リリー・ジェームズ主演「シンデレラ」を観てきました。(前編)

連休の最終日に映画に行きました。
5月から週末が忙しくなりそうなので、
次に映画に行けるのはいつのことか分かりません。

そこで、この映画は必須でしょ!
と思う一本を観てきました。

というわけで、本日はリリー・ジェームズさん主演映画

 「シンデレラ」

をご紹介します。

シンデレラと言えば、ディズニー映画の不朽のアニメです、
映画の予告編では、

「ディズニー・ラブストーリーの原点にして頂点」

という言葉がコピーとして綴られます。

Wikiによると、
「シンデレラ」のオリジナルと思われるのが、
紀元前1世紀の「ロードピスの話」ということで、
その後様々なバーリエーションに展開します。
日本に来たのも結構古くて、1886年明治19年
なのだそうです。

概ね共通するストーリは、

 あるところに、
 継母にいじめられるシンデレラがおりまして、
 あるとき、お城で舞踏会が催されるも、
 彼女には着ていくドレスがありません。

 悲しんでいたところに魔女が現れ、
 衣装や馬車を仕立ててくれます。

 但しその魔法は、
 深夜の12時に切れてしまうというのです。

 舞踏会では王子様に見初められるも、
 12時になり、急いで帰る途中の階段に
 靴を落としてしまいます。

 その後王子は残された靴を頼りに、
 国中で彼女を探し出します。

 その小さな靴は、シンデレラ以外には
 合わないのです。

 そしてシンデレラはお后となります。
 ・・おしまい。


この「シンデレラ」の物語を1950年(昭和25年)に
ミュージカルアニメ化して上映されたのが、
ディズニーの「原点にして頂点であるシンデレラ」です。

ウォルト・ディズニーもこの映画が一番好きだ。
と言ったとか言わなかったとか。聞いたことがあります。


さて、この有名な物語ですが、
実は去年参加したある講演会で、
物語から何を学ぶか。というお題で
「シンデレラ」が取り上げられたことがありました。

公演を聞いたとき、
どんなストーリだったのか思い出せず、
他の物語とごちゃ混ぜになっていることに気付きました。

そこで改めて「シンデレラ」を学ぶために、
DVDを購入して見直しました。
(というか、実はディズニーのアニメ版「シンデレラ」を
ちゃんと観たのは、このとき初めて見たような気もします。)

それから1年ほど経ち、
今回の実写版をみることになった訳です。

予告編を見ながら感じたのは、
「シンデレラ」の実写版を作るなど、
ディズニーも思い切ったことをしたものだ。
ということでした。

最近ディズニーも実写版が多いですが、
とはいえ「シンデレラ」は特別な作品だと思う訳です。

そしてもうひとつ感じたのは、
主役の女優さんが可愛くないということです。

主人公が女性にして可愛くない。
というのは頂けません。

そんなわけで、
どうせストーリーも知っていることだし、
女優さんも可愛くないし、
別の映画をみようかと思ったのですが、
前日の土曜日にシンデレラを観た友人が、
面白かった。というので気持ちを切り替え、
爽やかに映画館に足を運んだ次第です。

という訳で、
久々に書いているためか、
前置きがかなり長くなってしまいました。(汗)


さて、今回の映画では、
「アナ雪」のショートストーリーが最初に上演されます。
「シンデレラ」という大作に、おまけを付ける必要が
あるのか?と思います。

ストーリー自体は期待するほどのものではないのですが、
追放されてしまった、ハンス王子を初め沢山の登場人物が
出てくるなど、「アナ雪」ファンの方を楽しませるための
サービス的な演出となっている様子が分かりました。

そして、「アナ雪」の圧倒的な映像美は健在で、
やはり素晴らしいと思いました。


その後で本編が始まります。
映画では、シンデレラ(映画での名前は「エラ」)の
少女時代から物語が始まります。

動物たちに餌をあげたり、
父親とダンスを踊る姿が印象的です。

外国との貿易商を営む裕福で優しい父と、
優しい母親と3人暮らしをしているのですが、
母親は若くして病気で死んでしまいます。

父親は暫く独身で過ごすのですが、
ある日、知人が亡くなり未亡人となった女性と
結婚して幸せになりたいと、シンデレラに相談します。
父親の幸せのため、シンデレラは迷わず快諾します。

しかし、二人の娘を一緒に引っ越してきた継母は、
父親が生きているときから、悪女ぶりを発揮します。
毎日友人知人を呼んで、どんちゃん騒ぎをするのです。

そんな継母をみて、
父も失敗したとおもったのでしょう。
(もちろん私の想像ですが。)

娘に亡くなった妻との思い出を語るのですが、
その二人の会話の様子を継母が、こっそり見ています。

ここまで書くと、この物語が少なくとも、
子供向けの、単純なシンデレラストーリーでは無い
ことが分かります。

思うに今回の「シンデレラ」は、
この継母が主役ではないかと思うのです。
ちなみに、継母の陰謀はこの後もどんどん出てきます。

継母を演じるのは、ケイト・ブランシェットさんです。
私と同じ歳らしいのですが、
そのためかどうかは知りませんが、
嫌な役なのに何故か、
シンデレラよりも綺麗に思える点が不思議です。


そして映画はその後、
誰もが知っている流れに展開していきます。

仕事のため、再び外国に旅に出た父親が、
出先で病気で亡くなってしまいます。

浪費家である継母と二人の娘がいる家庭は、
すぐに家計が火の車と成ります。

お手伝いさんを辞めさせ、
シンデレラが家事を行うことになります。
さらに、シンデレラは自分の部屋を明け渡し
屋根裏部屋へと引っ越していくわけです。

毎日早起きをして朝食を作り、
子供の頃と同じように、家畜に餌を与えます。

しかし自分は、継母や二人の姉とともに、
食卓でご飯を食べることができません。


だんだん季節が冬に近づき、
屋根裏部屋が寒くなり、
ついに暖炉の横で寝てしまいます。

そして、朝起きたら顔が炭にまみれており、
姉から灰まみれといわれてしまいます。

つまり、エラから、シンデレラ(灰かぶり姫)
となるわけです。


私は映画を観ていて、
多少の新しい演出はあるなぁ〜と思いつつ、
このストーリーに全く違和感を感じませんでした。

しかし、ブログに書く前にアニメ版を確認しようと
DVDを再度観て、少し驚いたのですが、

アニメ版では、
シンデレラが不幸な暮らしになるまでの流れは、
冒頭のナレーションで簡単に説明して終わっており、

シンデレラ(すでに名前はシンデレラ)が
朝早起きするシーンから始まるのです。

つまり実写版をみて違和感が無かった
エラがシンデレラに成る為の
ストーリを見たことは無いはずなのですが、
頭の何処かでこのようなストーリーが作られていたわけです。

実写版では、
継母にいじめられ涙するシンデレラは、
ある日、馬をかけ森に行き、
そこで鹿狩りをしていた王子様と出会います。

王子様がシンデレラを一目惚れし、
どこのだれか分からないシンデレラを捜すために、
舞踏会を計画するという流れです。

そしてその舞踏会で一番最初に踊るのが、
王子様のお后になる訳です。

このような段取りは、アニメ版にはありません。
へぇ〜そうなんだ。と思います。

実写版作成にあたり、このような様々な部分の
つじつまを合わせるシーンがこの映画には沢山
あるのです。


ちなみ、アニメ版で結構時間を割いているのは、
トムとジェリー的なネズミとネコが喧嘩するドタバタ劇です。
今観ると、間延び間がありますが、
当時のアニメは子供向けなのか、
こういったものが重要だったのかもしれません。


そして、舞踏会が告知されます。
実写版では、その告知の模様も映像化されて割と、
それっぽいです。

継母と二人の娘の衣装は、特注を仕立てるのですが、
シンデレラの衣装は作ってもらえません。

結局、母親の形見を元に自分出作ることになるのですが、
かわいがっているネズミや鳥たちが衣装を作ってくれます。

そして舞踏会の夜、
シンデレラもドレスを着て舞踏会に行こうとするのですが、
継母に袖を破かれてしまい、
舞踏会に行けず、ベランダで涙するのです。

あまりにも可愛そうで、おもわず私も涙しそうに
なったところが、映画の一番の予想外なところでした。
(つまりこの映画は面白いということです。)

しかし、アニメ版はもっと酷くて、
母親が袖をビリッと破いた後、二人の娘達も
シンデレラのドレスを破りだし、
最後にはシンデレラのドレスは見る影もありません。

実写版のほうがセーブしているようです。


ベランダで涙するシンデレラは魔女と出会います。
一見浮浪者のように見える魔女は、
シンデレラにお水をくれないか。といい、
誰にでも分け隔て無く接する心優しい、
シンデレラは彼女に水をあげます。

全く違和感が無いのですが、
こんなシーンもアニメ版にはありません。

いかにも定番ぽいシーンですが、
なにかのパクりだと思いました。


魔女はその後変身して綺麗になり、
様々な物に魔法をかけていきます。

カボチャを馬車に変え、
ネズミを馬に仕立て、アヒルを運転手に、
トカゲを従者にするのです。
ちなみに、アニメ版とは動物たちがちょっと違います。

変身するシーンなど良く出来ているのですが、
今時の映画では簡単に作れるのでしょうかね。

一つ思ったのは、
この映画で美術的に最大のポイントは、
カボチャの馬車を初めとする変身だと思うのですが、
ここは「アナ雪」のシーンに負けている気がしました。
馬車が美しいと言うよりも、
若干ゴテゴテ、やり過ぎた感じがします。



↑ディズニーのホームページからです。
ギャラリー|シンデレラ|映画/ブ ルーレイ・デジタル配信|ディズニー

静止画でみると本当に凄いですね。


続いて魔女は、パーティードレスを仕立てるのですが、
ちょっと変えて良い。といいつつ、
全く別のドレスに変わってしまいます。

そしてこのドレスの色ですが、
母親の形見である元々のドレスの色は、
実写版・アニメ版のどちらもピンク色で
有るのに対し、変身後の色は、
アニメ版が白で、実写版が青です。

姫のドレスと言えば、白。
という感じですが、
これも思えば、アニメ版のシンデレラの
影響かと思いました。

なおこの青いドレスは、
特注した二人の姉のドレスを初め、
舞踏会に参加する女性たちのドレスと比べて
圧倒的に一番綺麗と思いました。

色も雰囲気も、一人だけ違って目立ちますし、
もっといえば、他の女性の着る服が古っぽく
みえるのです。

こういったところは、
デザイン的に必ず狙っていると思うのですが、
王子様はドレスでシンデレラを選んだのではないか。
という位、シンデレラの衣装が際立っています。

また舞踏会のあと、王子様と二人で抜け出し、
王子様の秘密のバラ園の中にあるブランコにシ
ンデレラは乗るのですが、

考えてみてください。
映画の途中でもあるのですが、
この時代のドレスは、
コルセットを巻き、鳥かごのような
ワイヤーの骨のあるスカートをはきます。

ですから、
ブランコに、腰をかけて乗れるはずが無いのです。
・・が、シンデレラは乗っています。

わざわざワイヤースカートの様子を
先のシーンで出していると云うことは、
意図的に演出しているのだと感じました。


さて、話しは変身のシーンに戻るのですが、
魔女が一番最後に魔法をかけるのが、
ガラスの靴です。

このシーンで良いのは、
靴は見えないからコレでいい。
というシンデレラのセリフです。

それではいけないと、
蝶々の飾りが付いた絵的にも素晴らしい靴
に変身させます。

前から疑問だったのは、
ガラスの靴というのは曲がらないし、
はき心地が悪いのではないかと思っていたのですが、
はき心地も最高。みたいなセリフを魔女が言います。

どれだけ沢山の人が私と同じ疑問をもったのか
知りませんが、その結果のセリフではないかと
思う訳です。

もうひとつ不思議なのは、
何故ガラスの靴だけ魔法が解けなかったのか?
ですかね・・。

先ほど、この変身シーンが絵的にイマイチ。
ということを書きましたが、
映画を観ながらなにか物足りないと思ったのは、
アニメ版は、ミュージカルなので、
このシーンにあの有名な「ビビディ・バビディ・ブー」
の歌がないことです。

確かに呪文としては唱えるのですが、
アニメのあの歌がありません。

私もこの歌は良く知っているのですが、
後から不思議に思ったのは、
1950年の映画の曲を何故知っているかです。
恐らく、NHKのみんなの歌のようなテレビ番組の
影響と思います。

また、もう一つの名曲「夢はひそかに」も、
どこで流れるかと期待したのですが、
流れたのは、タイトルロールが流れるエンディングでした。

という訳で、今回の実写版では
ミュージカル的な要素はありません。


・・とここで少し長くなってきたので、
次回パート2に続きたいと思います。



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