「心に響く小さな5つの物語」を読みました。

「僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです」

・・から始まる、
イチロー選手(当時小学5年生)の作文は、
日本一有名な作文と言っても良いのではないでしょうか。

至る所で紹介されおりまして、何度も読んでも、
その都度心に響く物があります。

イチロー選手と言えば、
月に何万円もバッティングセンターで練習した話、
ドラフトの話や打撃フォームを直さなかった話、
仰木監督との出会いや座席に立つ仕草。

お昼はカレー(←最近止めたと言うことですが)
など...数々の有名なエピソードがありますが、

個人的には、この作文が一番心を打ちます。

要約をすると、

・夢は”一流”のプロ野球選手になること。
 その夢を実現するためには、
 学生時代から活躍してドラフトで選ばれる
 必要がある。
・そのために、小さい頃から練習し、
 友達と遊ぶ時間も無かったが惜しくはない。
・自分では、投手か打撃に自信があると考えている。
 全国大会に行き、(投手や打撃で)他の選手を
 観察したけど、成績も自分が一番だと思う。
・この調子で将来も野球を続ければ、きっとプロ野球
 の選手になれるので、
 その時は、お世話になった人を試合に招待したい。
・夢は”一流”のプロ野球の選手になることです。〆

※小学五年生のイチロー選手の作文より、
 私(40過ぎのおじさん)の要約のほうが
 メチャクチャ下手くそな文章となっております。


本文中にも、解説がありますので詳しくは
そちらをご覧頂きたいのですが、

夢を信じ、
その代償を甘んじて受けいれ、
自分の力を冷静に分析し、
自分だけではなく、関係者全員に恩を感じ
みんなを幸せにしたい。

夢を叶えると言うこと、
物事をなす人物の本質が、
この文章には”論理的”に表現されています。


本書はここで紹介した、イチロー選手の作文のほか、
雑誌で紹介された、5つの感動のピックアップして
一冊にまとめたものです。

余命幾ばくもない母親が、
自分が亡くなった後に子供が悲しむのを心配し、
生きている内に子供に嫌われようと、
子供に辛く当たった話。

急に父親が交通事故にあい、
最後の言葉が、「これからは”おかげさま”」と
人様に感謝の心を持って生きていけ。という話。

障害を持ち、全身が不自由で言葉も話せない
子供が、目や舌のちょっとした仕草で、
言葉を選びながら作った”詩”。

親を失ったせいで心に傷を持ち、
手に負えなくなってしまった子供が、
ある先生が、たったの1年間担任になったおかげで、
真面目で勉強する子供に生まれ変わった話。


・・どれもどれも心を打つ話ばかりですが、

私個人的には、障害を持った子供が命を削って作った
「ごめんなさいね おかあさん」
で始まる詩が一番泣けます。


本書は、5つの物語に、片岡鶴太郎さん
日本画と毛筆の原文が添えられています。

本文の文字数はとても少ないですが、
片岡さんの絵が加わり、
なんとも味わいのある一冊と成っています。

人生において大切な事が、記されております。
本棚に置き、たびたび読み直したい一冊と思います。