大塚寿著「40代を後悔しない50のリスト」を読みました。

本日は「40代を後悔しない50のリスト」をご紹介します。

40歳といえば、孔子の「四十にして惑わず(四十而不惑)」
が最も有名な言葉だと思うのですが、
その解釈には、

1)40歳にもなれば(一定の知識や経験があるので)、
  迷うことなく人生を生きていける。

2)40歳にもなれば(いい大人なのでもあるので)、
  あまり迷ってフラフラしてはいけない。

3)40歳位では、人生まだまだひよっこ
  悟りを得ている訳では無く迷いだらけ。

・・・など、様々な解釈が有るようです。

中学の国語の時間に出てきた言葉のような気がするのですが、
少なくとも、学生の頃は、1)に違いないと思っていました。

しかし、歳をとって分かったことは、
単に年をとったからといって、
人間、劇的に立派な大人になる訳でもなく、
実はその注意を促すための、2)かなぁ〜と思っていました。


そして、3)の解釈を知ったのは、つい最近のことです。

孔子の時代、40歳はかなりの大人(もしかすると現役引退)
だった筈なのですが、それでも40代は迷いが多いので、
1本道を決めて、ビシッとしろ。と孔子は言いたかった。
といった解釈です。

人間は、若いときには若いなりの、
年を取ればそれ相応の悩みが付いてきます。

40歳は、人生一生悩みは尽きない。
ということが身に染みて分かる年代なのかもしれません。

そしてもうひとつ確実にいえることは、
40代は人生の曲がり角だということです。

本書にもありますが、
気持ちでは、十代や二十代と変わらないのですが、
徐々に体が弱ってきたり、
肉体的な老化が現実として感じられるようになってきます。

何をやるにしても、出来ないことが多くなっていますし、
なにより、残りの人生の長さが見えてきました。


著者である大塚寿氏は、
そんな迷い多き、40代の過ごし方が人生でもっとも大切だと
考えました。
自分の40代を振り返り、沢山の先輩の人生と出逢った結果、
人生のターニングポイントは40代の人生の過ごし方にある
と考えたのです。

本書は、仕事柄沢山の”人生の先輩”から話を聞く機会を得た
著者が、諸先輩から聞いた40代の”後悔”話をまとめたものです。

大塚氏の言葉でインパクトがあるのは、
「多くの人は40代でつまらない人になっている」
ということです。

社会に出て少しずつ元気をなくし
(よく言えば落ち着き、枯れて)
最も勢いが低下するのが40代という訳です。

私の職場を見回しても、それはわかります。
40代は、企業の出世レースでも最終コーナーです。
評価されてなんぼの世界に生きる男は、
ここで上手くいかないと、しぼんでしまうんでしょうか。

個人的には出世は関係ないとおもうのですが、
しかし、生き生きとした、50代は少ないのが事実です。


本書に書いている40代の後悔は、

・○×のスキルを身につければ良かった。
 例えば、交渉術やコミュニケーションなどの対人スキル。
・時間の使い方を考えれば良かった。
 例えば、週末の過ごし方や、家族との時間。
・もっと勉強すれば良かった。
 例えば、本を読んだり、教養を勉強したり。

・社内人脈をつくっておけばよかった。
・つきあい(飲み会など)は程ほどで良かった。
 
・会社以外に自分の居場所(趣味など)をもてば良かった。
・親の介護を考えれば良かった。

などです。

スキルや勉強などの話題は、
40代に限った話でもなく一般的なビジネス書の話です。
後半の話は、老後に向けて何をしよう。
といった類の書籍にある話です。

このように、本書の内容は一般的なサラリーマン書籍の
テーマを混ぜ合わせたような構成となっています。

あまり目新しいものは無いように感じられますが、
ひとつひとつに付く解説やメッセージは、斬新的なも
のもあり、妙に納得したり感心したりします。

猛烈に勉強したい方には少し物足りないかもしれませんが、
一方で、40歳を待たずとも、
一度は目を通しておきたい書籍だと思いました。



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