井上裕之著「自分で奇跡を起こす方法」を読みました。

事故で奥様が意識不明になったら、あなたはどうしますか?
多くのケースでは長期の看病に疲れ、いつしか患者は1人っきりで
病院のベットに横になる事になるそうです。
そして、多くのケースでは長い眠りから覚めることはありません。

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本書では、交通事故で意識不明になった著者の奥様が、
長い植物人間状態を経て、普通の生活に戻ることができた、
”奇跡の物語”を、”どのようにして引き起こしたか”

その方法が書かれています。

偶然といえば偶然ですし、奇跡と言えばそれまでですが、
偶然も奇跡も重なるとそれは必然となります。

誰かの”諦めない気持ち”と”行動(力)”が沢山の偶然や奇跡を
導く原動力と成っています。
つまり、「自分で奇跡を起こす方法」とは、誰かの
諦めない”気持ち”と”行動(力)”の事なのです。

先日、盲目のピアニスト辻井伸行さんを育てた、お母様の
辻井いつ子さんの著書をご紹介しましたが、※
諦めずに、可能な限りの努力をする。といった姿勢や、
あくまで前向きである点などは、本書の著者である、
井上裕之さんと同じだと感じました。

辻井いつ子「親ばか力」を読みました。 - つれづれなるまゝに、日ぐらしMacに向かいて・・・


冒頭でも書きましたが、著者によると、
不幸にも、植物人間になってしまった場合、
最初は必死に声をかけたり、手を握ったりと、看病するのですが、
意識不明の状態で長期間の看病に耐えられなくなり、
多くのケースでは、最後には患者さん1人が、
ベットで横になる場合が多いそうです。

著者の体験でも、意識不明の状態で、
何か反応があると喜び、医師に伝えると、
それは、「反射」である。
と言われ落ち込む様子が書かれています。
著者も歯科医ですから、脳波が無い奥様の反応は、
生き物としての「反射」であることは理解しています。

しかし必死に看病を続けます。

あとで奥様が元気になってからきいた話では、
意識不明の状況でも周りで看病されていた記憶はあった
そうです。
つまり、絶え間ない看病が奥様を意識不明の植物人間
状態から救った訳です。


看病するために、往復8時間もバスに揺られます。
最初は窓の外を眺めるだけでしたが、
次第に、自分を成長させるための、勉強の時間が
与えられたのだ。
と考えるようになります。

そして様々な本を必死に読み漁り勉強を続けます。


感動する部分を書き出せば、キリがありませんので、
詳しくは、実際読んで頂くとして、
著者は、次のようにまとめています。

必死で何かを行う事の重要性。
世の中の人は、もっと真剣に勉強すべきだ。
そして、幸せは自分でつかむ物だ。


自分で奇跡を起こす感動のストーリですが、
私は是非世の中のビジネスマンの方に読んでもらいたい
と思いました。
気持ちや行動面の話だけでなく、
例えば、ドラッカーは本を読むだけだと分からない。
と行った話もあります。
本書はビジネス書として読んでもきわめて価値があると
思うのです。

「もっともっと勉強して、真剣に物事に取り組む。」

心の中で何度も自分に言い聞かせたいものです。

一人一人が「自分で奇跡を起こす方法」を手に入れる
ことができれば、もっと素晴らしい人生がおくれる
と思います。
全ての人にお勧めしたい一冊です。