クリスチャン・ベール 主演「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、リーマンショックを当てた人達の苦悩の物語でした。

年度末に急に休みが取れました。
しかし、短期休暇で金も無し。
そんなときこそ映画三昧です。!

気になる映画がいくつかありましたが、
アカデミーにノミネートされている
映画は特に気になります。

予告編もみましたが、
どうやらリーマンショック時の金融破綻を利用して
大もうけした人の話しのようです。

私たちの日常とは次元の違う話であることは
容易に想像つくのですが、
ちょっと観たい気がします。

・・という訳で本日は、アカデミー賞脚色賞受賞
 クリスチャン・ベールスティーヴ・カレル
 ライアン・ゴズリングブラッド・ピットら出演の映画

 「マネー・ショート 華麗なる大逆転

をご紹介します。

なぜ冒頭、出演者を四人も紹介したのかというと、
4人はサブプライムローンで利益を出したチームの
リーダ格を勤めています。

映画ではこの4チームの動きを巧みに絡め、
サブプライムの問題を発見するところから、
市場が崩壊し彼らが膨大な富を得るところまでを
表現しています。

金融の映画ということもあり、途中で用語解説が入ります。
画面が急にストップし、まったく関係ないと思われた
登場人物が用語解説をする演出です。

「売れ残った古い魚は、シーフードシチューにすれば
 新しい別の商品として売れるでしょ」

・・と、レストランのシェフが、価値のない債権を
ごちゃ混ぜにして新商品を作ってしまった、
サブプライムローンの問題点を説明します。
(古い魚はシチューやカレーの具になるのか。
と妙に納得して印象深かったのですが、)

こういった解説が至る処に入り、
映画を映画らしい手法で分かり易く説明する
工夫をいれているのですが、
全体的には専門用語が多く、
アカデミー賞脚色賞作品のわりには解りにくい
映画と感じます。


主人公役クリスチャン・ベールは、
元医者の彼は小さい投資会社を経営しています。
映画では一番最初にサブプライムローンの問題を見つけます。
そして市場が思うように動かないまま、
最も長い時間、資産をどんどん減らす苦悩を味わうのです。

映画を観た印象では、
彼に最もスポットライトが当たっていて将に映画の主役です。


スティーヴ・カレルは銀行の子会社で
ファンドの社長を務めています。
金融の世界に敵意を持ち、半分精神を病みながらも、
その世界で生きています。

ライアン・ゴズリングは大手銀行に勤める銀行員です。
クリスチャン・ベールの戦略を知り、
ティーブ・カレルへ投資を持ちかけるのです。

そして最後のブラッド・ピットですが、
たまたま知り合いだった二人の若い投資家から、
サブプライムローンが近い将来破綻する話しを聴き、
慎重に若者を支援していきます。

ちなみに、若い二人の投資家は、
銀行にビジネスの相談にいき、思ったように行かず、
落ち込み、帰ろうとしたとき、
偶然サブプライムローンに関する書類を拾います。


なんとなく、投資の天才が繰り広げる、
お金の映画とおもいましたがちょっと違っていました。
このなかで唯一天才風なのは、
主人公クリスチャン・ベールただひとりです。


彼は最初にサブプライムローンの問題に気付いてしまいました。
そして「(CDSクレジット・デフォルト・スワップ
と呼ばれる、金融商品に目を付けます。
市場が暴落したときにもらえる保険のようなものです。

しかし株の信用取引などと同様に、予想と逆方向
つまり、市場が順調に伸びているときは、
証拠金に相当する、保険金の支払いで大損をしてしまいます。

市場が伸びているときには、
銀行はCDSを売れば売るだけ儲かりますし、
買い手は、CDSを買えば買うほど損をします。

銀行は、このバカなにをかんがえてるんだろう。
と笑いながらCDSを売ってくれるのです。


映画では、そんな当時の常識に反する主人公達の苦労や、
取引先や知人の厳しい反応を描き、

また主人公達がどんどんお金を失って行く
ストレス・恐怖を表現しています。

映画全編を通して、
大もうけして喜んでいるシーンは殆どありません。
予想は正しかった。死ななかった。ホッとした。
そんな感じです。

唯一二人の若者は喜びを表現するのですが、
うかれるな!これで何人の人が路頭に迷うんだ。
ブラッド・ピットに叱られます。

映画の最後にその後の主人公達の人生が
説明されるのですが、
大金を得たあとも、遊んでいる人はおらず、
今も殆ど似たような仕事を続けているのです。

「華麗なる大逆転」というサブタイトルが
付いておりますので、派手なお金儲けの印象を
もってしまいますが、
どちらかというと、ボロボロになりながらも
生還した兵士の戦いと、その後を描いた、
そんな印象の映画です。


この映画はアカデミーの脚本賞受賞映画です。
しかし金融の専門用語が多様されるためか、
お金についての話しは、理解できないまま
映画が進んでしまうことが多かったように思います。


なにか一つでもお金持ちのヒントになればと
思って見に行った映画ですが、
この映画の本質は人間ドラマでした。

予想を当てるまでの道筋と主人公達の苦悩を
描いているのです。
そして大金を得ても決して幸せに成れない
人間の本質を表現しています。
だから沢山の賞をもらったのだと感じた
今日の一本です。


“変わり者”たちが次々に登場!『マネー・ショート 華麗なる大逆転』予告編|ニュース|映画情報のぴあ映画生活(1ページ)

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