中谷彰宏著「人は誰でも講師になれる」講師を目指す方だけでなく沢山の方に参考になる本と思います。

中谷彰宏さんは、
※以下中谷さんと略します。
数々の著作をもつ有名な作家さんでありますが、
同時に講師としても活躍しています。

自ら「中谷塾」というセミナーを主催しているほか、
中谷彰宏公式オンラインショップ
↑ご参考URL

全国各地でセミナーを行っています。

中谷さんが最初に講師を行ったのは、
ベストセラー「面接の達人」が出る前の事です。

雑誌に書いた記事を読んだ、
地方の「生涯センター」からの依頼でした。

それまで学生相手に話をしていた就活の話題を、
定年退職後の60歳ぐらいのおじさんにしました。

この話を聞くだけでも、
講師業の大変さが伝わってきます。


そんな中谷さんが、
自らの経験をもとに書いたのが本書です。

講師業を目指す人といえば、
ごく限られた一部の専門家のように考えがちです。
しかし本書のタイトルは、

「人は誰でも講師になれる」

です。
”誰でも”の言葉通り、
読み手を一部の専門家に限っていません。

人目を引く売れそうなタイトルをつけて、
中身が全然違う本は良くあるのですが、
本書は違います。

講師になろうと思ったら、(←ココが大事ですが)
”誰でも”できる。
そんなスタンスで書かれています。


「牢屋に入れられたなら、
 牢屋でできることをすればいい」

吉田松陰は云ったそうですが、
(前回ご紹介した、「心が折れそうなとき・・本」より)
 
牢に入った吉田松陰は、
最初ひたすら読書に励んでいたのですが、
のちに牢の中で塾(勉強会)を始めました。

最初は吉田松陰自身が孟子の講義をしました。
しかし松陰は、どんどんと他の罪人の長所を見いだし、

あなたは、俳句がうまいから俳句の先生を、
あなたは、バクチがうまいかたバクチの先生を、
あなたは、植木職人だったら植木の先生を、

牢のなかの囚人達を先生にしました。

いわゆる松下村塾の初めの話で、
詳しい話はココでは書きませんが、

吉田松陰の凄いところは、
自分が先生として生徒を教えたのではなく、
全ての人の素養を見極め、
先生にしていった点にある。

本書で中谷さんが述べています。
とても重要な知見だと感じます。

タイトルの「人は誰でも講師になれる」
の裏側にあるものは、
人は講師になれるような得意な物があるはず。
(もし無いと思うなら、いまから見つけよう)
ということなのです。

吉田松陰のような大人物が身近にいて、
自分の得意な点を教えてくれることは希です。
自らで気づかねばなりません。

たとえば、
私たちはなんらかの方法(職業)でお金を稼いでいます。

毎日の仕事は、本人にとっては当たり前でも、
他の人にしてみれば、極めて物珍しい世界です。

つまり、貴方の仕事の中には、
他人にとって価値のある何かがあるかもしれないのです。

その価値のある何かを、
情報をほしがる誰かに教えることが出来れば、
人は誰でも講師になれる。

そういった事を本書では指摘します。


本書の特徴は、
他の中谷彰宏さんの本(中谷本)と違って、
実用的なノウハウも沢山詰まっていることです。

(そういった意味では、講師業のプロのひとが
読む本ではありません。)

他の中谷本は、
読んだときは納得するのですが、
文字が少なく内容もふんわりしていて、
実用に乏しい面が否定できません。

しかし本書は、
本当に講師としてセミナーを開くに当たり、
例えば、

 カルチャースクールで求められる人物像
 机の並べ方
 集客やお金の集金方法
 会場の選び方
 地方での話のネタ選び
 ・・etc.

お客さんが集まらなかったらどうしよう。
とか、講義中反対意見が出たらどうしよう。

といった実際に講師を行う上で最も気になる話も、
ちゃんと解説されています。

実用的な内容も多く、
常の中谷本よりも2〜3倍読むのに時間が
かかってしまうかもしれません。

本書は、
これから講師を目指す人も、
そうでない人も含めて、
幅広くお勧めしたい今日の一冊です。


追伸)
本書によると、ブログには、
 1,自己満足のブログ
 2.ノウハウを書き続けるブログ

の2種類あるといいます。
私は、どちらかというと1ですが、
2に成れるようにしたいと思う、今日この頃です。



★★★ ツィッターやってます! ★★★

   https://twitter.com/h6takahashi


今日のアクセス:79,934