「人生計画の立て方」を読みました。

世の中地震で大変ですが、この件は別に書く事にして、、、

このような時、著者である本多博士ならどんな言葉にするのか、
聞いてみたいものです。

さて、
私が本多博士の有名な、「私の財産告白」を読んだのは、
30代も後半に入ってからでした。
なぜ、こんな良い本をこんな歳まで読まなかったか。と思いました。

「人生計画の立て方」も同様で、こういった本は、中学もしくは
高校を卒業する前に、必読の一冊としても良い位だと思いました。

日本の教育は、未だ、読み書きそろばん+蘭学(?)が中心です。
生きるための知識(例えばお金やコミュニケーション)は殆ど教える
こともなく、学生生活を終えます。

道徳等と同様、読み書きそろばんの前に、家庭内で、教育すべき
ことかも知れませんが、
結局は社会人になって、時に失敗や挫折感などの、高い授業料を払い
学んで行く訳です。
(こういった話は、「金持ち父さん、貧乏父さん」のような本にも
出てきますね。)


本書の”人生計画”とは、
人生を次の期間に分けて、それぞれ主題となる行動指針を決め、
良い人生を送ろうというものです。

〜40歳までは、倹約に励み貯蓄を
40〜60歳は、仕事や学問を
60歳〜70歳は、国や地域への貢献を
70際〜は、(残りの人生なので)自分の楽しみを

ざっくり書くとこのようなイメージです。


特に、40歳までは給与の25%と臨時収入(つまりはボーナス)の
全てを貯蓄に回す事で、倹約の習慣と人生基盤と成る一定額の
貯蓄を得ます。
この詳しい話は、「私の財産告白」に書かれています。

本書ではこの「お金」に対する部分は簡単に述べるにとどまり、
先に書いた、人生のこの時期に何をするか。
ということに重きをおかれて書かれています。

意外なところでは、恋愛や結婚に対する本多博士の考え方なども
詳しく記されており、例えば
(結婚すると恋愛感情は変わってしまうので、)
恋愛は結婚を決めてから結婚するまでが一番楽しい。
といった記述は、本多博士の固いイメージからは、相当遠いもの
でした。

このように、幅広い人生に対する知恵が記載されており、
社会人に成る前に、一度読んだほうが良い。
と思った訳です。

本書は、昭和20年前後に執筆されたものを、本多博士の死後
お孫さんの監修を経て出版されています。
江戸時代に生まれ、終戦前後の混乱期に記された文章とは
思えない文体(多少時代は差し引いて考える必要はありますが)
に、ただただ驚く次第です。