神田昌典/渡部昇一「日本人の成功法則」を読みました。

日本人のための「不変の成功法則」があった!

・・と、目にしたらどうしますか?

本の帯に、

 神田昌典が行きついたもの、
 渡部昇一が体得した知恵。
 自己啓発書を読んでも
 成功出来ない理由が
 明らかになる。

と書いていたらどうしますか?

タイトルの頭に「父から子に語る」
と書かれていたら・・・

・・それはもう、、
買うしかありません。
読むしかありません。

そして、願わくば、
私の子供に伝えたいと思います。


===
日本人のための「不変の成功法則」を読んだ、
その結果は


 ・・・良くわかりませんでした。


はい、本屋さんのマーケティングの勝利です。(笑)
と、こんな具合でしょうか?


”人生は12年毎にサイクルがある。”
と神田氏に言われると、確かにそうだなぁ〜。
と思う所は確かに有ります。
しかしこれは、細木数子さんの占いと同じ次元であり、

渡部さんの若い頃留学した話や、
世界に2冊か3冊しか無い貴重な原書を手に入れた話などは、
正直スゴいとおもいますが、
でも、どこかの成功者と同じ自慢話です。

ホテルで行われた対談をまとめたものという本書は、
(特に後半は)話がかみ合っていない印象です。

共通の話題は、
上智大学出身という話題だけですが、
その大学の話にしても、
時期が全然違うためかかみ合っていません。


本多静六氏の話などが度々出てきますが、
むしろ本多氏の原本のほうが、
不変の成功法則を解いているような気がします。
(書籍として読むなら、断然こちらのほうが良いです。)


また”日本人の成功・・”という意味ですと、
(著書は失念してしまったのですが)
堺屋太一氏の書籍が心に残っています。

日本は若者が大人を動かして企(企画)をすることが出来る。
という堺屋太一氏の分析で、
毛利元就を大将に、関ヶ原の合戦を企てた石田三成を例に
出していました。

日本は、年寄りが幅を利かせるような印象がありますが、
必ずしもそうではなく、若者も上手く年寄りを使う事で
大きな事ができる。だから若者も何か大きな事を企てて
世の中のために頑張ろう。そんな内容でした。
堺屋氏も若くして大阪万博をとりまとめ、成功を納めています。

(正直このような話を期待していました。)


気になる話題として、、渡部氏は、
世界中の原子力発電所は日本無しに作る事が出来ない。
日本はエネルギー(原発)大国になるべき。
として、原発の世界的な企業連合を示しています。

 日立+GE(米)
 東芝+ウェチングハウス(米)
 三菱重工+アレバ(仏)

今震災を経て、渡部氏は、どのように考えているのでしょうか。
(この部分は本書の趣旨とはずれますが、興味深いです。)

また、日本人はユダヤ化していくのではないか。
といった説は気になります。
世界的に国境の壁が低くなり(すでにEUではそうした状況)、
アジアや中国からの移民が増え、トラブルも増えて、
治安が悪化して、訴訟社会化していく。
従来の日本人はビジネスで世界に進出していくという話です。

2010年12月発行なので決して古い本ではありません。
いくつかの興味深い、知識欲をくすぐられる部分も確かにあります。


対談という形を書籍にした物なので、内容には限界を感じました。
雑誌の特集位のノリだったらよかったですが、タイトルや帯が
少し重過ぎる印象です。