新将命著「伝説の外資トップが説く 働き方の教科書」を読みました。

私事ですが、3日ほど夏休みを頂いておりました。

少し時間が取れそうなので、
本を読もうと、数冊買い込んだのは良いのですが、
結局、積読(本)が溜まっただけでした。


・・さて、
本日ご紹介する本は、”伝説の外資トップが説く”
のサブタイトルが付いている新将命氏著の

「働き方の教科書」

です。

ごく平凡なサラリーマンの視点では、
外資”と云う単語を見ただけで、
住む世界が違うように思えるのですが、
さらに”伝説”という単語まで付いています。

外資はどんなところなのか?
外資はどんな仕事ぶりをするのか?
外資ならではの”何か”はあるか?

・・等々、様々な興味を持ちます。

自分のサラリーマン生活とは次元が違うにしても、
何かしら勉強になるところはないものか?

そんな興味を持ち、購入に至りました。


本書は、いくつかの外資系企業を渡り歩き、
さらに経営トップまで勤めた新将命氏が、
自らの経験の蓄積をもとに、
仕事を行う上での大切なポイントを、
一冊にまとめたものです。

この種のビジネス本は、
自分の云いたい事を、書き連ねた本も多く、
読んでみないと良書を選別するのが難しいのですが、

著者の新将命氏は、
現在、次のビジネスリーダーを育成する
お仕事をされているためか、
内容は良質でバランスの良さを感じました。


また、このカテゴリのビジネス本は、
どこかで読んだ事のある内容が含まれることが
宿命なのですが、

それは例えば本書でいえば、

・目標設定と定期的な見直しが大切。
・情熱をもつ。
・ゼネラリストやスペシャリストなど様々にある
 どういった人材のタイプを目指すのか。
・時間特に可処分時間の考え方。
・物事の優先順位。
・ライバルやメンターを持とう。
・・・

なのですが、

新将命氏のように、
成功だけではなく時には失敗して
降格や左遷させられた方が表現すると、
読んだ感想も重みが感じられます。


内容が外資っぽいと感じたのは、
ビジネスマンは学習が大切という流れのなかで、
ビジネススキルなどの実学だけではなく、
教養も身につける必要がある。という点でした。

普段の会社生活では、スキルアップと称して様々な
ビジネスの勉強することは推奨されますが、
歴史や文学、芸術などを身につける話はなかなか
出てきません。

欧米のビジネスマンは、ビジネスの現場では仕事の
会話をしても、夜のパーティーなどではビジネス以外の
会話をすることが多いと云います。

「マネージャーが身につけておくべき能力の内訳」
を説いた、ジョセフ・バジールという学者の説く、

職業的技術25%、革新的想像力25%、教養50%

という割合が紹介されていますが、
つまり優れたマネージャーになるためには、
教養が必要と云うことです。

私の周りでも仕事以外の話と云えば、
ゴルフや休暇の過ごし方、子供の話等になりがちですが、
やはりこれでは、優れたビジネスマンとしては
尊敬されないと思います。


本書において印象に残るのは、
後書きにおいて著者が次のように述べる一節です。

日本の生産力が1990年には世界の14%だったのに対し、
2050年には2%になるだろう。
このような悲観的な予測もある現在の日本の経済の低迷に関して、
これを立て直せるのは、政治家でも官僚でもなく、民間の企業人である。

新将命氏レベルの方でも政治家や官僚に対して、
諦めの感が有ることに対して、少し驚きを覚えます。

我々一人一人のビジネスマンに、
日本の未来がかかっていることを感じながら、
本書を読み終えました。

本書はどちらかというと、
20〜30代の若手ビジネスマン向けの書籍と思います。
(その上の方には「リーダーの教科書」というシリーズが
あるようです。)

内容は良質でボリューム感もたっぷりあります。
※私も数日かかってしまいました。
勉強熱心な方にはお勧めできる良書と感じました。



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