「いちずに一本道 いちづに一ッ事 」をよみました。

一度は読んでみたいと思っていた、相田みつをさんの本です。
前半は講演内容を、後半は本人の書き下ろしということです。

相田さんの、詩や書については、沢山の書籍があると思いますが、
長い文章としての書籍は、多くは無いのではないかと思います。


本書は、相田さんの小学生時代の思い出からはじまり、
相田さんが、相田さんになったいきさつ等が、
本人の言葉で記されています。

戦争で兄が亡くなったこと。
兄を思う、母の心。
戦争時代の暗い思いで。

など前半の多くは、戦争に関する重く暗い話が中心です。

戦争というものは、人類の作る最大の罪悪だなあ

・・が、相田さんの心の奥底の重要な部分と思いました。
常に、若くして亡くなった二人のお兄さんを
気遣いながら生きていたようです。


後半は禅(曹洞宗のお坊さん)の武井老師との
出会いが沢山記されています。

「あっても無くてもいいものは、無いほうがいいんだなぁ」

という武井老師の言葉は、私の心にも染みました。

そして、曹洞宗の開祖、道元のエピソードから、
物事の極め方を学びます。
それは、生活のため、書道を教えていた自分に対し、

 その甘い生き方はなんだ。
 かけがえの無い命に悔いは無いか?
 形式通りの「書」をやって満足出来るのか。

と言った自分への問いを生み、
結局、相田さんは、書道の先生を辞める事にしました。

しかし、先生を辞めたあと、
お金がなくて、家族4人が食べるのに、一番苦労したと
いいます。その時の様子を、

 途方に暮れた。

と表現しています。
この、途方に暮れることが、人生では大事で、
途方に暮れた時は、動くことで活路が見出せると言います。

沢山のビジネス本や成功本にも書かれている内容です。
こんなところで出会えるとは、少し驚きました。

でも、どれ位の人が、相田さんのような、
途方に暮れた。経験があるのでしょうか。


途方にくれるといえば、J-POPの名曲である、
大沢誉志幸さんの、そして、僕は途方に暮れる。
が思い出されます。
私は、その程度のレベルなんだなぁ〜と思いました。
でも良い曲ですよ。この曲は。感動します。(涙)