西村克己「一分間ドラッカー 最高の成果を生み出す77の原則」を読みました。

成果をあげる人は、最も重要なところから始め、
しかも一度に一つのことしかしない。
(「経営者の条件」より)

本書「一分間ドラッカー」で最も気に入っている言葉です。


社会人になると、
一人で一つの仕事ということは滅多になく、
一人で複数の仕事を抱えることが多くなります。

私も日々幾つかの仕事を抱え、それらに追われる毎日ですが、
私の流儀は、今は何、今日はコレと決めて、
一度に複数の仕事はしないことです。
仕事のやりかたを色々試してみた結果、
自分には複数を同時に行う平行処理は無理。
と気がつきました。

ドラッカーの言葉は、
もっと広い範囲、長い時間を差していると思いますが、

この言葉は、
”私のやり方は正しい。”と支えてくれるようで好きです。

ただ、私の場合、
「最も重要なところから始め、〜」の部分がイマイチですが・・。


さて、
前回「「やり抜く!」技術」をご紹介した際に、
概論的で、やや物足りない。といったトーンでご紹介しました。

そういった意味では、今回ご紹介する、
「一分間ドラッカー」は、さらに物足りない。
・・と、ご紹介することになるのではないかと
思ったのですが、そんな事は有りませんでした。


内容は一つのテーマを、見開き2ページを使って
紹介しています。
文字数は少なめで、1つのテーマがだいたい1分位で読めます。

各テーマには大きな見出しと、
ドラッカーの出典が記載されており、
解説文の内容も良く、
本当の意味でのドラッカー概論というか、
ドラッカー本の目次本とも言っても良い位の
レベルと感じました。


ご存知の通り、ドラッカーの特徴は、

「永久に成長を続けるものはない」→ 実践する経営者
「成果を生まない活動は、財産を食いつぶす」→ 想像する経営者
「させてもえない不満を言う代わりに、
 しても良い事を次々と行う」→ 経営者の条件
「成果が無ければ、温かな会話や感情は無意味である」
 → プロフェッショナルの条件
・・・

など、本書で紹介される見出しを並べても、
当たり前なことを、(少し)冷徹に言い切る。
といった感じがあります。

独特な世界ですし、いきなり原書(訳本)は
敷居が高いかもしれません。


このためか、ドラッカー本には、解説本も多々あり、
分かりやすい解説本(入門本)は特に需要があるのだと思います。
(「もしドラ」が売れた背景は、ドラッカーの流行りのほか、
そういった事情もあるのではないかと察します。)

本書「一分間ドラッカー」は、内容も良く、
机の近くに置いて、ペラペラめくりながら繰り返し読んで
ドラッカーの言葉を頭に叩き込むような使い方が良いのでは
無いかと思います。

もちろん私も、部屋の机の近所に置いています。



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