「小さな自分で一生を終わるな!」を読みました。

有名なマズローの人間の基本的要求

 1.生理的欲求
 2.安全の欲求
 3.所属と愛の欲求
 4.承認(尊重)の欲求
 5.自己実現の欲求

の中の5番目に「自己実現の要求」があります。
例えば、

 ・至高なものに触れる神秘的体験がある
 ・対人関係において心が広くて深い
 ・手段と目的、善悪の判断の区別
 ・哲学的で悪意のないユーモアセンス
 ・創造性

など15項目で、中には分かりにくいものもあります。

本日ご紹介する、
「小さな自分で一生を終わるな!」の著者ダイアー氏は、
この「自己実現」をさらに発展させ、
「個人」の生き方を重視する「新個人主義」の論客として
アメリカでNo.1のベストセラーに成ったほどの方です。

マズロー氏は、新聞配達をしながら高校を卒業した後、
兵役に服し、なんと給料の9割を貯金しました。
そこで蓄えた貯蓄により、大学に進学し教師となり、
さらに大学院に進み、大学教授になりました。

しかし、このように苦労をして得た大学教授の道を捨て、
作家として、「新個人主義」の論客として無名ながらも
生きていく。と決心します。

本を出版し、自分で講演をして自書を販売をしながら、
旅を続けたところ、1年後にはマズロー氏の著作は
ベストセラーになったのです。

ラジオやテレビの広告を抜きにしてベストセラーを
生み出すことは難しいといわれる、
アメリカの出版会では奇跡のような出来事だったそうです。

マズロー氏が奇跡を生む最初のきっかけとなったのは、
氏が2歳の時、家を出た全く記憶にない、
父の墓参りをしたことでした。

父親を知らず貧しい家庭に育ったマズロー氏にとって、
亡くなった父は恨みを抱く存在でした。

しかし、父の墓を目の前にしたとき、
不思議と全ての恨みは消え、
父を許すことができたと云います。

そこから、マズロー氏に奇跡ともいえる、
様々な出来事が始まったと云います。


マズロー氏の考え方は、

失敗すると思えば、失敗を呼び寄せるし、
幸せだと思えば、幸せを呼び寄せる。

どうにかなるさ。と思えば不思議と助けがやって来る。
まるで、人生は何かの糸にたぐりよせられるようだ。

というものです。

世の中は、完全に出来ており、
病気や破産、大切な人との別れなど、
再起不能と思われる不幸でさえ、
完全を目指し、何かを得るきっかけに過ぎないと云います。


・迷ったときは、つねに難しい方を選べ。
・どれだけ心の中で夢を具体化できるかが勝負の決め手。
・「ノー」と行ってくれた人、みんなに感謝せよ。
・失敗は「単なる結果だ」という認識を持て。

etc.
他にも人を許す話や、物を持たない(人にあげるか、譲る)、
自分の限界は自分の頭が決めている。

など、およそ「成功本(自己啓発本)」に書かれている内容は、
殆ど網羅しているのでは。と思える位の内容です。

本書は「知的生き方文庫」の文庫本ですが、
洋書の翻訳ということで、文字数があり読み応えがあります。
(私は若干斜め読みとなりましたが。)
およそ500円ほどの書籍とは思えない内容です。

今年の夏休みは、読書三昧という方にお勧めの一冊です。


追伸1)
スミレを踏むと、スミレはかかとによい香りを残してくれる。
許しとは、その香りのことである。(マークトゥエイン)

本書の最後のほうで紹介されます。
人や世の中を許すことで自らが救われるという事が書かれています。


追伸2)
ケン・キース・ジュニア(1921年-1995年)の著書『百番目のサル』
の話が紹介されてますが、Wikiによると、創作ということですので、
本書を読む際は、少し注意が必要と思います。



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