「負けない技術」20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」を読みました。
あいつに勝ちたい。
この試合に勝ちたい。
きっと、誰しも、勝負には勝ちたいものだと思います。
会社の先輩に勝ちたいです。
後輩には、当然負けるわけにはいきません。
趣味の仲間よりも、腕が良くなりたいです。
田舎の旧友よりも、成功しないとカッコ悪いです。
・・そんな私も、勝ちたい一人です。
でも、この勝ちたい気持ちは、著者の言葉を借りれば、
「女の厚化粧」と同じ。弱くて汚い私の心の反対側なのです。
本書は、ある作家さんのメルマガで紹介されていました。
作家さんの紹介する本なので、なにかしら間違いない。とか、
普通のビジネス書とちょっと違うのではないか。といった、
”何か”を期待して購入しました。
・・でもそれよりもなによりも、一番の購入動機は、
私の気持ちが負け込んでいたのです。
著書である、桜井章一氏は昭和30年代後半から20年間負け知らず
「雀鬼」と言われた勝負師です。
今は引退し麻雀道場を主催しています。
このような肩書きからして、うさんくさい人かと思いきや、
文体は、そこらへんのビジネス本の著書とは一線を画す上質さがあり、
まるでプロの文筆家のようです。
私は途中まで読み進めて、桜井氏の著書を以前も読んだことがあった
ことを思い出しました。
そして、そのときも、まったく同じ印象をもったのです。
沢山の相談が来るということですが、当然だと思いました。
この文体・この内容から感じられる人柄は、仙人はちょっと言い過ぎに
しても、そんな雰囲気を想像してしまします。
勝負の世界のプロ麻雀でも、4人の調和が重要で、勝にしても勝ち方がある。
敵も味方と思えるぐらいの境地に達する必要がある。
表面的な勝ち負けと実際の勝ち負けは別のところにある。
あえて相手の得意技をうけてみる。
負けの99%は「自滅」である。
・・・
最近の世の中で言われる、成功法とは真逆の内容も多いのですが、
実は本書に書かれる考え方こそが、(武士道にも通じるような、)
日本的美しさのある真の成功法(つまり勝ち方)ではないかと思いました。
今時のビジネス書に疲れた人、
もっと物事の本質を見極めたい方にはお勧めな一冊です。
いずれにしても大人の雰囲気が感じられる本です。
追伸)
タイトルを読むと、20年間無敗の麻雀師になるには、
どうすれば良いのか大変興味がありますが、麻雀に関しては、
詳しくは述べられておりません。
しかし、本書を読むと勝ち負けはその場の表面的な一勝・一敗
ではないことが想像出来ます。
今に名前を残しただけでも、負け知らずといえると、私は後で思いました。