「お金はいつも正しい」ホリエモンこと堀江貴文さんの著作を読みました。

ホリエモン派とアンチホリエモン派があるとしたら、
私はホリエモン派です。


ホリエモンこと堀江貴文氏は、
私よりも3歳ほど歳下だったと記憶しています。

少しとはいえ、
年下の男が大活躍し、書かれた著書を読んで、
場末のブログで感想を書くことに対して、
思うところは多々あります。

ですから、
先輩世代が堀江氏を毛嫌いする気持ちも分かります。


しかし、堀江氏は東大を出ているからと云っても、
一般のサラリーマン家庭に育ち、
借金をして会社を起こしたのです。

インターネットの黎明期であり、
学生時代のアルバイトで得た知見や時代の流れを読み、
成功したわけですが、

この状況は、同じ時代に生きた者、ほぼ全員に平等に
与えられたチャンスであり、
堀江氏は見事にチャンスを生かしたと思う訳です。
(もっといえば、堀江氏よりも年上世代は、
もっと容易に時代を活用できる力を持っていたはずです。)


お金儲けに関する毛嫌いは、日本に限らず確かにあり、
堀江氏の発言や風貌を相まって彼を毛嫌いする様子
が日本中にはびこりました。

その後グレーな金融取引から、現在堀江氏は収監される
身分ですが、その様子はスタッフを通じてブログで配信
され、彼の年収は現在でも数千万と言います。

彼が100%クロだったとしても、類似の経済犯で収監される
事例はかつて無かったという意見もあるようですが、
私はこの点に関してはコメントできません。

しかし思うのは、堀江氏が経済犯ならば、
牢の中に縛っておかず、現場で仕事をしてお金で償うって
もらったほうが日本のためではないかという考え方もあります。
(彼なら何億も納税してくれるに違い有りません。)
しかし結局、今の状況は堀江氏をマスコミから遠ざけて
いるだけに過ぎません。


さて、そんな堀江氏が「お金はいつも正しい」というタイトル
で本を書いたら、タイトルだけで毛嫌いされる可能性が
大きかったと思います。

実際に本書を読んでみると、お金とは信頼である。にはじまり
給料や借金、投資など、お金に対して堀江氏が考えることを、
簡単な漫画と読みやすいエッセイ風でまとめられています。

その文体は、堀江氏の風貌からは想像出来ない、
実に丁寧で実直とも感じられる文章です。
毒が無くなったと感じる人もいるかも知れません。


書かれている内容は、特に堀江氏オリジナルということはなく、
ビジネス本、自己啓発本など、どこかで読んだ事のある話の
集合体ですが、この点は否定する必要は無いと思います。

本書が想定する読者は、ビジネス本など、
本を全く読まないような人達ではないかと考えるからです。

良いコメントを並べていますが、
特に私は、ホリエモン派とはいえ堀江氏の著書を
全て愛読している訳でもありません。
彼の本をひいきしている訳では無いのです。

「お金はいつも正しい」というタイトルにして、
お金が正しい話は読み取れなかったのですが、
お金に対する(かなり)まっとうな姿勢を示していると感じました。

本書を読むだけで、
堀江氏に対する心証は
大きく変わるのではないかと感じました。

あえて堀江氏に「お金は正しい」といわせることで、
販促効果を狙っていることは明確ですが、
その点を批判するのは、出版界を知らない人の会話と思います。
出版の世界では、タイトルを覚えてもらっただけで
勝ちなんだそうです。


昨年の震災の後、収監前に書かれた本書ですが、
震災をみてお金や国はいかに頼りないものか。
堀江氏がコメントしています。

堀江氏だらか可能。という話もなきにしもあらずですが、
一人一人異なる読者全員に適合する内容にするのは、
無理というものと思います。

どうやって彼の知見を自分のために活用できるかが問われる
一冊と感じます。



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