藤原竜也主演「僕だけがいない街」は、大人よりも子役の演技が素晴らしかったと思いました。

藤原竜也さんといえば、
最近、悪役が多い気がします。
しかも狂った感じの極悪人役です。

個人的に印象深いのは、
藁の楯」の犯人役、
懸賞金をかけられ、松嶋菜々子さん演じる、
警官役まで殺してしまう「清丸国秀」

るろうに剣心」の悪の元締め、
大けがをして包帯ぐるぐる巻きとなった、
不死身でしかも剣が強すぎる「志々雄真実」

あたりでしょうか。

ご存じの通り藤原竜也さんは、
童顔系の可愛い顔に、
身長が178cmと意外に長身のシュッとした
体型の俳優さんです。

そんな彼が悪役を演じたら、
俳優さんとしてのイメージが悪くなりそうな
気もするのですが、良く引き受けるなぁと思います。
そして、狂気の悪人の演技がまた、素晴らしいわけです。

なにげにネットの芸能のニュースを読んでいたら、
藤原竜也さんの最新の映画での存在感が素晴らしく、
競演の有村架純が目立たない。
・・みたいな記事が目に付きました。

有村架純さんを目立たなくするとは、
今度はどんな悪役か。
と思いきや、今回はそうではないらしいのです。


・・・という訳で本日は、藤原竜也さん主演映画

 「僕だけがいない街

をご紹介します。

最近の邦画は漫画を原作とした物がとても
多いように感じます。

・・というか、
殆どの漫画が原作じゃないの?
と思うぐらいです。

とはいえ、私は漫画を読まないので、
映画を観た後で調べて、
漫画が原作だったことを知るわけなので、
ま、良いのですがね。

映画「僕だけがいない街」は、
三部けいさんの漫画が原作で、

このマンガがすごい!」3年連続ランクイン、
マンガ大賞」2年連続ランクイン、
「­これ読んで漫画RANKING」1位、

など数々の賞を取った素晴らしい漫画で、
映画会社のホームページに寄れば、
映像化争奪戦となったとのことです。

【ワーナー公式】映画(劇場作品)|僕だけがいない街


映画のストーリーは、
悪いことが起きると、その原因が取り除かれるまで、
過去に戻ってしまう、リバイバルと云う特殊能力を持つ
青年、藤沼悟を藤原竜也さんが演じます。

漫画家を目指しながらも、芽が出ずに、
ピザ屋でバイトをする主人公(藤原竜也さん)は、
配達中に、交通事故に合いそうになる少年をみつけ、
彼を救おうとして自分が事故に遭います。
思いっきり体が中に舞い、タイトルがタイトルなだけに、
ここで行き成り死んでしまう映画かとおもったのですが、

主人公は入院をしてさほど重傷ということも無く、
病室で目が覚めるのです。
すると傍らには、彼をしたうバイト仲間の
有村架純さんがいます。
この冒頭の何気ないシーンが重要で後に繰り返されます。

そして、
事故を知った石田ゆり子さん演じる母親が、
北海道から上京してくるところから、
この物語が始まるのです。

映画の冒頭で違和感があったのは、
藤原竜也さん(今年33歳)の母親役を、
石田ゆり子さん(46歳)が演じるということでした。

石田ゆり子さんは私と同じ歳なのですが、
さすがに33歳の子供はいないと思います。

絵的にはこれぐらいはアリなのかなぁ〜。
と自分を納得させようとするのですが、
妙に釈然としません。

もうすこし年配の役者さんはいなかったのかな。
などと思っていたら、
その石田ゆり子さん演じる母親が、
主人公の自宅で何者かに殺されてしまうのです。

ちょっと突然のながれで、えーっと思います。

で何故か、
自分が容疑者とされることを想像し
逃げてしまいます。

普通、親が自分の留守中に何者かに殺されたとして、
自分が疑われると思うものなのか?
この流れが今ひとつ不自然だったように感じた
のですが、

結局は逃げまわる途中で警官に捕まりそうになり、
彼の特殊能力である、事件の原因と成った過去に
タイムスリップするのです。

舞台の設定は、現代が2006年、過去が1988年です。
場所は現代が東京(船橋でロケ)
過去が北海道(ロケ地は長野)です。

最近どこかの記事でも同じ事を書いたのですが、
現代と言いつつなぜ10年前の設定なのかこのときは
不思議でしたが、最後に答えがわかります。

とにかく主人公は小学生に戻ってしまうわけです。
つまり、この年に母親が殺される原因があるのです。

そして、主人公は子役の中川翼くんに
バトンタッチします。
しかし、母親役は石田ゆり子さんです。

つまり、小学生の母親役も大人の役も同時に
こなせる女優さんである必要があったわけですね。

(ここから先はネタバレになってしまうのですが、)
当時女の子ばかりを狙った殺人事件があり、
犯人とされた男性はえん罪で、
真犯人は普通に生活をしているのでした。

しかし、ついに事件がばれそうになり、
それに気付いた母親は殺されてしまったのです。

映画では全く説明されていなかったのですが、
石田ゆり子さん演じる母親は、
もともと地元の新聞かなにかの記者で、
事件の真相を、昔同僚だったという、
杉本哲太さん演じるフリーの
ジャーナリストと追っていた
ように想像できます。

上京した本当の理由も、
本当は息子の看病ではなく、
事件の真犯人と接触するためだったように
感じます。

つまり、18年前の事件の真相にたどり着き、
犯人に悟られ、殺されたと言うことです。

ただ、上記は全く映画では描かれません。
漫画にはあるのでしょうか?


さてこの映画が素晴らしいのは、
中川翼くん、鈴木梨央ちゃん演ずる、
子役の演技が素晴らしいのです。

北海道編では、
家庭の事情でDVにあう、
鈴木梨央ちゃんを中川翼くんが救おうとします。
その様子を母親の石田ゆり子さんが支えます。

母親から虐待に合う、鈴木梨央ちゃんが
本当に可愛そうなのですが、
しかし、役者とは言え、
子供にあんな役をやらせて良いのか。
とちょっと思いました。

この歳にして、追い込まれるのが
大好き好きとか云っていますが、
役者さんというのは、子供でも精神的に
大変な世界にいるのですね。


このような、メイキングをみると、
監督は本当に子供にも怖いですね。
大人でも同じ事をいわれたら凹んで
会社に来れなくなってしまいそうな人が
沢山いそうな気がします。

結局、子供と成った藤原竜也さん(中川翼くん)は、
鈴木梨央ちゃんをDVから無事に救うのです。
と同時に事件の真犯人を知り、
自分が殺されそうになったところで、
再び現代に戻ります。
交通事故後の病院で目を覚ますシーンです。

つまり、過去が変わったことにより、
未来がかわっているのです。
そこには、大人と成った鈴木梨央さんがおり、
なんとなく似たような雰囲気のの人が出演しています。
キャストが調べられないのですが、
森カンナさんではないかと思います。

お腹が大きかったのですが、
流れからして、
てっきり、
大人になって二人は結婚でもしたのかと思いつつ、
そうではありませんでした。
地元の別の男性と結婚して幸せに暮らしていたのです。

もともと北海道にいた、
幼なじみや、新犯人、さまざまな人達が
船橋に集結しているあたりが若干不思議ですが、

そして、ふたたび母親が北海道からやってきて、
ここから先が違うストーリーです。

真犯人と遭遇してしまうのです。

映画のタイトル、
僕だけがいない街」というのは
なんとも寂しいタイトルであり心に残ります。

なんとなく、
結末が解ってしまうタイトルなのですが、
ま、つまり新しいストーリーでは、
母親が殺されるのではなく、
主人公藤原竜也さんが真犯人によって殺されて
しまうわけです。

この頃には主人公は死なない物語なんだろうなぁ〜。
と思っていましたし、
生きているのか死んでいるのかあいまいな
エンディングだったのですが、

最後のシーンで、
そしてまた10年たって彼の命日に友人達が集まる。
そんなカットが映し出されました、
それで、設定が2006年だったんだ。と解るのです。

最初のストーリーでは、
藤原竜也さんは売れない漫画家です。
しかし、次のストーリでは漫画が売れている
様子が伏線で描かれています。

この映画で言いたかった事は、
勇気をもって世の中を変えていくことの大切さです。
主人公はそのために命を犠牲にしましたが、
爽やかなエンディングによって、
それも良い。と肯定しているように感じます。

とても大切なメッセージを含んだ
今日の一本と思いました。

映画『僕だけがいない街』公式サイト

今日のアクセス:466,968(2016/4/28記)