「松岡修造の人生を生きる83の言葉」を読むと、松岡さんがもっと好きになります。

松岡修造さんといえば、
ウインブルドンで男子ベスト8にまで上り詰めた
日本のトップテニスプレーヤーです。

・・などと書いても、
若い方はピンと来ないかもしれません。

スポーツ番組などで見る松岡さんは、
熱い男、熱血漢!といったイメージのタレントさんで、
「気合いダー」のアニマル浜口さんとよく似た
キャラクターを演じているようにも思えます。

我々の世代は、
松岡さんの活躍をリアルタイムで見ていることもあり、
現在の松岡さんの熱血ぶりをみると、
こんな人だっけ?と、ちょと意外な印象ももちます。

顔もスタイルも二枚目でカッコ良いのですが、
外見に負けないぐらい、
クールでひたむきな男性かと思っていました。

(なお情報を加えると、
松岡さんは、2008年には、木村拓哉さんと並び
CM起用でナンバーワンにも選ばれたと言うことですから、
これもまた凄い方です。)


本書を読んで分かるのは、松岡さんは、
彼が若い頃から熱い男だったと言うことです。

様々な苦労を経験をし、その都度自分を熱い言葉で鼓舞し続け、
現在の松岡さんがあるのだということを感じます。


本書では、そんな松岡さんが、自ら作り上げたことばが、
記されています。

 何万玉打ってきたんだ、思い出せ!

 緊張してきた。ヨッシャー!

 あなたが変われば、まわりも変わる。


といった有りそうな言葉から、

 今日からおまえは富士山だ!

 温泉はなあ、
 人のことは癒しても、
 温泉自身を癒したことはないぞ

 イワナを見てみろよ。
 イワナはな、
 余計な味付けはいらないんだよ


といったオリジナリティー溢れる言葉まで83もの
言葉(というかセンテンス)が並んでいます。



本書は、見開きの右側に言葉、
左側に松岡さんの文章が綴られております。

例えば「くいしんぼう万歳」の収録で、
お醤油ベースのお吸い物にあんこ餅が入っていて、
想像のよらずおいしかった話など、
松岡さんならではの、様々なエピソードが綴られいます。

例えばひとつ紹介すると、
高校生の頃、テニスがイヤになりテニスに行くと言って
麻雀に明け暮れたときがあります。

結局その後、テニスに戻っていくのですが、
麻雀を経験したことで、
相手のミスを突くテニスから、
自ら点を取りに行く攻撃的なテニスに変わった。
と述べられています。

麻雀は松岡さんにとっては回り道だったが
それは必要な事だったと締めくくられています。

松岡さんは、高校時代、慶応高校からテニスで有名な
福岡の柳川高校に転校その後中退して渡米します。

私のレベルでは高校時代に転校したり、
ましてや中退して渡米するなど想像も付きませんが、
松岡さんは、その後プロに転向してからも、
下位の試合から、苦労をして、コツコツと
自らのテニスランキングを上げていきました。


二枚目で、ウインブルドンで第8位や、
東宝の名誉会長の子息というサラブレッドでありながら、
苦労人でもある松岡さんのこれまでのキャリアを考えながら
本書を読むと、感じ入るものが感じられます。

本書は、文量を重視するかたにはお勧め出来ませんが、
内容は平易で分かりやすく、子供からお年寄りまで、
全ての方にお勧め出来る一冊と思います。


松岡さんは私と同世代ですが、
次元の違う本当に素晴らしい方と思います。

日本にはこういった熱い男が、
もっと増えなくてはならない。と思いました。



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