「サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている」を読みました。

勤め人になって、感じたことのひとつに、
みんな良い大学を出ているにも関わらず、

何故
「経験や体力」が第一

の行動になってしまうのだろうか。?

・・という点がありました。

最初、自分の会社だけかと思っていたのですが、
様々な企業のお客様と接するうちに、

私の勤務先はまだ軽い方で、
世の中さらに、「経験、体力、義理、人情・・」
・・と演歌の世界感に突入している事が分かりました。

一方アメリカを初めとする諸外国では、
MBA制度を始め学問や研究成果を
ビジネスの現場に持ち込んでいます。

そんな国とビジネスで戦っているわけですから、
この国は、たいしたものだと思ったりもするのですが、
一方で、ホワイトカラーの生産性はかなり低いともいわれます。


そのような日本のビジネスの現場にいるので、

「サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている」

に書かれているだろう、
”学問的な「答え」”は大変興味をそそり、本書を購入した次第です。


さて、
サラリーマンの悩みは、何故か似たり寄ったりです。

例えば、

・上司が憎い、嫌い、うざい・・・
・頑張っているのに給料が上がらない。出世しない・・
・お給料は上がったものの、何故かお金がたまらない・・
・どうすれば部下はいうことをきいてくれるのか・・・

etc.
まったく、飲み屋の愚痴のオンパレードです。(笑)

カテゴリ的には、

人間関係、対人問題 など人にまつわる問題
出世、昇給     ない地位やお金にまつわる問題
夫婦・子供     など家庭にまつわる問題
その他       漠然とした悩み

のように、分類できると思います。


本書では、そのタイトル通り、
サラリーマンの代表的な悩みに対して、
「学問的な答え」を示しています。

例えば、
冒頭で紹介される、「収穫逓減の法則」によると、
同じ方法では、従業員が増えれば増えるほど生産性が
低下するため、
どんなに頑張っても、論理的に給料はあがりません。

冒頭からいきなり引き込まれるものがあります。


また、お金が貯まらない。ということに対しては、
「心の会計」と呼ばれる、お金の感覚のズレによる
影響と言います。

必死に貯めたお金も、宝くじなどで偶然手にしたお金も
同じお金、同じ金額なのに、必死に貯めたお金は大事で、
偶然手にしたお金は簡単に使ってしまう。

どんな人間にもある、そのような感覚のズレが、
「学問的に」お金がたまらない原因の一つといいます。


そして、職場の人間関係が上手くいかない理由の一つは、
「学問的には」自分がベストと思う方法を、職場の普遍的なも
のであると、勘違いしてしまう点にあると言います。

得てして頭では様々な性質の人がいることを
理解しながらも、心はそのように処理せず、
自分を基準にしてしまう動きをする点が、
沢山の悲劇を生むのだそうです。


本書はどちらかというと、実践と云うよりも、
サラリーマンの基本知識として、
覚えておきたい事柄が記述されています。

悩みを抱えた、
沢山の日本のサラリーマンの皆様にお勧めしたい一冊です。
良本と思いました。



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