「人たらしの流儀」を読みました。

「人たらし」を辞書でしらべると、

人をだますこと 
その(だます)人

とありまして、類似する言葉として、
「女たらし」が載っています。

言葉巧みに、特定の誰かをコントロールするという
ニュアンスの言葉ですので、
あまり良い意味では使われません。

しかし、
最近は少しニュアンスが変わってきたのでしょうか?
(技術的に)コミュニケーションが上手い人といったように
使われているケースもあるように思います。


過去に、似たようなタイトルで、
経済評論家の森永卓郎さんも
モリタクの人たらしのうまいやつが成功する」


という書籍も読んだ事がありまして、
モリタクさんが、こんな本もだすのだなぁ〜。
と思い買ったものです。

(かなり記憶が怪しいのですが)森永さんの本には、
ビジネスで成功するためには、上司にかわいがられたり、
周囲の人に好かれる必要がある。
そのためには・・・
といった内容だったと思います。


本書の「人たらし」はビジネス面ではなく、
主に情報を扱う上でのコミュニケーション技法に
関する内容で、外務官僚として、対ロシア外交の
最前線にいた佐藤優氏が、外交官として培ったノウハウ
や技術を、インタビュー形式(会話形式)語り、
書籍化したものです。

本書に興味をもったのは、
佐藤優」という人を、簡単に知りたかったからです。
その目的を果たすには十分だったと思います。

しかし、なにかしらのノウハウ本として期待すると、
少しがっかりすると思います。
この点は、アマゾンの書評などを参考にしてください。


佐藤氏はかなり沢山の本を読んでいて、
内容も良く覚えているようで、(この点私と全くちがう・・)
どのような時に役立つか、佐藤氏なりの説明があります。

興味深かったのは、
(ロシアでは)小説を沢山読んでいる人が、
戦場で行って生き残る確率が高い。という話です。
小説を読ことで、(架空とはいえ、)知識として頭の中に
沢山のシナリオが蓄積され、それらを使いこなす
ことができ、生存確率が上がる。ということです。
(つまり戦場で機転が働くという事だと思います。)

くらたまさんの「だめんず」本から、
村上春樹さんの「IQ84」まで様々な書籍名が登場します。
本書を読んで私は、それらの本を全て読みたい気になりました。

そのほか、外交の情報戦では、嘘はつかない話や、
収入の1割を寄付する話、婚活ビジネスの弊害、
はやまた、マルクスは浪費家だった話など、

多方面にわたる、思わぬ知見が得られた本でした。

簡単に読み終えることが出来る本ですので、
興味のある人は、読んで損は無いと思います。
(普通のビジネス本には書かれないことが
多々あるような気がします。)



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