いつものようにストーリーから紹介を
始めたいのですが、
困った事に今回は、
映画のストーリーを語ってはいけないというのです。

このため、ブログが超書きにくいですが、
映画のホームページや予告編にある範囲内で
ご紹介したいと思います。


時は1980年代後半。
時代はバブルへ突中するさなかです。

ですが舞台は静岡。
大学生が主人公ということもあり、
バブル時代とはいえ直球ではありません。

映画は、
A面(Side-A)とB面(Side-B)の
二つのストーリーと構成となっていて、
主人公はどちらも鈴木という若者と、
その彼女である、まゆ子です。

A面、B面というのは、もちろんです。
当時の誰もが当たり前のように使っていた
カセットテープのA面、B面から来ています。
(レコードも、A面、B面と言ってましたが。汗)

映画の最後に解説されていますが、
レンタル屋さんに行って、流行のCD
(80年代後半はまだレコードかも)を借りて、
お気に入りの曲を繋いでベストカセットを作る訳です。

私の場合主に、車や大学の部室・研究室で聴いていましたが、
マイベストカセットを作って、好きな人(殆どの場合女子)に
送るというのも沢山ありました。
なつかしいですね。

映画は1987年頃の話しですが、
この当時大学生ということは、
私よりも3つ4つ位年上の世代です。
すなわち、現在40代後半(50歳前位)で、
サラリーマン的には、いわゆるバブル入社世代です。


その前半のA面では、
大学生の主人公鈴木が、合コンで前田敦子演じる
成岡繭子(まゆ子)と出会います。

A面の主人公鈴木を演じるのは、
亜蘭澄司というクレジットになっていますが、
実在の人物ではなく、
映画業界で、あえてキャストを隠したいときに使う
名前なのだそうです。

映画を観つつ、どこかで観たことのある役者さんと思ったら、
モテキ」などにも出演した、森田甘路さんなのだそうです。

※参考URL(こちらはネタバレ注意です。)
映画イニシエーションラブのキャスト亜蘭澄司の正体は?ネタバレ注意! | わかたけトピックス

鈴木の設定は、オタクっぽい外見で、
理学部数学科の4年生で富士通に内定をもらう優秀な学生です。
合コンでは数合わせのために呼ばれました。

女性陣の中では、前田敦子さん演じるまゆ子が
一番人気な訳ですが、
しつこい男の質問の流れを、鈴木が切ったことで、
まゆ子は鈴木に興味を持ちます。

そしてまゆ子が、
奥手の鈴木にどんどんアプローチをして
二人は恋に落ち、キスシーンがあり、
結ばれるわけです。

この映画は、
冒頭に、映画のストーリをしゃべらないでね。
というクレジットから始まることもあり、
なにかしらどんでん返しがあることは確かです。

ですから、常に疑いの眼差しで映画を観ます。

そもそも、そんなクレジットが無くても、
前田敦子さん級美女が、
理系のオタク系学生を惚れる訳が無く、
後半どんな悪女ぶりを発揮するのかと思いきや、
全くそんなストーリーではありませんでした。


時間があったらご紹介したいと思うのですが、
たまたま最近、
「Sexと恋愛の経済学」という本を読んでおりまして、
どんな内容かというと、

女性が、容姿の悪い男と結婚するには、
(容姿が普通の人と比べて)
幾ら年収が高ければ良いか。

という、結婚や恋愛とお金の、
身も蓋もない哀しいデータを分析したような
内容の本です。


映画中でも出てきますが、
鈴木とまゆ子の外見は、とにかく合いません。
まったく不釣り合いです。

この二人が付き合うなんてありえない。
・・と思いつつ、

哀しいかな映画の鈴木と同じ系統の私は、
複雑な気持ちで映画を観ます。

そして、バブル期の定番。
クリスマスイブに高級ホテルを予約し、
鈴木は痩せる。!と誓うのです。


そして次のシーンでは、
ランニングをする鈴木が現れ、
ここからB面が始まります。

クリスマスプレゼントでまゆ子からもらった
エアジョーダンのシューズが汚れており、
頑張ってダイエットして痩せたんだ。
・・・と思います。

鈴木は都会の就職を蹴って、
地元の企業に勤め始めるのですが、
成績優秀なため、東京への異動を命じられます。

本題とは関係有りませんが、
このシーンでは、
何故か上司が木梨憲武さんです。
ほんの短い時間しか出てこないので、
良いと云えばよいですが、
急に映画が面白い感じになってしまい、
ちょっと??と思いました。

似たようなパターンで、
まゆ子が好きな、当時は流行ったテレビドラマ、
男女7人夏物語」が話題に成りますが、
後に片岡鶴太郎さんと手塚里美さんが夫婦役で登場します。

鶴ちゃんが出てくると、
またこのシーンだけ面白い絵になってしまうのですが、
後で調べて納得したのは、鶴ちゃんと手塚里美さんは、
「男女7人・・」のキャストだった訳です。

このように、いろいろ小技が効いている映画です。


話しがややそれました。(汗)

結局鈴木は、
三浦貴大さん演じる同僚と二人で東京にいき、
まゆ子とは遠距離恋愛となります。
そして、毎週車で静岡に帰るわけです。

私は遠距離恋愛をしたことは無いのですが、
それでも毎週県を越え彼女の家に車で
通っていたことを思い出します。

得てして若者は、お金が無いので、
高速代をケチって下道で行くわけですが、
睡眠時間が削られ、体力的にも厳しい状況に陥ります。
私はそこまででは有りませんが、よくイメージできます。

それでも、鈴木は毎週毎週静岡に帰るのです。

しかし東京では、同じ新人として、
木村文乃さん演じる石丸美弥子と出会います。

前田敦子さんとは対極にある、
一目見ていい女です。

鈴木が、木村文乃さんをみて、
これが東京か。みたいなことを云うのですが、

大いに分かります。(笑)
どうみても、いい女です。

かといって、
もちろん!前田敦子さんの見た目が悪いわけではなく、

ネットの至る処に書かれているのですが、
前田敦子さんのこの映画の雰囲気は、
まさに当時のアイドル歌手のようです。

さらに顔のアップを多用したりして、これでもか。
という位の可愛い演出をしています。

一方木村文乃さんは、
今時(今ですよ)のいい女という感じです。

バブル期の時代設定からして、
もっとワンレグ・ボディコンっぽい雰囲気
でも良さそうですが、あまり古く見えず、
演出を押さえている印象を持ちました。

しかし、
ここでも鈴木は、石丸美弥子に好かれ、
そして半ば強引にホテルに誘われ、
出来てしまうわけです。

まゆ子という彼女の存在を知りつつ、
石丸は鈴木を誘うのです。

ここで映画のタイトルである
「イニシエーションラブ」
の意味が、石丸美弥子のセリフによって
説明されます。

鈴木とまゆ子の恋は、
大人の恋に至る前の、イニシエーション。
即ち通過儀礼のようなものだ。

だから、
まゆ子と別れて、私と恋愛しなさい。

みたいなセリフを、
ジャズの生演奏が流れる、渋いクラブで
鈴木を口説くわけです。

新人の若造二人がこんな渋いバーに行くか。
と思ったりするのですが、
それもバブルなのでしょう。
(私は未だ行ったことが無いです・・。)

そんな事を感じながら、
それでも映画を観つつ、
イニシエーションの意味が分からないので、
その時は納得しました。

※なお、後にイニシエーション(initiation)
 の意味を調べたら、加入式・入社式・成人式
 などの儀式のようで、ちょっと違います。
 もう少し深い意味があるのかも知れません。


ここから、
鈴木の東京と静岡の二重生活が始まります。

お決まりのパターンで、
いつしか静岡への足が遠のくのですが、
そんな時に、まゆ子に子供が出来てしまいます。

子供が出来たらどうしよう。
というまゆ子に、鈴木は結婚するしかない。
というのですが、結局子供を下ろすことになります。

そんな簡単なものか。?
と観ていて複雑な気分になるのですが、

そんな出来事があった日、
鈴木はまゆ子の名前を間違ってしまうわけです。
この手のドラマとしては、定番な流れです。

私はてっきり鈴木が誤るとか、ごまかすとか
するのかと思いきや、
逆ギレして、ケンカ別れとなります。

そして鈴木は東京に帰り、
石丸と正式に付き合い出します。

確かに、木村文乃さんはいい女ですが、
自分の子供を下ろした彼女をそんな簡単に
捨てられるものなんだろうか。
と思います。

映画を観ていると、
まゆ子が可愛そうになって来ます。

そうして迎えるクリスマスイブです。

鈴木は石丸美弥子の家にお呼ばれし、
そこで、鶴ちゃんと手塚里美さんのが両親役で
登場です。

本来であれば、クリスマスイブはまゆ子と
静岡のホテルで過ごす予定だったのですが、
突然別れたこともあり、
そして彼女はホテルをキャンセルしたことを知りません。

ある酔って帰った晩に、
まゆ子に間違って電話をしてしまい、
彼女が普通に”たっくん”と鈴木の名前を呼んだ
事件を思い出します。

まゆ子はホテルで待っているのではないか?

別れた筈の、まゆ子が気になり出し、
そんな女は居ないよ。という石丸を置いて、
鈴木は急遽静岡に帰るのでした。

私も観ながら、
そんな女は居ないだろう。
そりゃ無いだろう。・・と思いつつ、

置いてけぼりにされた、石丸美弥子の表情は、
鈴木イマイチだなぁ〜。
・・とそんな感じです。

・・と、この先が、
ラスト5分の大どんでん返し
ということに成ります。


普通の、
それこそトレンディードラマといわれた
ラブストーリならば、
ホテル前で何時間もまゆ子は鈴木を待っていて、
そして二人は結ばれるのですがね。。

しかし、
そんなストーリーだったら、
なんともつまらない平凡な映画で、
前田敦子さんのが可愛いことだけ
の映画になってしまいます。

しかし後で思えば、可愛い前田敦子さんの笑顔も、
おそらく、意図された演出です。


さて、
映画は1980年代の後半が舞台です。
実は私はこの頃の車が大好きなので、
そういった意味でもとても楽しい映画でした。

というのは、よくもまた、
この年代の車を集めてきたなという感じです。

しかも舞台が静岡なので、
静岡の2桁ナンバー(静岡55とか)を集めないと
いけません。
(さすがに、そこは合成かもしれませんが。)

ただ気になったのは、
集めた物(車)がちょっと古いという事です。

どうゆうことかと云うと、
30年近く前でも、当時は新しかった訳です。

冒頭に、鈴木の下宿の本棚をカメラで嘗めます。
VHSのビデオはさておき、本が古いのです。

良く観てませんが、
きっと並んでいるのは当時の本に違い有りません。

ですが、そこにある本や家電、
家具がくたびれて、色あせているのです。

主人公の鈴木の乗っているスターレットの椅子が
日焼けして色あせていたり、
カーステのカセットデッキのボリュームが、
やはり日焼けでボコボコになっているのです。
(↑これは分かる人しかわからない。)

とは行っても、当時のアルパインのカーステが
ちゃんと動くあたりは奇跡で、マニア的には
かなり面白い映画ですが、

ただ、ハリウッド映画だったら、
CG使ってでもキチンと絵を直していると思いました。(汗)

道路のシーンが多々出るのですが、
今時の車が走っていない時間に撮影をするのは、
苦労したと思います。
(一瞬白い今時のビートルが写っていました。)

特に、高速道路の料金所など、
今時ETCレーンが写ってしまいますから、
どこかの寂れた料金所を使っています。

疑問なのは、何故この年代の設定に
したのかと云うことです。

もちろん、
オリジナルを再現しているのだと思いますが、
映画の最大のポイントは最後のどんでん返し
というか、大ネタにあるので、
無理せずに、現代劇でも良かったような気もします。

堤監督の年代という訳でも無さそうですし、
40代後半の男が前田敦子さんに釣られて
映画を観るとも思えません。

??です。

とはいっても、私の年代的にはビンゴで面白く、
たとえば、もう一つ見所は使われる当時の音楽、
今時の言葉で言えば、J-POPです。

大概この時代のヒット曲ですが、
一部、「Yes-No」や「木綿のハンカチーフ」など
古い曲が混じっています。

これはきっと監督の趣味でしょう。(笑)

さらに、C-C-BのLucky Chanceをもう一度は、
映画の中でビデオで流れていますが、
何故最大のヒット曲である、「Romanticが止まらない
でないのか気にはなりますね。
ちなみに、どちらも1985年の曲です。


さて、私の知り合いの映画の達人は、

「映画のストーリーなんてどうでも良い」

と云います。

というのは、殆どの映画のストーリは、
1920〜40年代の映画の黄金期に作られた
ストーリーの焼き直しだからと言います。

この映画の最後のどんでん返しも、
映画の黄金期に作られた、知らない映画を
ヒントにしているのか。
そんな事を感じた今日の1本でした。


I Love Trading | Der Blog für zukünftige Trader | Alles um das Geld gewinnen


今日のアクセス:352716