「転職する人、できない人」を読みました。
ビジネスマンに限らず、多くの社会人は多かれ少なかれ転職に興味があると思います。
私も興味はあるのですが、悲しいかな転職の上限年齢といわれる、
35歳をずっと過ぎてしまっているので、転職できない人だと思って読み始めました。
読んでみると、事前の印象とは全く違った内容が記されています。
・著者は、ヘッドハンターをしているのに、転職を積極的に薦めていない。
→会社で気づきあげたキャリアが無駄になり、あまり良いことがない。
→お金とか、出世競争に負けたとか、転職の動機がよくない。
など
・転職上限35歳説は、マスコミがあおっているだけ、45歳ぐらいが適切。
→35〜40歳ぐらいに成らないと、仕事のスキルが身につかない。
→さらに数年たたないと、人間スキルが身につかない。
45歳ぐらいが、仕事スキル+人間スキルが身についた最高の状態であるので、
ここで転職するのがよい。
※若くして転職すると、キャリアやスキルが中途半端になると指摘している。
・転職に向くのは、仕事のできる上位20%ぐらいの人
→仕事ができるのは、上位20%以上の人できれば、上位5%位の人が望ましい。
上位5%位の人はどこの会社でも5%になれるが、それ以下の人は転職後
レベルが下がってしまうことは間違い無い。
(20%に入れない人であれば、なおのこと。現在の会社で自分の生活を
大切にしたほうがよい。)
→したがって、転職したいひとは、45歳までに上位5%をめざせ。
といったような事が記載されており、少なくとも転職適正を語っているような
内容ではありません。
45歳で上位5%といえば、マネージャーか部長ぐらいにはなっていないといけない
訳ですから、おおきな組織ではなかなか難しいハードルだと思います。
本書は、昨今の軽めのビジネス書とは一線を画す内容であることには間違い無く
なかなか手応えのある書籍です。若干気になるのは、西郷隆盛の言葉を残したという
「南洲翁遺訓」などの文献からの引用が多かった点です。
(著書の吉田さん率いる縄文アソシエイツは、名前の通った会社と思います。)
転職を考えているビジネスマンの必読の書であるとともに、転職を考えていない
ビジネスマンにとっても、現在のサラリーマン生活を考える上で興味深い内容
だったと思います。