山崎拓巳「やる気のスイッチ!」をよみました。

昔遊んだ、おもちゃのロボットには、
電源のスイッチがありました。

アシモASIMO:本田のロボットです)にも、
きっと電源スイッチはある筈です。
(見た事はないですが。笑)

テレビのCMで、
人のお腹にあるスイッチを押す場面や、
SFドラマや映画に登場する、アンドロイド
(人間型のロボット)のスイッチを入れる
場面があります。

ロボットに限らず、電気製品や自動車など
必ずスイッチオンにしてから動かす訳ですが、
人間や動植物には電源スイッチがありません。

もちろん地球や太陽にもスイッチはないのですが、
スイッチの有無が、自然と人工物の境目かもしれません。


どんどん話が脱線しそうなので戻しますが・・。

良く知られた話ですが、
イチロー選手は、バッターボックスに入るときに、
一連のルーティーンの作法があるそうです。

イチロー選手に限らず、多くのスポーツ選手は
彼ら独特の作法があり、
一連の動作をすることで競技場のコートや
スタートラインに立つそうです。


彼らにとって、やる気のスイッチは、
そういった一連の動作や、
もしくは、
一連の動作を”やる”と決めた時に入ります。

ロボットの電源スイッチを入れたかのように、
頭や体が自動的に動き、
あとは日頃の練習や体調、後は運に応じた結果が出ます。

似たような話で、
学生時代など、イベント(スポーツとか合コンとか。笑)
をやる前には、何かしら気合いを入れる。
みたいな事がありました。
それをすることによって、
ある種、ハイテンションになるのです。


しかし、就職して10年も20年もマンネリ生活を続けて行くと、
スイッチを入れる事(つまりイベント)も無くなり、
テンションが上がって、「よし行くぞ!」みたいな気合いも
中々入りません。


本書の帯には、
「成功者たちは、”やる気のスイッチ”をもっている」
と書かれています。
毎日やる気のスイッチを押す事ができたら、
どんな人でも成功しそうな気がしますよね。


さて、
その”やる気のスイッチ”ですが、

私の勝手なイメージとして、
ロボットの電源ボタンや、スポーツ選手の作法のように、
魔法の呪文がひとつ。と想像して本書を購入しました。

しかし、本書では、シーンに応じた様々な考え方を、
”やる気のスイッチ”として紹介しています。

例えば、

 ・自分が目指す人達と交流してみよう。
  始めは、居心地が悪いが、どんどん慣れてくる。
  それは、自分のレベルが上がったという事だ。
  ※自分の給料は、友達5人の平均値とか言いますものね。

 ・友人知人の悩みの相談は、解決方法ではなくて、
  出口(悩みが無くなった後の気持ち)を教えてあげよう。
  ※問題が解決したら、一緒に旅行に行って美味しい物を
  食べよう。みたいなそんな会話が良い。

 ・一日一回一人の会議を持とう。
  思いかんだ事を、議事録にしてみよう。
  ※毎日の座禅とか瞑想で人生が変わる。といった話と
   同じだと思いました。

 ・困った事、凹む事が続いたら、
  「なんちゃって」と言ってみよう。
  ※個人的には、コレが一番スイッチっぽい気がしました。


このように本書は、”やる気のスイッチ”というよりも、
いわゆる成功法のエッセンスを、
テーマ毎に文章でまとめた一冊です。

Amazonの書評などをみると、内容は良いが目新しいことは
無かった。といったものも有りました。
内容は確かにそうかもしれません。

しかし、私はこの本はお薦め出来ると思います。

この種の本にしては、偏りがなく、とてもシンプルに
表現されています。
余計な事柄や自慢話を長々と書かれたビジネス本よりは、
良いと思います。

また、個人的に最も気に入っているのは、
本の装丁や中の挿絵の写真です。
紙質やデザイン的にも良く、物としての”本”ということで
考えると、価値のある一冊と思います。

若くて、おしゃれな方にもお勧めしたい一冊です。
私も自分の本棚に入れて、時折ながめて見たいと思います。


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