中谷彰宏著「もう一度会いたくなる人の聞く力」は簡単な本文の中にある、深さを感じ取りたいと思います。

若い頃は、
○×先生や△部長等・・・
いわゆる”偉い人”に調子を合わせている
人たちを見て、イヤな印象を持ったものです。

その気持ちは今でも少なからず持っているのですが、
自分も大人というか、おじさんになってみると、

調子を合わせることは、必ずしも悪いことではない。

と思うようになりました。

それは、どんな人でも、
自分に同調や賛同してもらうと嬉しい。

という動かしがたい事実があるからで、
同調や賛同することの大切さは、
多くのビジネス本や成功本/自己啓本だけでなく、
恋愛本にも書かれています。

即ち、
ちょっとゴマをすっている位のほうが
世の中円満に回るのだ。

そんなことを、
いい歳になってから
ようやく学習したということなのです。


本日ご紹介するのは、中谷彰宏さん著の

「もう一度会いたくなる人の聞く力」

ですが、

”もう一度会いたい人?”と問われれば、

まさに私が最初に書いたような、
”自分に同調や賛同してくれる人”
が思い浮かぶのでは無いかと思いました。

”裸の大様”という言葉にもあるとおり、
人間関係において、同調(賛同)だけでは
いけないのは言うまでもありませんが、

しかし、人間関係のベースにあるものは、
同調(賛同)したり、場の空気が読める
ことだったりします。

そして次に大切になるのが、
知識・見識、文化・品、経済力
・・・
などと思います。

本書の主題は、
良好な人間関係を気づくに当たって、
どのような会話術を身につけたらよいのか。
という事です。

最初に記されるのは、
会話力で大切なのは、聞く力である。
ということです。

話を聞くに当たっては
質問の仕方、相づちの打ち方が大切です。

他の会話術の本でも似たような内容はあり、
頭には入っているのですが、日々の中では、
つい適当な相づちを打ってしまうことはあります。

さらに中谷さんは、
別段変わった物では無く、

「冷蔵庫を買いました」

ぐらいの話を相手がしてきた場合でも、
間髪を入れずに、
大きなリアクションで反応することが大切。
と記されています。

テレビでみる、漫才をやるような話であり、
ゴマスリ術のような話でもありますが、

それでも、ある程度の割り切りを持って、
そういった話し方・聴き方のほうが
相手の心をつかむ。ということなのです。


本書は、読み方によっては、
何処にでも書いてあるような、軽い会話術の本で、

あまり本を読まない若者や、ビジネス本は苦手
という方でも、さくっと読み切れる内容です。

しかし、書かれている内容は、
あくまでもビジネスの現場を想定されています。

そして、ビジネスの現場では、
冒頭に書いた、いわゆる偉い人にどの程度
気に入られるかが重要で、
人によっては、それが全てであったりします。

あまり認めたくない面もありますが、

しかし、青臭い事を言っていても、
できる仕事の限界が低いだけです。

ある程度の割り切りをもって、
偉い人に気に入られる。

本書で言うところの”ジジころがし”ができないと、
自分の好きな仕事も思うようにできません。


本書は、

簡単な本、つまらない本、
どこかで読んだ事がある。

という人もいれば、

へぇ〜。こんな人もいるのか。

という人もいると思います。

読み手によって、いかようにも感じると思うのですが、
私は、ビジネスの現場の視点を持って読み、
簡単な文章の中にある、深い内容を感じました。

おそらく、
読み手のおかれる環境や、レベル感によって
印象が分かれる内容と思います。

実践書でありますが、
いわゆる「中谷本」でもあり、
万人にお勧めするには、ちょっと難しいかな。
と感じた今日の一冊です。



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