「華僑 大資産家の成功法則」この本はお勧めできます。

世の中には、成功法則と呼ばれるジャンルの本(成功本)は、
星の数ほどあります。

私も、(なにがしかの)成功に憧れる者として、
こうしたジャンル書籍は大好きで、日々読んでいるのですが、
これは良い。と思う本は少ないように感じます。


成功本というと、
例えば、松下幸之助さんの言葉集や、
本田静六博士の自伝のようなものだと思います。

本当に人生やビジネス成功した人が、
人生を振り返り、あの時このように行動したのが良かった。

などと、自分や第三者が冷静に評価し書籍化する。

書籍化する過程で、個人の知識や経験がより一般化し、
それを、読み手が感じ、実践することで、
成功(者)に1歩近づく訳です。


一方、最近多い成功本は、
私はこうして成功した。というタイプのもので、
”私”を隠し、アメリカとか、何とかビジネス
とかで成功した。と銘打っている者もあります。

大概は古典的な成功法則を、個別に適用したような印象です。

そんな訳で、今回ご紹介する「華僑 大資産家の成功法則」も、
あまり期待せずに、購入し読み始めました。


ストーリーは、
会社を辞め、中国に語学留学した著者が、
伯父さんがどこかで手に入れたという1枚の名詞をたどり、
華僑の資産家に合うところから始まります。
著者は資産家に気に入られ、資産家から中国流の人脈術やビジネス
の成功法則を学びます。
そして、日本に帰って中国からの輸入ビジネスを立ち上げる。

といったものです。


著者の小方功さんは、大企業のエンジニアとして働いていました。

会社を辞め、アメリカでは無くて、中国に向かった知恵や、
たまたまおじさんが持っていた、資産家の名刺1枚を頼りに、
大富豪に会いに行く。など、
我々一般人とは桁外れの行動力があります。
ですから、いつかは成功する人だったとは思います。

また、本書に書かれている「成功法則」は私のような
成功法則コレクター(汗)に言わせると、
「華僑」という冠が無くても、”一般的”と思える点もあります。

しかし、本書のポイントは、そういった事ではなく、
ビジネスで成功するために、起業アイディアの出し方から、
自分の立ち振る舞いに至るまで、幅広く様々な観点で
「成功法則」が書かれている点にあると思います。


例えば、
ビジネスのネタは、既に誰かが行っているものの中かにある。
という話で、例えば、もしも需要があれば既にビジネスとして
存在する筈であり、やり方を変えることで、
別次元のビジネスに化ける。ということを資産家は説いています。

良く、起業系の集まりに行くと、
”新しいアイディアをどうやって探したら分からない。”
といったことを話あっていますが、起業講師の人は上記と同じような
ことを言います。


「人間は自己主張せずにはいられない」

という言葉も良い言葉と思います。

仕事を通じて、人間は”良い”自己主張をして、
自分の生きた証を残そうとする訳です。
それが健全な、ビジネスであり、個々人が行う仕事という
考え方です。


成功はお金では無く、人それぞれなんだ。という考え方や、
正直という信頼が一番大切。といった考え方など・・。etc.

本書には沢山の良い言葉(正しい思考プロセス)が
ちりばめられています。
ストーリを読むと、中国での出来事やエピソード集なので、
少しは華僑のような気はしますが、世界中どこでも通用する
「成功法則」と感じました。


また、本書では小方氏が日本に帰ってきてから、
ビジネスが軌道に乗るまでの失敗や、
悲惨な状況の数々も記されています。

中国で沢山の知見や協力者を得たにもかかわらず、
その後の生々しい失敗の様子は、それだけでも本にできる位の
内容と思いました。

この点も本書をいっそう良くしている内容と思います。


華僑や資産家、起業や成功法則 といったフィルターを外して、
沢山のビジネスマンに読んで頂きたい内容と思いました。
この種の成功本の中では、大いにお勧め出来る一冊です。



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